第三十一話 闇の住人の難しさ
サイリール自身も種族としての確立は難しいだろうというのは思っている。
実際の所、闇の住人達は基本的には親もなく、ある日突然発生するのがほとんどだ。
どういった原理なのか、まったく分かっていないのが現状である。
一説にはその場に闇のエネルギーが溜まり、それが、そこにちょうどあった物に取り憑き、そして変化するのではないか、とも言われている。
確かにそういう風に思われる場合もあるのだが、立証はされていない。
闇の住人同士はもちろん、出来にくくはあるが人間との間にも、子が生まれる場合もある。
人間とのハーフの場合は基本的に親となる闇の住人の特徴が色濃く出るので結局は人扱いはされない。
人間と愛し合って出来ていた場合はひっそりと育てたりしているが、大体は性奴隷の子である。
性奴隷を購入するような人間なので、血を分けた子、などとは思わないらしい。
生まれてある程度自立して動ける程に育つと奴隷の焼印を押されるか、丈夫な首輪をつけられて、性奴隷等として非常に高額で販売される事もあればそのまま持ち主の玩具にされる場合もある。
だが、持ち主が売らないというのは滅多にない。
なぜなら、闇の住人同士よりも更に人間とのハーフは出来にくく、ある特徴がある為だ。
その分値段も跳ね上がる。
健康かつ顔以外が人型で、幼ければ幼い程人気がある。
この幼ければ幼いほどいいというのも、その特徴の為だったりする。
かつて一部の者が、人間とよりはまだ妊娠しやすい、闇の住人同士を交配させ、子を産ませて販売しようとしたが、闇の住人同士の子は異様に成長速度が早く、子供の姿の時期が数ヶ月と非常に短く、闇の住人同士の場合は人型以外も生まれる場合があった。
性格は親を引き継ぐようで、凶暴だったりはないようだが。
あまり妊娠しない上に子供時代が数ヶ月と短く、人型以外も生まれるというのと、強制交配をさせる為の薬の影響が強く、死産や親が死んだりと、管理が非常に難しかった。
中には、雇い入れた弱者ではない人型と交配させたりしたが、生まれた子がどうしても強い方の影響を受けてしまう為、見た目や力に問題があり売れなかったりした。
その為、幸いな事に商売としては成り立たなかった。
人間とのハーフが人気で、一番の特徴というのが、首から上の見た目は人間ではないが、成長が人と同じ速度だという事だ。
幼い見た目で長期間楽しめるというのと、人間の子供と違い頑丈で壊れにくくあるのだ。
これが、人間とのハーフが大変人気で高価で取引される理由である。
サイリールはその話しを聞いた時はものすごくショックを受けた。
人間と共存したいとは思っているが、さすがにそれを見つけた時はこっそり救助しようと考えている。
洞窟から出た彼はふぅと一息つき、入り口を振り返る。
「さて、なんてせつめいしようかな?けものがすみついていたでいいかな」
そうして彼は仕事を終えた後、洞窟の入り口を軽く崩落させ穴を塞ぎ、家路を急いだ。
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