勝手に「悪」なんて認めない
前回までのあらすじ
襲撃者の主人公(HERO)、兜をまさかのストーカー男が撃退! 以上
では、第4話をどうぞ。
ps 出来れば感想が頂けたら嬉しいですww
―――正午
ガヤ……ガヤ……
大勢の人のにぎわう繁華街を紫のパーカーのフードを被った柊と物凄く目立つ白のコートの赤メガネ馬鹿、カイザは2人そろって歩いている。
2人揃ってと言うのも、少し違い……カイザが必死に早足で人ごみに紛れカイザの事を撒こうとしている柊に持ち前の回避を使って人ごみを回避しながら付きまとっているだけなのだ。
「おい……おい!」
「え?あ、はい、なんですか?ごふ」
一度目は聞こえなかったカイザ。
柊の二度目の少し怒り気味の声にようやく反応して柊に耳を寄せるとゴツンと頭突きをくらい……脳を揺さぶられる。眩暈を起こしてフラフラとしている隙に、柊はいつも通りお約束の全力疾走でカイザから逃げる。
カイザは「待って~」と手を伸ばすが届くはずもなく……
それから数分してカイザの眩暈が収まった時にはもう何処にもいない。
(今回だけは、どうしてもアイツについてこられる訳にはいかない! 絶対に!!)
とある事情のため……ヒーローであるカイザには、付いてこられる訳にはいかなかったのだ。
………
…………
………
チョロチョロチョロ……カポン
変態の極意ストーキング能力を持つカイザから逃げのびることに奇跡的に成功した柊。
普通に考えて圧倒的に広い敷地の日本庭園のある古風な木製建築の建物の中、大勢のゴツイ身体のコワモテ系のおっさんやチンピラに囲まれ、畳の上に綺麗に正座してズズズと温かいお茶を飲みながら此処にいる男達の慕っている唯一の男。その御方に向き合いながら柊は余裕の表情で語りかける。
「このたびは、私のような者を匿ってくれると言うありがたいお話、誠にありがとうございます」
と柊は丁寧なお辞儀をすると…
「礼などはいらん、お嬢ちゃん…ワシら阿修羅組は世間様で言うヤクザ者や…汚れた仕事もたくさんしてきたが…ワシらは望んで、又は、仕方なしに世間様の悪になった…・・・だからワシらがヒーロー共に狙われるのは自業自得だ……だがな……
ワシはの、お前さんみたいなまだ、学校に行ってまだまだいろんなものを学んでこれからの人生を進んでいくような人間を勝手な都合で「悪」に変えるヒーロー共は認める気は、ない。お譲ちゃん、なんも気にする事はない、表世界が君を守ってくれへんのやったらワシら裏稼業のもんがしっかり守ってやる……」
そう、阿修羅組、組長である剛徳がコワモテの顔からは想像もつかないほど優しい瞳で柊にそう言うと周りにいた取り巻きたちも現在のヒーローたちの行いを知っているためか、まだ小さい柊を見て同情や「そうだよ、譲ちゃん、此処にいればいい」と優しい声を掛けてくれる。
「ありがとうございます」
柊も珍しく嬉しそうな表情のまま頬を赤めながら微笑んだので周りの若い男衆が盛り上がる。
その後、盛り上がりすぎたために組長の怒号により若い衆は、門の見張に駆り出されたのであった。
強制的に悪に身を落されてしまったものは、もう二度と表世界では生きていけない……悪にされてしまった者たちは、必然的に同じく悪を求めてしまうのだ……人としても意識が強い分。
そんな彼らを保護し助けているのは実は元々悪だった人間や社会不適合者や犯罪者などが多くを占めている。
もちろん、悪となり人間より遥かに強くなった彼らを利用しようとする者もいる、彼らは犯罪者であろうが悪人であっても誰かが保護してくれなければすぐにヒーローに嗅ぎつけられ殺されてしまうのだから従うしかない場合が多い……そして、今回のように稀に人のいい悪人に出会う事もあるのだ。
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阿修羅組でお世話になり、屋敷の女中さんの手伝いをして過ごす事5日が過ぎた。
阿修羅組の連中は、顔は怖いがいい人が多く、特にこれと言って犯罪に手を染めているわけでもなく、むしろ昔気質の任侠一家で、祭りのときは大いに盛り上げ花見の時はキチンと取り締まり周りの住民とも馴染んでいる本当にヤクザ?と柊が思うほど馴染んでいる家だった。
(しばらくは世話にならせてもらおう。でも、あまり長居はできない……そろそろアイツが私を殺しに来るはずだから)
手伝いも一息ついて、廊下の窓柱にもたれながら、柊は溜息をついて綺麗に晴れた夜空を見上げていると……
「げっ!?」
柊の目には、阿修羅組の屋敷の塀をよじ登っている闇夜でも目立つ真っ白な男が居た。……その真っ白なカイザを見つけた時、柊の表情は言葉に表せないほど残念な表情をしている。
そんな、柊の気持ちなど知った事かと言わんばかりのハツラツとした眩しいくらい無垢な笑顔で手を大きく振りながら物凄く大きな声で……
「ひーーーらーーーぎさーーーーーーーん!!!」
っと叫んだ。
柊が額に手を置いて呆れている間に馬鹿でお馬鹿で大馬鹿でおちゃめなカイザは塀の上に居る事を忘れて柊に走り寄ろうとして足を踏み外し、地面に墜落しいつも通り気を失い歳ほどの声と物音を聞いた若い衆たちがカイザを取り囲み気絶し目をまわしているカイザを縛りあげようと手を伸ばす。
しかし。
「くそ、こいつ、この!」
「なんて寝がえりだ。こいつ!!」
「つかめねぇ!!」
気絶しているカイザは男達の手を巧みに寝がえりで交わし続けていて、10人で囲んでいるのにもかかわらず誰一人気絶している、カイザに触れるすら事が出来ず、数分がたつと全員が息切れして肩を上下させた。その後、見かねた柊がカイザの真上に瞬間移動しカイザを踏みつけ男衆から縄を借りて縛り上げそれを引き摺りながら「何事だ!?」と集まってきた皆さんに事情説明と謝罪をした。
「本当にすみません、この気絶してる馬鹿は私の……」
「フィアンセです」
「……ストーカーなので出来れば二度と朝日を拝めないよう処分して貰えませんか?」
「えぇ!」
柊が何とか善意で弁解しようとしたがくだらない事を言ったカイザに対して善意で接したのが間違いだと脳が正常に働いたため処分する方向に話を進める。
その反応にストーカ男は衝撃! と言わんばかりに驚愕しその瞬間に柊にクリリとした瞳でゴミ虫を見るような辛辣な視線を感じカイザは小さくなった……
………
…………
………それから2時間の時が流れ、柊が屋敷の女中の手伝いをしている最中、カイザはと言うと天上に逆さにぶら下げられていた。それどころでなく阿修羅組の人間たちに虐められている光景が柊の目に入った……ぶら下がりながらも男達の攻撃をすべて交わしている馬鹿と一発も当らない事に憤りを覚えて目がマジなヤクザ相手に不貞腐れているカイザという光景が目に入った柊は「プフッ」と吹き出しいい笑顔のまま……作業に没頭。
「笑ってないで助けてくださいよ~ひいらぎさ~ん」
「フフ、クスス」
カイザの不幸が心からうれしい柊であった。
………
…………
………その頃、阿修羅組の門の前。
シャカ♪~シャカ♪~♪~~♪♪♪~~♪
深緑の髪にサングラス、服装はジーンズに白のTシャツ、耳には胸ポケットからのびるケーブルに繋がれたヘッドホンからお気に入りの自作の曲を聴きながら足の裏でリズムを取っている男がそこにいた。
その男の周りには白目で泡を吹いて倒れている20人はくだらない先ほどまで屋敷の周りを見張っていた、阿修羅組の組員たちの姿があった。
「ここに「悪」が居るとはね~「悪」はしょせん悪にしか頼れないってことか~お、サビに入ったな~さてと正義の味方ゴッコしてストレス発散して依頼金一括ゲットといきますか~」
その男、大柴 景はヒーローである。あまり有名でないが主人公補正の強さで言えば圧倒的に黒金 兜よりも有能な男である。
彼の作った旋律を耳にした「悪」は、誰一人生きては居ない。
彼は、ヘッドホンの曲でノリノリのまま……阿修羅組の門を蹴破り、阿修羅組の敷居を跨ぐ。
「おっじゃましま~」
ザッザッ、その足音が崩壊のプロローグだと言うことに誰もこの時気付いていなかった……。
つづく
キャラ紹介
名前:大柴 景
性別:男
年齢:18
悪or正:正
ジャンルor種族:チャラ男系脱力HERO
クラス:???
主人公補正or悪のスキル:???
補正内容:???
容姿:深緑の髪にサングラス、服装はジーンズに白のTシャツ、耳には胸ポケットからのびるケーブルに繋がれたヘッドホンがトレードマークの男
性格:めんどくさがり
武装:無し
【キャラ募集】
名前:
性別:
年齢:
悪or正:
ジャンルor種族:
クラス:
主人公補正or悪のスキル:
補正内容:
容姿:
性格:
武装:
以上です
次回の投稿日は未定ですが出来る限り早く仕上げたいと思います。
それでは、またノシ