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異世界転生のβテスター  作者: シャッテン
山根浩牙は新しい世界を理解する。
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002

うわっ!まぶしっ!

そんなことを思いながら目を開けるとそこは白い世界であった。

うわぁ……やっぱりあれは異世界への鍵だったのかよ……よくある感じで行けばそろそろ神様が出てくるはずだよな……


「うん!その通りだよっ!!」


ほら…きたよ……女神様だよ……やたらとテンション高そうだし、どうせ俺の心の声を読んでるんだろ?


「うわぁ……夢と希望がないなぁ……ここはたとえ冗談でも驚いたり怒ったりとリアクションを取るべきでしょ……これだから最近の子は嫌なんだよな…」



そうか、驚けばいいのか

わー、なんなんだーここはー、さっきまでいえにいたのに、とつぜんこんなしろいくうかんにとばされてまほうなのかー!

と、まあ、こんな感じかな



「はぁ…もういいわ…そんなことを期待した私が馬鹿だったわ。さて、本題に入りましょうか…」


ほほう、わざとらしいのはいらないか。本題…と言ったらやっぱり魔王を倒すためにどこかの国が勇者召喚をしてそれに干渉したとか、邪神を倒すために手伝えとか、かわいそうだから転生してあげるとかじゃないのか?



「いや……察しがいいのも悪くないけどここまで行くと面白味がなくなるわね…でも今回はちょっと外れてるわね。まぁいいわ。あなたに頼む事は1つよ。長生きしなさい。」



………………は?

長生き?生きてるだけでいいのか?引きこもって親の脛をかじっていてもいいのか?


「あー、そんな考え方もあるのね……でも引きこもるのはダメよ。と、言うかあなた自分からβテスターに応募したんだから仕事ぐらいしなさいよ。」


え?あれって釣るためのエサだったんじゃなくてガチだったの?


「そうよ、女神は嘘をつかないのよ。まあ、特別に分かりやすく説明してあげるわ。

新しい世界を創ったからバグがないか確認するために世界を旅しなさい。

こんだけ分かりやすく言ったんだから馬鹿なあなたでもわかるわよね?」


ほほう、新しい世界を創ったのか…そして、それを旅しろ……と?



……………最高じゃないかっ!まさしく俺向きの仕事じゃないかっ!今までバイトもせずに働かないでいた甲斐があったよ!まさしくβテスターの自称プロフェッショナルの俺にふさわしい仕事じゃないかっ!

それでそれでっ!?転生は子供からスタートか?それとも適齢から?今の年齢から?



「うわっ…テンションの上がりがうざいわね……まぁ、働いてくれるのだから年齢は選ばせてあげるわよ。と言ってもギルドに入るなら12以上にならないといけないからね。早く世界を見て回りたいなら今の年齢のままがいいと思うわ。ちょうど向こうの世界の成人の年齢も18歳だし。」


ほほう、年齢は変わらないのか。あとはおきまりのチートとかなんかないのか?仮にも女神から頼まれて仕事をするんだから少しぐらいあってもいいだろ?


「あー、チートね、チート。まったく、最近の若い奴らときたら異世界に召喚されるたびにチートチートと叫んで本当にやってらんないわ。とりあえず他の人にも与えたような感じのチートがいい?例えばすべての剣術が扱えるはずの職業『剣神』にしたり、魔法がすべて使えるはずの『賢神』したりは余裕でできるわよ。でもこの世界は職業は例外なく一つだから剣神なら魔法が賢神なら剣術が一切使えなくなるわよ。他にも『勇者』とかもいけるし逆に『魔王』とかも余裕よ。さあらどれにする?」



ふむむ、なるほどどの職業も魅力的だが完璧ではないんだな……よくある主人公なら賢神にして魔法で剣とか使ったり障壁とかで守ったりするんだよな……さて、ここは人生の分岐点になるな。ちゃんと考えなきゃな……なぁ、女神よ、他にも面白い職業とかはないのか?こう…他の人がとってないようなやつで



「ん?あなた変わり物が好きなの?そうなら先に言ってくれたらいいのに。変わった職業ならね、、『手品師』『詐欺師』『童帝』『食神』『復讐者』『女神の奴隷』『愛すべき隣人』とかがあるわね。どう?どれか気になったの見つかった?」


いやいや……最後から2番目のやつは人によってはご褒美になるが俺にとっては何もないただの外れ職業じゃないかよ……だが、それにしてもまったく気になる職業がなかったな……どれも突っ込んだら負けな気がする職業ばかりだし……ん?まてよ、女神よ、俺のステータスってどうなるんだ?βテスター登録の時に表示されたのと同じになるのか?



「ん?あー、あれか……うん、あれは本人の魔力とかも感知したりするからね。あの年齢の時にステータスの能力と同じになるんだと思うよ。訓練とか怪我とかしたら多少は上下すると思うけど基本はあれぐらいかな。」



ふむふむ…なるほど…なぁ、女神から与えられるものって職業だけなのか?他にも例えば知識だったりとか……


「………あなた、見かけによらず鋭いわね。今までの人なら迷わずに勇者とかの職業に食いついたのにね。そうよ、あなたの予想通り私は知識も与えられるわ。ただし期間限定かつ条件付きだけどね。さて、あなたは本当に知識を選ぶの?」



ああ、もちろんだとも。俺は異世界転生に憧れてはいたけどもチヤホヤされたり面倒ごとは嫌いなんでな。現地人として静かに生きたいんだよ。


「そう、ならばあなたに知識を与えるわ。でも与えるわと言っても本を読んでもらうだけなんだけどね。あなたをこれから現地人のとある森にあるツリーハウスに飛ばします。そこで最大で1年の間知識を得ることが可能です。そこでは食料の問題はありません。そこにある本棚には現地のあらゆる知識がつまっています。ただしそのツリーハウスから外に出た瞬間にツリーハウスは消滅します。そして、強力な人払いの呪文をかけているので魔物も人も近寄ってくることはありません。さて、理解したかしら?」



……なんか長いな。とりあえずまとめると

最大1年間ツリーハウスで勉強できるから心配せずに勉強しろ

ということかな。うむ、問題はないな。

あっ、なあ、女神よ、ツリーハウスに魔法を試し打ちできたり、軽く運動できるスペースとかないのか?あと風呂とかトイレとか。



「いや、風呂とトイレはもちろんあるわよ。しかもツリーハウスって言っても魔法のツリーハウスだからスペースはだいぶ広いわよ。でも魔法の試し打ちか……考えてなかったわね。あなたが行くまでに付け加えておくわね。他に何か説明はない?」



あー、、ま、特にはないな。あ!そーいえば女神の名前ってなんて言うんだ?



「ん?私の名前?名前なんてあると存在が縛られちゃうじゃない。そんなものはないわよ。」


え?名前ないの?俺が付けてあげようか?



「やめておいた方がいいわよ。名付けには魔力を消費するから下手するとあなたの魔力が尽きてしまうわよ。」



ん?魔力が尽きるとどうなるんだ?よくある感じで目眩がしたり気絶したり体調が悪くなったりするのか?



「それは簡単よ。魔力がなくなるとその分寿命が減るのよ。寿命って魔力と大きく関係していてね。魔力が多い方が寿命が延びるのよ。と、言っても微々たるものだけどね。だから魔力がない時に攻撃を受けたりすると軽い攻撃でも命に繋がるわよ。あと、勘違いしないように言っとくけど魔力って0になることはあり得ないのよ。魔力の急激な消費はあなたが言ったように精神にも大きな影響を与えるから残り1割ほどになったら気絶しちゃうのよ。」



へー、そんな仕組みになってたのか……それで、お前の名前をつけるのにはどれぐらいの魔力が必要なんだ?



「えっとね、、今だったら8000ね。まー、あなたみたいな凡人には無理だろうけどね。王国の宮廷魔導師でも2000しかないんだからその4倍なんて無理よ無理!」



………え?8000?ちょうどじゃないかよ……何これまるで名付けろと言ってるようなピッタリな数値は。とりあえず名付けれるから名付けていいか?



「………え!!!!あなたそんなに魔力あるのっ!?なんで!?地球って魔力ない世界なのになんでそこのあなたがそんなに魔力を持ってるのよ!?」



いや、もう。うるさいな……とりあえず、名付けさせてもらうぞ。そうだな……お前の名前は『アリア』だ!



女神、いや、アリアに名前を付けた瞬間に体から何かがごっそりと抜ける感じがして俺はそのまま気を失ったのだった……




_______________________________




はぁ、この子いったい何者なの?女神1人に名前を付けれるだけの魔力を持っているとか本当に化物なの?まあ、私にもやっと名前が付いたわね………ウフフフフ、、、アリアか……いい名前ね。



「アリアよ、何を惚けておるのだ?」



「ふぇっ!?最高神様!?」


「ついにお主にも名前が付いたか。これで上級神に格上げじゃな。これまで以上に仕事が増えるから覚悟しておくんじゃぞ」


「え?、格上げ?仕事増えるの!?えええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」




そんな、アリアの声は転生をはじめた浩牙には届くことはなかった。


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