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神の息づく世界

ある少女の嫌われ事情

作者:

3時間で書き上げた低クオリティです。軽い気持ちで読んで下さい。連載にしようと思っているので、スルーした部分が多いですが、気にせず流して下さい。

 周囲を見渡して、一つ溜息をつきます。

 ちらりと横目に見やれば、嬉しくて仕方ないという笑みを浮かべた第3王子カール・ローディア・シルディス殿下は、傍らの少女ミルカ・ファル・メージア様の腰を抱いています。

 …すでに18歳で成人していらっしゃいますが、そんなにべたべた触るとか紳士のなさることですか。それに嬉しそうにすり寄るとか、ミルカ様の貞淑とはどうなっているのですか。


 まぁ、別にどうでも良いのです。


「…なんか、凄い悪い顔してるわよ、アディ」


「あら、うっかり」


 思わずあざけるような表情になっていたのでしょうか。

 数少ない友人であるメイリーン・ファル・ソグリベル様。畏れ多くも、メイと呼ぶことを許してくださいました。

 現王の上の弟君が婿入りなさったソグリベル公爵家のご令嬢ですので、カール殿下とは従兄妹と言うことになるのですが…。


「あんな女にデレデレする頭の軽い従兄なんて願い下げよ」


 相変わらず口が悪いですね…。同感ですが。

 お父上が国軍元帥として勤めていらっしゃるせいか、メイも武術に長けていらっしゃいます。実は、カール殿下との校内試合では全戦全勝していらっしゃるんです。

 周りが遠慮して負けている事に気付かないカール様は、自分が強いと過信していらっしゃいましたから、毎回毎回顔を真っ赤にしていらっしゃいましたわね。


 いえ、頭の軽いバカの事はどうでも良いのです。


 学院の卒業祝いパーティーですから、あちこちがお見合いの前哨戦やコネつくりの場と化しています。まぁ、それは致し方ない事でしょう。

 平民出身の方々も、担当教師の案内で慣れない宮廷作法で挨拶をしていらっしゃいます。

 頑張ってください。


 現状、壁の花となっているわたしやメイ、そして、もう一人…。


「…得意げなのが、ムカつく」


 とても素直な感想、ありがとうございます。

 実は、メイとは逆のわたしの隣にいらっしゃる小柄なこの方は、もう一人の数少ない友人であるユリフィーラ・ファル・ロッデンルス様。この方も、ユーラと呼ぶことを許してくださいました。

 器が大きく寛容なお心を持った方々を友人に出来て、わたし、アルディラは嬉しく思います。

 あ、アディ、というのはわたしの愛称です。


「得意げでも、致し方ありませんでしょう」


「でも、結論はまだ出ていない。陛下は沈黙し、宰相も否定も肯定もしていない。正妃腹と言うだけで、玉座に着けると思ったら大間違い」


「…一応、優秀ではいらっしゃるではありませんか。学年首席でいらっしゃいましたし」


「優秀と有能は違う。テストと実務は全くの別物。そう言ったのは誰だっけ?」


「アディ」


「よく覚えていらっしゃいますわね」


「小気味よかったからね」


「いい気味だった」


 メイもユーラも、良い性格をしておられます。

 あ、ユーラのお父上は宰相閣下の弟君で、ロッデンルス子爵でいらっしゃいます。のんびりと領地経営に携わっていらっしゃるとか。

 四人兄弟の末っ子であるユーラの優秀さと素直で真実を見抜く視野を買って、宰相閣下は一人息子であられるご嫡男ヨルフェ・ファル・ロッデンルス様と婚約を申し出られたそうです。元々、互いに好意は抱いていらっしゃったようで、現在では立派な婚約者同士でいらっしゃいます。

 2歳年上でいらっしゃるヨルフェ様が、留学から戻られたら成婚のご予定なので再来年でしょうね。ぜひ、列席させていただきたいですわ。


 あら、話がそれてしまいましたわ。


 元に戻しますと、カール殿下とミルカ様は非常に浮かれていらっしゃるのです。

 何故なら、国内貴族と友好国の大使が揃うこの場で、王太子と王太子妃の発表が行われるからです。

 大っぴらに宣伝されたわけではありません。

 呼ばれている方々、そして、直系王族が一堂に会するとなれば何が行われるのか、よっぽど鈍感でなければわかります。

 唯一の正妃腹であるカール殿下は、ご自分が王太子として呼ばれ、恋人であるミルカ様が王太子妃となられることを信じていらっしゃるのです。

 ですが、ユーラが言うように、陛下も宰相閣下も何もおっしゃっておられません。

 勝手に期待していらっしゃるカール殿下とミルカ様が、わたしとしましては滑稽に映るのです。

 まぁ、それはありえないとわたしが知っているからこそですが…。


 何故知っているのか、はもう少し後まで秘密です。


 あら、空気が変わりましたね。

 メイもユーラも居住まいを正して真っ直ぐに壇上を見ています。

 床から五段分高い壇上に、ゆっくりと姿を現す方々。


 威厳溢れるお姿の国王陛下アレクサンドロ・ローディア・シルディス様。

 豪奢なドレスに身を包んだ王妃殿下クリスティーナ・ローディア・シルディス様。

 真っ白な礼装姿の第1王子殿下ローレンス・ローディア・シルディス様。

 深い青の軍服姿の第2王子殿下ジュリアス・ローディア・シルディス様。

 王子お二人の生母でいらっしゃるご側室レベッカ・ファル・セネーレス様。

 整えられたお髭が特徴的な宰相閣下オスカー・ファル・ロッデンルス様。

 おっとりとした笑みを浮かべた国軍元帥閣下フレデリック・ファル・ソグリベル様。

 そして…。


 あらまぁ、一気に空気が険悪になりました。

 当然でしょうね。

 ミルカ様は、お父上でいらっしゃるメージア伯爵アルフレッド・ファル・メージア様を嫌っていらっしゃいます。お母上が泣いていらっしゃるのは事実ですし、愛人の娘と思い込んでいるわたしの登場で感情が決壊してしまったのでしょう。

 わたしの悪口と共に、お父上の悪口も吹聴していらっしゃいました。それを否定する材料、言ってしまえばアリバイが存在しないほど仕事人間でいらっしゃったので、尚悪かったのです。

 つまりは、メージア伯爵アルフレッド様がご登場なさったのです。


 文武両道、眉目秀麗、高潔なお人柄で有名なミルカ様を慕う方が多いですもの。

 嫌悪の眼差しを向けられているのに、いつも通りの無表情でいらっしゃいます。

 まぁ、実際、アルフレッド様には非が一切ないですものね。

 夫人と仲の良い王妃殿下は忌々しげに睨んでいらっしゃいますけど。


「…どうしてメージア伯爵がいらっしゃるのよ」


「敵の巣窟に、好き好んでくるほどマゾ?」


「ユーラ、それはありえません」


 きっぱりとそこは否定させていただきます。あの方は、どちらかと言えばサディストです。

 まぁ、分かって言ってるのは分かるんですけれども。


「というか、あそこに並ぶほどの役職だっけ?」


 …メイ、けっこう酷いです。

 確かに、あまり有名ではありませんね。有名だったら困るんですが。


 険悪な空気とごく一部の不思議そうな空気で微妙になっていましたが、陛下が杖で床を叩かれたので緊張で上塗りされました。

 陛下はお若い頃に戦いで足が不自由になられたのです。それでも、老練な武人の空気はいつまでも変わりません。

 国民すべてが敬愛してやまない、立派な国王陛下です。


「まずは、卒業を祝おう」


 厳かな声が響き、一斉にこうべを垂れます。

 壮観ですわね。

 わたしは頭を下げておりませんが。


「無礼者!」


 甲高いヒステリックな声で叫ばれると、耳が痛いんですよ。


 王妃殿下の叫びに、皆さまが顔を上げてこちらを見ます。ほとんどが嫌悪を通り越して憎悪に等しい視線ですね。


「ア、アディ!」


 メイ、そんなに慌てなくとも大丈夫です。

 わたしは何も悪くありませんから。


「礼儀も何も知らぬか! 陛下の御前で頭を垂れぬふてぶてしさ! ミルカ嬢に聞く通り、性根卑しく腐りきっておるようじゃな!」


 王妃殿下、罵倒されても痛くもかゆくもありませんがお隣の陛下の表情に気付かれるべきです。


「衛兵、その愚かな小娘を引きずり出せ! 不敬罪じゃ!」


 不敬罪、ですか。ならば極刑、処刑されるのですねわたし。

 近づいてくる衛兵を一瞥してから陛下を見ると、苦笑を浮かべてから頷かれます。


『 跪け、下郎 』


 この言霊、使うのは何時振りでしょうか…。

 衛兵達がその場で床にうずくまります。地に沈め、と言わなかっただけ良いでしょう? ですから、あまり睨まないでください。


 言霊は、魔法の詠唱に使われます。

 ですが、わたしが使ったのはそれとは一線を画するもの。

 言霊には種類があるのです。

 一般的に言霊と呼ばれるのは、わたし達人間が扱う魔法に使われるものです。

 精霊達がお使いになられる言霊は、古代真言。

 神々がお使いになられる言霊は、神言。

 古代真言も神言も、詠唱しようと思えば人間にも出来るのです。ですが、通常の魔導師ですと、二音も発すれば魔力が枯渇して卒倒してしまいます。

 つまり、単語を発する為にも途方もないキャパシティを必要とするのです。

 現在、唯一扱えた陛下の妹君である聖女ユーフェミア様がお亡くなりになられて十数年、誰一人として扱える者はおりません。

 わたし以外は、ですが。


 魔法を扱える者ならば、わたしが紡いだ言葉が古代真言であったことはわかるはずです。

 わたしの学院での成績は中の上がせいぜいでした。それなのに、古代真言を紡いで平然としているのが信じられないのでしょう。

 心中、お察し申し上げます。

 あら、王妃殿下。口を開けたままだなんて、はしたないですよ。


「王妃よ、下がれ」


「へ、陛下! ですが、あの娘はっ」


「良いのだ。あの娘が、余に頭を下げるなどあってはならん。強要すれば、この国は即刻消滅する」


 いえ、さすがにそんなことはしません。

 友人もいますもの。


 …いなかったらわかりませんが。


 二の句が継げなくなった王妃殿下を放置することになさったのですね。それが賢明でいらっしゃいます。

 唖然としているのはメイ達もですね。

 この状況で、にこにこと笑っていられるローレンス様も口元を抑えてうつむいていらっしゃるジュリアス様も楽しそうに瞳を輝かせているレベッカ様も、尋常ではないお心の持ち主でいらっしゃいます。


「…皆に、告げることがある」


 固まってしまった会場内に、陛下のお声が響きます。

 それに反応して人々が我に返っていきますが、わたしに戸惑った視線を向けられても困ります。

 わたしは、何も悪くありません。…訂正します。わざと煽っていた時期はありますし、今も楽しんでいるので悪い所もあります。大部分で被害者ですから帳消しのように思いますけれど。


「これまで先延ばしにしていた王太子選出、この場で皆に告げよう」


 カール殿下とミルカ様の表情が一気に輝きます。

 …冷ややかな見下した眼差しは、さすがにないと思います。アルフレッド様。


「余は、第1王子ローレンスを王太子とし、アルディラ・メージア、いや、アルディラ・エルディヴルド・シルディスをその妃とすることを決定する」


 見事な静寂です。


 メイとユーラの視線が痛いですね。だましていて申し訳ありません。

 ローレンス様のお名前に憤慨しかけた王妃殿下とカール殿下、困惑したミルカ様が何か言う前に、続けられたわたしの名前に固まってしまわれました。


 姓の前にあるのは、称号です。

 貴族ならばファル。

 王族ならばローディア。

 平民は持ちませんし、階級によっては姓もない方々もいらっしゃいます。

 これは、諸外国でも共通なのです。

 ですが、まれにそれら以外の称号を持つ方が存在するのです。


 神々の息吹色濃いこの世界、各国が奉る守護神を祀る大神殿の総括である賢者様もしくは聖女様です。

 彼の方々は、祀る神の伴侶として神の名を称号としていただき、生涯をかけて仕えるのです。

 我が国、シルディス王国の守護神は武と審判を司るエルディヴルド様。


 わたしの、父上です。




※※※




 人の世に降臨することの少ない神々の中で、最も少ないのがシルディス王国守護神エルディヴルド。

 男性神である為、仕える者はいつも聖女である。だが、どんなに美しくあろうともエルディヴルドが見向きすることはなかった。

 だが、唯一の例外が現れた。

 生まれた瞬間、降臨したエルディヴルドに守護を与えられた先王の第2王女ユーフェミア・ローディア・シルディスは、その時から、ユーフェミア・エルディヴルド・シルディスと名乗ることとなった。

 初潮を迎えるとすぐに手を付ける倫理観が薄い神が多い中で、エルディヴルドはユーフェミア自身が心身ともに妻になることを望むまで待った。外出もできる限り許し、男性との最低限であっても接触も許して、望む幸せを叶えることを約束した上で。

 寛容かつあまりにも優しいその心に、ユーフェミアは惹かれ一柱と一人が夫婦になるのに時間はかからなかった。

 名実ともに夫婦となってより5年後、ユーフェミアは一女を生み落す。

 出産で体調を崩し、さらに5年後に息を引き取るまで、親子三人は仲睦まじく過ごした。

 だが、母親が人である以上、神の力と権能を受け継ぎ扱える才はあれど娘は人である。

 神の血を受け継ぐ人の娘。

 安易に王族が庇護するよりも、多くの見識を持ち、しっかりと人の世を学び自らの道を望んでほしい。

 その意思のもと、エルディヴルドは一人娘に護衛をつけて色々な地方を見に行かせた。その際、同行したのが8歳年上の第1王子ローレンスだった。

 基本、神は一目惚れである。そして、それはけして揺るがない。

 神の娘は、ローレンスに恋をした。ローレンスもまた、内面の艶やかな愛らしい少女に惹かれていった。

 そうして、5年の旅を終えて戻って来た二人の想いをエルディヴルドは認めつつ、ならばこの国を知れと一人の貴族に預けた。

 王直属の暗部『狼牙』で五本指に入るメージア伯爵に。

 数多くの貴族の裏を知り、国の闇を知る伯爵の屋敷で、伯爵の腹心である庭師に様々な事を学び、こっそりと下町に行っては実感する。

 それだけでわかることは少なくとも、何も知らないよりはましだろうと。

 誤算は、メージア伯爵夫人と令嬢の暴走だった。

 あっても別に困らない。

 第一に、預けられた大きな理由が、ローレンスにあったからだ。

 神は一目惚れ。それは揺るがない。だが、人は簡単に想いが揺らぐ。しかも、ローレンスは旅から戻ってきた時、18歳だった。

 娘が成人するまで離れ、その間に様々な貴族令嬢や王女と会いながら、その想いが確かな物か確認する必要があった。

 神は二心を許さない。

 側室を迎えることも逆鱗に触れる。

 それ故に、一種の冷却期間を設けた。

 だが、ローレンスの想いは変わらない。その上、神の娘を娶るに相応しくなる為に、と元々優秀であったのに努力を重ねた結果、諸外国に鳴り響く完璧な王子となっていた。

 国内外の評判、そして、神の娘と相思相愛である事。

 これらの要素を考えるならば、誰を次の王となる王太子に据えるべきか。

 わかりきった事である。




※※※




「気高き身の安全の為、名も存在も秘させていただいたがようやく全て詳らかにできる」


 お疲れですね、陛下。

 わたしは、それに少し申し訳なく思いながらゆっくりとローレンス様を見据えて歩き出します。

 我慢できなかったらしいローレンス様が駆け寄ってきます。


「アルディラ!」


 …少し、恥ずかしいです。

 抱きしめられるのならまだしも、抱き上げられてしまいました。

 8年前に分かれた切り、手紙のやり取りしかしていませんから、秀麗な顔を間近にするとさすがに照れます。


「ようやく、君と一緒に居られる。嬉しいよ」


「わたしも、嬉しいです。ローレンス様」


 にこにこほのぼのとしていたら、視界の端で誰かが動きます。

 ミルカ様ですね…。


「どういうことですか、父様」


「何がだ」


 あら、矛先はそっちなのですね。

 アルフレッド様、あからさまに嫌がらなくても…。


 お気持ちは分かりますが。


「あの女が…」


「誰の事だ。まさか、守護神エルディヴルド様と聖女ユーフェミア様のご息女、アルディラ様の事ではあるまいな」


 人を殺せそうな視線とは、こういうのを言うのでしょうね。

 ですが、仮にも自分の娘に向けるものではありません。


 ざっと青ざめるのは良いですけれど、それは今までの事も踏まえてでしょうか。

 虐待されて来たので、神罰が下ってもおかしくないのですよ?


「アルディラ、様、が、神子でいらっしゃるなんて聞いておりません」


「そう易々と言えることだとでも思うのか、愚か者」


 全くその通りです。


「それに、俺はちゃんと言っておいた。大変恩義ある知人の娘ゆえ、粗相は許さぬ、と。それをどう解釈したら俺の愛人の娘になる」


 まぁ、嘘は仰ってませんね。

 アルフレッド様は大公として臣下に下られた王弟殿下の乳兄弟でいらっしゃいましたから、母上と面識があってもおかしくはございません。

 それに、暗部に所属するアルフレッド様は、武を奨励し審判を司る父上のお気に入りなのです。加護を与えているほどですから、よっぽどです。

 父上は、非常に優しく懐深い方ですが、同時にとても好き嫌いが激しく前者は非常に少ないのです。その数少ない『好き』であるアルフレッド様を、父上は友人と呼んでいます。

 ですから、国を守って来た父上から預かったわたしを『大変恩義ある知人の娘』と、評したのです。


「お前達があれほどに愚かとは思っていなかった」


「父様! 父様の普段を見ておれば、誰もがっ」


「邪推する、か? それがアルディラ様を貶め蔑み虐げて良い理由になるとでも思うのか。被害者ぶるな」


 …さすがに辛辣すぎる気もしますが、おおむね正論です。

 実際、わたしが愛人の娘だったとしても、虐げられる理由にはなりえません。致し方ないと誰もが思うのかもしれませんが、冷静に考えれば悪いのは不義を行った大人なのですから、その子供には何の責任もないのです。

 アルフレッド様の言葉が圧倒的に足りず、態度が悪すぎたのは事実ですが。

 まぁ、それも自業自得ですけれど。


 それは個人的すぎますので、ここでは割愛させていただきます。


 呆然自失である王妃殿下はへたりこみ、カール殿下は真っ青になって震えていらっしゃいます。

 そうですね。

 行われた嫌がらせの中には、命を落としかねない物もありましたから。

 神の娘がそんな簡単に死ぬわけがないのですけど。

 それでも、カール殿下やそのほかの方々が行ったことは事実。

 事実は決して消えません。


 この先、どのような末路が待っているのか。

 それが酷く恐ろしいのでしょうね。

 ひとまず、命は無事です。


 混沌とした場所に留まるのは疲れますので、ローレンスを促してさっさと退出します。

 ジュリアス様がメイとユーラを促して、あとから連れてきてくれるとのことですので安心です。









 この後、どんな裁きがあり、どうなったのか。


 それは、語る必要のない事でしょう。









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