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MISS YOU  作者: みどりむし
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 序章 

 これはフィクションです。

実際の人物、団体とは一切関係ありません。

 最近、悩みが多くなった。気づいたらため息をついている自分がいる。 高校生活もあと4ヵ月……。大学入試も目前。その緊張もあるのか……胸が痛い……………。

でも、なんでこんな時にこんな気持ちになるのかな?多分、あの人に会うたびに思い出してしまうから、複雑な心境になるんだ。そう、勉強に一直線に取り組めていない自分がいながら、他のことにとらわれ続けている自分がいるのがつらい。


 中学校の卒業式当日。

 僕は心に決めていたことがあった。2年の時から気になっていた朋ちゃんに思い切って告白することを……。在学中から機会を見計らって近寄ろうとしていたが、なかなかできなかった。というより、その勇気がなかった。でも離ればなれになる前にどうにかこの気持ちを伝えたい。そう思った僕は、その日に行動にでることに決めた。


式が終わり、在校生に見送られて外にでた僕は勇気を振り絞って近づいていった。


「朋…ちょっと話があるんだけど、いいかな。」

「え?いいけど……」


僕は人ごみから彼女を連れ出し、校門の方へ連れて行った。

この先から、何を言ったのか僕はわからない。頭の中が真っ白になっていた。ただ、彼女がなんと言ったかははっきりと覚えている。


「一君は誠実だし、前からいい人だなぁって思ってたよ。でも、あたしのいく高校の部活は男女交際禁止だから……」


僕の初恋はあっけなく終わってしまったのだった。


 それから月日はあっという間に過ぎ、春休みをほのぼのと過ごしていた。大学入試は無事合格し、その足でバイクの免許をとりにいった。両親と約束してバイクを買ってもらうことになっていたのだ。うちの高校は免許をとらしてくれないし、見つかったらよくて停学になってしまう。この何年間気持ちを抑えながら待ちに待った瞬間だった。彼女のことを忘れることができるかと思われた。


僕は新聞配達のバイトを始めた。朝4時からバイクに乗って新聞を配る。朝早く起きての仕事はきつくないと言ったら嘘だが、早く起きれば、それだけ充実した気分にひたれるし、なにしろ朝の風は格別で、気持ちが良かった。


 それからもうすぐで3年になる。実は数回メールのやりとりもしていたが、ある日からぱったりと返事がこなくなった。

でもそれでいいと僕は思っていた。彼女は高校に部活の推薦で行っているのだし、僕がへらへらとメールをするたびにあの日のことを思い出すだろう。疲れて家に帰ってはそんな調子じゃ、集中できたもんじゃない。しかも相手に気を使いながらじゃなおさらだ。正直、迷惑かけてるのはこっちだろうということぐらい、馬鹿な自分でもわかっていたから。僕はあきらめるつもりでいたのだ。

だが、実際のところ僕はあきらめ切れないでいた。時々駅で顔を見るたびに、胸を切り裂かれるような気持ちになった。自分がいやになった。



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