第四十七話 ある女の話し 6
え?なぜ別の貴族が捕まえに来たかって?
それは知らないわ。
私はただ、愛されてただけだもの。
だけど、そうね。
あの二人はいつの間にか外へ出なくなっていたし、段々痩せていっていた。
それに、私へのプレゼントも段々安い物になっていってたからお金がなくなったんじゃないかしら?
どうしても知りたいのなら直接貴方のお父様にお尋ねなさいな。
そうよ、捕まえたのは貴方のお父様よ。
だから今ここにいるし、貴方と出会えたのよ?うふふ。
ええ、それで、捕まってからね。
捕まってすぐにあなたのお父様に連れられて私はこのお屋敷にきたの。
最初はね、地下の牢屋にいれられたの。
悲しかったわ。
ふかふかのカーペットもないし、柔らかいベッドもないんだもの。
数日経って、あなたのお父様が夜遅くに私の所へ来たの。
今までの話しでどうなったか、わかるでしょ?
聞きたいの?仕方ないわね。
知ってるでしょうけど、地下の牢屋には他にも奴隷がいたの。
貴族なら普通の事なのよ、前の所にも他に奴隷の子はいたもの。
あなたのお父様は奴隷を抱きに来たのよ。
最初は私の牢屋に来ようとしてたんだけど、なぜか途中で止まって他の奴隷の所へ行こうとしていたの。
その時あなたのお父様がこちらを見たの。
目があったわ。
だから私、ニッコリ微笑んだの。
そしたらね、私の所へきてくれたの。
その後はわかるでしょ?私に夢中になったのよ。
私を抱きながら、君はなんて甘い香りがするんだ、美しい、そう言っていたわね。
うふふ、本当に私からは男を惹きつける蜜が出ているのかもしれないわね?
その日から毎晩あなたのお父様は来てくれたわ。
何が欲しいお前の望みならなんでも聞いてやる、なんて言うから、私、お部屋が欲しいって言ったの。
だって、牢屋は冷たくて固いんだもの。
あなたのお父様はお前の為に、大きくはないが屋敷を作ってやろうって言ったの。
そう、ここよ。ここは私の為の、私のお屋敷。うふふ。
お屋敷が完成するまで、空いてる部屋を使っていい事になったのよ。
私のお屋敷ができるまでの数ヶ月を私はあなたが住んでるお屋敷の一室にいたの。
ええ、そうね。あなたとはそこで出会ったのよね。
あなたのお母様はあまりよく思っていなかったみたいだけど、でも、彼女もお気に入りの奴隷を自分の寝室のそばの部屋に住まわせてるから何も言えなかったみたいね。
あら、知らなかったの?
だめよ、あなただって、お父様だって、お母様と同じ事しているでしょう?
だから嫌ってはいけないわ。ね?
続きから話すわね。
あなたが住んでいるお屋敷の部屋に住み始めて2ヶ月、その日はたまたまドアに鍵がかかってなかったの。
そこへあなたが来たのよ。
ちょうど私はお風呂からあがった所で、鍵が開いてるなんて思いもしなかったし、あなたが入ってくる偶然があるなんて思わなかったから、もうすぐあなたのお父様も来る時間だったし、何も着ていなかったのよ。
あなたったら、顔を真っ赤にしてごめんなさいって言って出ていったわよね。くすくす。
とてもかわいかったわ。本当よ?うふふ。
だから、私あなたにまた会いたくて、部屋の鍵はしなくなったの。
でも、あなたは中々来てくれなかった。寂しかったわ。
え?恥ずかしくてこれなかったって?うふふ。本当にかわいいわねぇ。
ええ、それで私のお屋敷が完成する1ヶ月前、あなたがやっと来てくれたのよね。
でもあなたその前に1度来たでしょう?
わかってるわ、見えていたもの。
あなたのお父様が私を抱いていた時、あなた扉の隙間から見ていたでしょう?
だから、よく見えるようにしたのよ。うふふ。
あなたは最後まで見ていたわよね。
よく見えたでしょう?ねぇ?
あはは。
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