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第四十一話 サーシャの服を作ろう

 流れをほぐし始めて1時間、やっと終わった。


「ふう。おわったよ。やっとながれはじめたところだから、あしがうごくようになる、というか、なれるまで、すこしかかるとおもう」

「ほんと!?さーしゃがんばる!うれしい!」


 ぺちぺちと自分の足を叩くサーシャを見て二人してほっこりする。


「さて、それじゃあサーシャのふくをつくってしまおうか」

「ふく?さーしゃもうふくきてるよ!」


 サーシャが着ているのは昨日サーシャをベッドに寝かせた時にサイリールが間に合わせで作った寝間着であった。


「それはねまきだからね、ふだんのふくもつくろうね」

「ねまき?ねーねー、ねまきってなーに?」


 アソートを見上げて質問をするサーシャにニコリと微笑んで答える。


「寝間着って言うのはね、寝る時に着るお洋服だよ。お洋服にも、色々あるんだよ」

「いろいろ?さーしゃいちまいしかなかったから、わかんない」

「そうだねぇ、寝る時に着る服、今サーシャが着てるのだね、後は普段着る服、寝てない時に着る服だね。あまり着ないけど余所行きの服、普段の服よりも少し豪華で綺麗な服だね。」

「サーシャはおんなのこだから、ふだんぎもいろいろつくろう」

「うん、女の子は普段着る服も気分で色々選んだりするんだよ」

「そうなの?よくわかんない!」

「あはは。これから色々学んでいこうね」

「うん!わかんないけど、わかったー!」


 そうして10着程の服を作った。

 時々アソートから意見をもらって、色違いの服を数着、フリルを多めにした物などや、サーシャの右目と同じ大きな花を柄にいれたりなどもした。

 作ってる間に散歩に行っていたファニーとエルも戻ってきたのでエルの意見ももらったりした。


 エルは散歩中に寝てしまったファニーを寝かしつけに行き、アソートとサイリールはサーシャの洋服をしまいにアソートの部屋へと向かった。


「よし、ここはサーシャのお洋服の場所ね」

「わーい。さーしゃのばしょー!」

「じゃあ、これに着替えようか。今は寝間着だしね」

「うん!」


 そうしてアソートがサーシャの寝間着を脱がせ、淡いピンク色をした所々にフリルのついた女の子らしいワンピースをサーシャへと着せていく。

 脱がした時のサーシャのあばらが浮く程の痩せ具合に少し眉をしかめてしまうがすぐに笑顔へと変える。


「わぁ、サーシャかわいいねぇ。すごくよく似合ってる」

「うん、サーシャかわいいね」


 二人に褒められたサーシャは頬を薔薇色に染め、もじもじとしながら上目遣いでアソートたちを見上げた。


「ほんと?さーしゃかわいい?」

「うん、すごくかわいいよ」

「うんうん、サーシャすっごい可愛い!」

「えへへ。さーしゃかわいいの。えへへ」


 頬を薔薇色に染めてもじもじとしながら嬉しそうにしている姿は本当にかわいらしかった。


 そうしてサーシャという家族が加わり、数日が過ぎていった。


 その数日の間に、サーシャから色々話しを聞いたが、まだ幼い為要領を得ない部分も多く、仕方なくサイリールがサーシャの記憶を見る事になった。

 というのも、サーシャの母親が気になったからである。

 無理やり引き離されているのならば、サイリールの力を使って母親を救助するつもりであるからだ。


 サーシャの記憶を覗いた結果、サイリールは渋い顔になり、救助はしない事にした。

 そして、アソートとエルにもどうしてその結果になったのかの記憶の提供をして同意を得たのである。


 サーシャの母親はサーシャを産んだ事を嫌悪していた。

 性奴隷なのだ、そのような男の子供など望んではいなかっただろう。

 嫌悪するのは仕方ない事ではある。

 だが、サーシャの母親は違ったのだ。

 捕らえられ性奴隷とされたのは他の奴隷と同じではあるのだろうが、サーシャの母親は奴隷とは言い難かった。

 そう、まるで女王なのだ。

 サーシャを足蹴にしながらサーシャを出来損ないと罵しる姿を見て、どうして助けようと思えるだろうか。


 記憶を見た結果、分かったのはサーシャが4歳という事と生まれて最初の1年以外は檻の中でずっと過ごしていたという事だった。



 そうして三人はサーシャの母親についてはサーシャが知りたがらない限り触れない事にした。


お読み頂きありがとうございます。

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