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HEROってなんだっけ?  作者: 落胤
マリシャス復活の章
5/30

テーマソングなんて認めない

 前回までのあらすじ


 ヤクザに保護されることになった柊、ヤクザに捕縛されたカイザ…ヤクザに攻め込む主人公(HERO)


 以上です。


 ではどうぞ、後、感想くれると嬉しいです。

 阿修羅組の大広間では、大勢のコワモテの男達がワイワイガヤガヤ、ご馳走を食べながら酒を飲み交わし騒いでいる。そんな中、組長だけが可笑しいと感じていのだった。


 (もう夕飯の時間は過ぎてるっていうに若い衆が一人も入ってこないだと? なにかあったとみるのが正解か……)


 冷静に状況判断をし、今ここにいる幹部連中にその異変を知らせるか迷う。

 もちろん…異変を気がついている者もいるだろうが下手に騒ぐとめんどくさい事になるのが目に見えていたからだ。


 その時だろう、阿修羅組の組長が右腕の舎弟に様子を見に行けと言おうとした、まさにそのタイミングでサザーと大広間の襖が開かれる。


「お、此処にもヤクザいっぱいだ~」

「なにもんだテメェ!!」

「何処から入って来やがった? 表の奴らは何をやっているんだ!?」

「……てめェ、何処のもんだ?」


 いきなりの乱入者にガヤガヤ騒いでいた宴会の雰囲気は、ぴたりと止まり酔っていた人間たちも冷静になり……大広間中に殺気が立ち込めている。

 多くの人間が懐からチャカやドスを取り出し、目の前のヘッドホンを付け、リズムに乗っている男が少しでも変な動きをすればタマを取る気でいる。 


「ふ~ん、中々いいもの食べてるね~悪い事して稼いでるのに、これだけ良いもの食べられるのなら皆悪い事しちゃうよね~」

「おんどれが~!!」

 男が膳に乗せられたご馳走を頬張った瞬間に一人、スキンヘッドの組員が青筋を立てながら走り、男に右手に握ったドスを伸ばす。


ドス


「ゴホ……かが……」

「俺は別にあんた等に用はないんだよ~俺が用あるのは~……君~」


 男を刺すはずだったドスは、目にも止まらない速度と軽やかな動きでスキンヘッドの組員の腹部に刺されスキンヘッドの組員は口から血を吐きながら畳の上に倒れる。

 それを眺めた男はすでに運んでいた膳を置いて銃を構えている柊を指さして、走る。 


「テメェ~!!」

「(ニヤリ)」パチン 


シャカ♪~シャカ♪~♪~~♪♪♪~~♪ 

「!?」


 それを合図に大広間に居る組員たちが一勢にヘッドホンをしたサングラス男に向かったのだが……男がにやりと笑う。そして、指を弾くと部屋中に謎の音楽が流れ始め皆がギョッとした時、ヘッドホンの男が人間では到底不可能な領域で速度し、自分に向かってくる組員たちを蹴散らしたのだった。


 一斉に蹴散らされた組員たちは、周りの組員たちにぶつかり襖を突き抜けて気絶する。


「全員下手に近づくな! チャカを使え! こいつはヒーローだ!! 容赦する事はねぇ!! 柊の嬢ちゃんを阿修羅組の意地にかけても渡すな!!」


 一人の幹部の声で全員が銃を構え、目の前のヒーローに向かって発砲。


ガァンバァンドギュンバゥンダンドンガンガン


「嘘だろ? グハッ」

真実(マジ)だよ~」


 無数に撃ちだされた銃弾の全てがヘッドホンの男にはかすりもせず、男は一人また一人と高速でスタイリッシュに動くヒーローに倒されていく。


「最後はあんただけ見たいだね~」

「ヒーローだからと言ってワシはこのお譲ちゃんを渡す気はみじんもないからの……組員へのおとしまえ取らせてもらうで!!」


ブォォン


 残った組長は、柊を背に手に持っていた日本刀を抜き、一気に男に駆け寄り、日本刀を迷うことなく男にふりおろす。


 洗練された一太刀は、風を切り唸りをあげながら男に向かったが……

 さらに加速を増した男は、その一太刀を拳で側面からたたき割り飛び膝蹴りを組長の顎に決めた。


「ゴァ……グフ」

「ふん、これで残るは君だけだね~」

「チッ! ……よくも此処の皆を!!」

 組長が倒れ、ヘッドホンの男が柊に笑いかけた、その時!


「ちょっと待った~まだ僕と言う人物がここにいるぞ!!」


「あ!」

「はい?」


 上から順に未だに縛られ、逆さ吊りのカイザの声に、その存在を忘れていた柊、全く気が付かなかった男が間抜けな声を出し……物凄いドヤ顔で逆さ吊りされている男の姿を見てからまた何事もなかったかのように睨みあう。

 それにカイザは、少し不貞腐れてしまった。


「一応確認するけど……君の名前は小早川 柊でいい?」

「あぁ、そうだ……お前を始末する人間の名前くらいは覚えておけよ!」


バァンパン……バキメキゴキ


 会話中に瞬間移動し両手に持った拳銃を男の背後から撃ったのだが、男は隙をついた一撃をも交わしくるりと回りながら柊の腹部に刺さるような強烈な蹴りの一撃を浴びせる。


「ごぇ!……おぇえええ」

「ありゃりゃ、今の手応え……いや、この場合は脚応えは、内臓がいくつも破裂しちゃったかな~」

「あ、こら! この馬鹿野郎!! 柊さんになんて事するんですか!?」


 男の読み通り、先ほどの蹴りで、柊の内臓は4割以上が傷ついて口から嫌でも血を吐いてしまう柊の姿がそこにあり……宙ぶらりんな馬鹿は、なんとか縄から抜けようともがく、もがくのだが一切解けずにプラ~プラ~としているだけであった。


 そんな中、ヘッドホンの男に柊は大広間ではなく、阿修羅組の屋敷の天上の上で高速移動? に瞬間移動

で対抗しながら銃を撃ち続けていたのだが、一発もかすりもしない状況が続き手持ちの弾倉(マガジン)が遂にラストとなり本気で焦っている。


 未だになりやまない音楽と柊の苦い表情を楽しむかのような男の態度にもいら立ちを覚えていた時。


(あの馬鹿は、今は役立たず……というかコイツの主人公補正は馬鹿と同じ【回避】と見て間違いないんだろうか? あの馬鹿以外の【回避】相手にどうやって勝てばいいんだ?)


「お、よそ見してる暇あったのかな~」

「しまっ!?」


 柊のどんな時でも考えに耽ってしまう悪い癖、その隙を見つけた男は柊に向かい全力で走り不意をつかれた柊は体勢を崩してもろに男のボディーブローを喰らいかけた時。


シャカ♪~シャドーン「bヴィやsgvbwヴィbc8色bくぉ;絵bwv!!!」


「は!?」

「なんだゴヘァ!!」

「よっしゃー!! 一発決めちゃいましたぜ野郎ども~」


 男の拳が柊に当る直前に聞こえていた謎の歌。それをかき消すかのようにどんな言葉を使っても「上手」とは形容できない、ぶっちゃけると「音痴」な歌声が聞こる。


 そのタイミングで高速移動していた男の速度が落ち、その顔を横から飛んで来た声の出所。

音痴な上に現在進行形で縛られている……カイザの回し蹴りが初めにヘッドホン、次に男の顎に綺麗に入り男は白目をむきながらズルズルと瓦の屋根を滑り落ちて庭園の石垣に頭をぶつけ、そのまま、池に落ちたのだった。


「お前な……今のはなんだ? なんで私が一撃も当てられなかった相手に綺麗に回し蹴り決められたんだ?」

「ニヒヒ、柊さんヒーローオタクのカイザ・ガブリエルを舐めてません? さっきまで響いていた音楽があの……現在縛られている男の主人公補正なんですよ」

「お前か?」

「違います! アイツの主人公補正は恐らく【応援歌の補正(テーマソング)】です。つまり、アイツが指を鳴らすとアイツにとってのテーマソングが流れ、アイツの勝ちフラグが立っちゃうって補正でしょうね……なら対処法は簡単です」

「ふ~ん」

「反応うすぅ~…テーマソングをかき消すくらい大きな歌を歌えば、アイツの補正は無効化され、僕のような戦闘向きでないヒーローにでも倒せるんです」


 エッヘンと胸を張り自慢げに語るカイザを余所に柊は、暗い表情のまま…屋敷の中でさんざんにやられた手当をしている阿修羅組の皆の前。


「みなさん……このたびは、私のせいでこんなことになって……本当に申し訳ありませんでした!!」

「……」

「……」


 柊がいきなり土下座をしながら泣き声でそう謝ると皆が皆、言葉を失う。


「私の居所は、どうやら完全に主人公連盟に掴まれている事がわかりました。私が居るとさっきのようなヒーローがどんどん押し寄せてくる事になります……だから私はすぐに出て行きます! ……少しの間でしたが本当にお世話になりました……」


 柊がそう告げ、隣にいるカイザに目で「行くぞ」と伝え、出て行こうとした時、組長が……


「出て行くと言うならとめはせん。ワシらでは力不足なのはよく理解できた……だが、戻ってきたいときはいつでも戻ってこい。ワシらヤクザは、ヒーローにおいたされたくらいじゃこりんからの……いつでも味方したる」


 とニヤリとニヒルな笑みを浮かべ、他の組みんたちも


「いつでも帰ってこいよ」

「俺らもっと強くなってやるからな~」

「阿修羅組を日本一の組にして柊ちゃんが絶対に安心できるように頑張るからまっとれ~」


 と次々に屋敷を去ろうとする柊にそういう組員たちに柊は、一粒の滴を目から流し。

 その場を去っていく……そんな光景を見た組長は、屋敷の玄関で靴を履いているカイザに対して声をかける。


「おい! そこの白い兄さん」

「ん?」

「お譲ちゃんの事を…最後まで守ってやってくれや、あの子の味方であってあげてくれ……たのむ! 力及ばないワシらの代わりに!」

「阿修羅組一同からも、柊嬢をよろしくお願いしやす!」

 組長が涙を流し頭を下げ、全組員たちも悔しさで涙を流し頭を下げるとカイザは、ニヒルな笑みを浮かべ敷居を跨ぐ。


「何を今さら、言われなくてもですよ」

 とクスクス笑いながら阿修羅組を後にした。


つづく。


キャラ紹介


名前:大柴おおしば けい

性別:男

年齢:18

悪or正:正

ジャンルor種族:チャラ男系脱力HERO

クラス:ファーストセクション

主人公補正or悪のスキル:【応援歌の補正テーマソング

補正内容:指を鳴らすとテーマソングが何処からともなく流れ、流れている間、勝ちフラグが立つ補正

容姿:深緑のアフロにサングラス、服装はジーンズに白のTシャツ、耳には胸ポケットからのびるケーブルに繋がれたヘッドホンがトレードマークの男

性格:めんどくさがり

武装:無し


【キャラ募集】


名前:

性別:

年齢:

悪or正:

ジャンルor種族:

クラス:

主人公補正or悪のスキル:

補正内容:

容姿:

性格:

武装:




以上です。


 次回の投稿も未定ですのですみません。


 ではまた、ノシ



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