医者なんて認めない【挿絵アリ】
はい、こんばんわ
不定期投稿の時間です。
前回のあらすじ、巨大兵器と悪化した柊を同時に倒したカイザ、そして現れた謎の女!以上です。
さぁ、今回はどんなストーリーになるのか…ではどうぞ
竹中総合病院と言うこの街では、一番大きな大病院の手術室では、奇妙な光景が繰り広げられていた…
「そっちおさえろ」
「くそ、なんで掴めない!!」
「出血がまたひどくなる!!だれかこいつを抑えられないのか?」
「麻酔で眠っているはずなのに…くそ!捕まえられない!!」
4人の医師たちが必死に手術台に載せられた白髪の男を取り押さえようと頑張っているのにもかかわらず、その四人の行動をあざ笑うかの様に華麗な回避を手術台で疲労する馬鹿と疲れてダウンしていく医師たちの姿があった。
………
…………
………
そことは、別の手術室では、白衣のボサボサ頭の医師は一人だけで寝台に横たわる褐色肌で紫の髪…極めつけに角(現在は折れて不格好)が生えた少女を観察しその身体に手を伸ばす。
「……!?」
ギリギリギリ
「っ!?」
ガシリっと伸ばした腕を少女の小さな体と小さな手からは、想像もつかないほどの怪力で腕を締めつけられ顔をゆがめながらおもむろに開いた方の手である医療器具…その名も医療用AED…電気ショックの器具を医師は、思いっきりチャージし少女の折れた左右の角に容赦なく設置し放電のスイッチを押す
「ぎにゅあーーーーーー!!!!!!……けふ」
少女は、口から煙をプスプスと上げながら再び気を失う…
(あら?刺激が強過ぎたかな?死んじゃった?え?うそ?…めんどくせぇ)
医師は心底めんどくさそうな表情をしたまま、腕を組んでどう処理しようかと思案している最中に、
「ん?ゴホ!ゴホ!口の中が焦げくさい!?ゴホゴホ」
「お、生き返った」
「ゴホゴホ…此処は何処だ!?こほこほ」
「おぉ、人語を話すのか…見た目通りの年齢ぽいし…「悪」の患者など初めてだから興味深いな」
突如、パチリ目を開けムクリと上体を起こした少女は、口から黒い煤を吐きながら咳き込み…涙目になりながら辺りを見渡す。
「ほう、よく見ると中々可愛らしい、顔をしてるな…この個体はなんだ?異性を堕す魔性の女とかいうタイプか?ほほう、この国では珍しい褐色の肌、此処までハッキリとした紫の髪…そして、この角…人間とは、似て非なる存在「悪」…」
「な、なんだお前…」
「ん?私か?ふむ、自己紹介がまだだったかな…私の名は、レヴィ・マクドナルド…この病院で外科医をしている…ついでに【神の手を持ちし医術師】って言う補正を持つヒーローだよ、後それとその格好で外に出ない方が良いよ?」
そうボサボサ頭の女医師が優しく言いきるので柊は、後ろにとびのいて警戒しすぐさま外に出ようとする柊を呼びとめると柊は警戒しいつもの癖で腰から銃を抜こうとするが…
「………ふにゃ!?」
「あのさ…あなたが普段服を着て生活する生き物なら…服は着た方がいいよ?」
柊は、銃のホルスターどころか身に一切の衣を纏っておらず、生まれた時の姿のままであったため…思春期真っ盛りの花も恥じらうような乙女は、数秒間、自分の生まれたばかりの姿を眺めて急にその褐色の肌をほんのり赤く染めあわただしく動いた挙句
「いやーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」と病院中に響くかと言うほど大きな声をあげ自分の体を両腕で抱いてしゃがみ込んだ。
「………服かそうか?」
「転移!転移!!転移!!!転移!!!!転移!!!!!転移!!!!!!転移~~~~~!!!」
とレヴィの声も聞こえない日ほど動転している柊は、必死に転移しようとするが自分の周りの空間が少し歪むだけで転移するのも2ミリ単位でしか出来ておらず、柊のパニック症状に加速をかける。
「落ちつきなさい!めんどうかけるな!!」
「はう!?………ギブ…ビブ」
ギャースと喚き始めた柊に容赦なくコブラツイストをかける医師のおかげで頭に無駄な酸素が送られなくなり強制的に冷静?にさせられた柊は、医師の手をポンポンと叩きようやく解放される。
「ふーはーふー」
「落ちついたか?これ服」
地面に四つん馬になり深い呼吸を繰り返す柊にそっと服をかけ、医師はどっこいしょと椅子に腰かける。
警戒しながらも渡された入院患者が着る服をせっせと身にまとった。
そして、部屋の脇に待機して必死に転移しようとするが…ヴォンと言う音だけ発して2ミリだけ横に移動しただけに終わる。
(やっぱりだ…転移できない…なぜ?)
「君は先ほどから何がしたいんだ?…なにか能力でも使ってるのかい?…上手くいかないのか?「悪」の患者なんて、初めてだから何とも言えないが…その角が折れてるのが原因じゃないか?」
「は?角が折れてる?……あれ?」
柊は、医師がホイと渡して来た鏡を見て絶句した…自分の角が不格好に折れていたからである。
「本当だ…角が折れて…(チョン)いったーーーーーーー!!」
自分の折れた角の表面を柊は、つついた…次の瞬間に虫歯の治療の時のような何とも言い難い激痛が走り柊は飛びあがった。飛び上がった柊を医師は、片腕で軽々と柊の体を抱えて椅子に座らせ壁にレントゲン写真を張り付け、痛がっている少女に、
「君の角はね~レントゲンで見た所、体中の神経の集まりをカルシウムで覆った角と言うよりかは、何かの器官の役割があるんだろう…何かいつもと違う感覚があるかい?」
「あんた、ヒーロー(主人公)なんだろ?私を「悪」だと認識してるのに何もしてこないなんてどう言う裏があるんだ?」
「ふむ、医者が誰かを助けるのに理由があるとすれば金、仕事、良心など色々あるだろうが私がお前を助けた理由は…お前に同行していた男とは、まぁなんというか知り合いでな…知り合いのよしみともう一つは、私は「悪」と言う者が世間一体で言われて居るようなものか、私自身の目で見極めたくてね…君はどうやら世間で言う「悪」の凶悪や恐怖などのイメージとはかけ離れているな…」
「(ポフ)は、なにを」
「肌は柔らかいし髪も綺麗でなめらか、おまけにこの抱き心地の良さ…これが悪だと言うは納得できんな…いや、逆だろうか…可愛いは罪と言うように、この可愛らしいさが「悪」だと言うなら至極納得だな」
ハハハと柊の顔を以外に大きかった胸の谷間に挟みながら撫でまわす医師に困惑した。
(なんだよこの女、馴れ馴れしい上に可愛いだと?)
「は、離れろ!!」
「おっと、すまない…ククク、カイザの奴が君に執着するのもうなずけるな…それでだが…容体については答えてくれないかい?君は可愛い少女の容姿だが中身は、普通の人間とは少し違うのでこの際だから「悪」の身体情報を手に入れておきたいんだ」
「……私で人体実験でもするつもりか?それで他の同胞でも実験するたm」
「安心しなさい…私は敵じゃない、そんなことするつもりは一切ないよ…調べたいのは「悪」の犠牲者をこれから保護していくためだ…」
柊が皮肉を吐くようにし、医師に襲いかかろうとした瞬間に頭を上から撫でられ勢いがふと無くなる。
急に優しい声をかけられすっかり殺気が引っ込んでしまう柊であった。
(信じていいのか?いや、駄目だろ……主人公なんて…結局は自分の都合で…)
………
…………
………
自分の思考の世界に入った柊は、目の前の女を殺して逃げる方法を我策しはじめた瞬間に…柊の意識の中に過去に白い髪の赤メガネ男の姿が出てきて、
そいつは、地面に座り込んで泣きじゃくっている幼い柊に膝をついて手を差しのべながら優しい笑みでにっこりと笑いかけ
『安心してください…僕は君の敵じゃない…ずっと君を捜していた、もう大丈夫です』
そう言ってソイツは、泣きつかれ力尽きた幼い柊を抱えて最後まで微笑んでいた……。
…………
(!?なんだ…今の……)
「どうかしたのか?」
思考の波から戻ってきた柊の様子を見ていた医師に向き直り、疑う様な目で見つつも
「……空間把握が全然できなくなった…空間把握が出来ないと転移できないんだ…」
「ほほう、つまり君の角は、瞬間移動をより円滑にするためのレーダー器官のようなものか…安心するがいい、昨日メジャーで測ったサイズより今日の角のサイズが大きくなっているから生え治るだろう。安心したまえ」
ポンポンとレヴィが折れた角にタッチしたため、柊は痛みのあまり床を転げまわる…そして、怒った柊に渾身の涙ぐんだ頭突きをもらい2人で悶えている間に、シャーと入口のドアが開く音がし2人揃って入口を見る。
「こっちが心配して逃げて来てみれば…以外に仲よさそうですね、柊さん…そして、レヴィさん…」
全身に雑に巻いた包帯、腕に刺さっている点滴と支え棒を完ぺきに着こなした白髪のメガネを失った哀れなカイザが居た。
彼は心底顔色を悪くし、「血が足りねぇ」と言わんばかりの蒼顔のまま、ふらりと前のめりに体勢を崩しひざから崩れ落ち…床に突っ伏せた。
つづく
以上です。
キャラ紹介
名前:レヴィ・マクドナルド
性別:女
年齢:26
悪or正:正
ジャンルor種族:医療系ドクタータイプ
クラス:プロローグ(戦闘力だけで能力で言えばサードセクション)
主人公補正or悪のスキル:【神の手を持ちし医術師】
補正内容:ありとあらゆる医療技術に精通し直感だけで相手の病状が理解出来る。手術などにおいても神業的な技術を発揮する。
容姿:白衣を着てボサボサ頭に煙草をくわえた不潔ぽく見える女(ただ、身だしなみに時間をかける余裕が無いだけで身だしなみを整えると美人+巨乳)
性格:研究意欲に人間性が汚染されてる性格
武装:注射&メス
次回は、また不定期となりますが全力で取り組みますので宜しくお願いします。
感想なども待ってますので気が向かれましたらお願いします。
では、またノシ