第十五話 二人の山賊
食料置き場を過ぎ、広場に入って積みあがっている木箱の裏側に立つ。
奥からあの二人がやってくるのを彼は待っていた。
彼が食料置き場まで来た時に、あの二人の山賊は彼女がいる場所を出てこちらへ向かっていたのだ。
広場に足を踏み入れ、なんの疑いもなく自分達の寝床へと向かう山賊二人。
他愛もない会話をしている。
「あーやっぱつまんねぇなー。目を抉られてた時なんかは最高にいい声あげてたんだけどなぁ」
「おまえのその性癖にゃ、俺はついていけねぇなぁ。あの女の勝気なとこが良かったのによぉ。目抉られた後から大人しくなっちまって」
「それはあるがなぁ。おらぁ、副頭領のいつもの楽しみで目玉抉ったあと痛みで転がってるあの女をヤッタが、あの時は最高によかったぜぇ」
「はいはい。でもまぁ、副頭領もほんと好きだよなぁ。しってっか?副頭領、拷問した後いつも女連れて部屋戻ってすげぇ長い事やってんだぜ」
「ああ、見た事あるぜ、終わった後の女を檻に戻したけど白目剥いて気失ってるからな。ありゃすげぇわ」
「俺達が抱けねぇ女がアレでたまに死んじまうんだよな。もったいねぇ」
「おらぁどっちでもいいがな。痛みに呻いてる女をヤれればよ」
ゲラゲラと不愉快な笑い声を上げながら通路に向けて歩いている。
山賊が通行する人々を襲って手に入れた宝が詰まっている木箱の横を通り抜けた時、彼ら二人はガクリと急にヒザをついて倒れた。
「うおっなんだ、ちくしょう」
「いてぇ、くそなんだよ」
そんな悪態をつきながら起き上がろうとした二人はふと違和感を感じ、おのれの足を見た。
きれいサッパリ、ヒザから下がない。
「へあ?」
間抜けな声を出した二人はおのれの足から大量に血が噴出するのを見て、大きな叫び声をあげた。
「ぎゃ……ぎゃあああああああ!!足が!俺の足!あしいいい!」
「いてぇ!いてぇ!足がぁあああ!ぐぎぎぎ」
そんな涙と鼻水と血液でぐちゃぐちゃになった顔をしている二人のそばに、彼は振りぬいた剣を手に歩み寄った。
「いたい?かのじょはもっといたかったとおもうよ」
突然の声に痛む両足を押さえながら二人は声のした方をなんとか見た。
洞窟内は薄暗く、よく顔が見えない。
「だ……だれだてめぇ……ぐぎぎ、、いてぇ……」
「てめぇか!俺の足ぃ切ったのはぁ!があ!いでぇよぉ……」
彼はそんな二人を見ても何も心がスッキリしない事に気づいた。
むしろ、生きている姿が彼に軽い苛立ちを覚えさせた。
「ふしぎだ。おまえたちをみると、こころがざわつく。もういらない」
二人が顔をあげ怒りの声をあげようとしたが、それは叶わなかった。
二つの首が地面に転がり、ゆっくりと首がついていた体は倒れていく。
彼はソレをそれ以上見る事もなく、まるで何もいなかったように何事もなかったかのように、檻のある奥へと歩みを進めた。
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