【番外編】ノヴァ/サーガ
今回も来ました、不定期更新の時間です。
今回は、本編に関係の無い番外編です。関係はあるのはあるのですが、今は関係ないと言う話です。
それではどうぞ。
僕は……君を……野放しにはしない。
声が聞こえた。
愚かで誠に不敬で許し難い事、その声は、常に俺様の頭に響く。
さらに、声の正体は黒いシルエットとして偉大なる俺様の脳内に残り続けている。
★☆★☆★
「いい加減、この幻覚にも飽き飽きしてきたな…」
彼は、そう言った。
まるで寝起きの人間のように身体を伸ばしながら山頂にて意識が覚醒する。
「ふむ、今宵も快晴か…俺のような曇り一つない唯一の存在にとって最も相応しい目覚めだ」
山の上で目覚めた彼。
大きく欠伸をしながら空を眺め、昇ったばかりの日の光が何物にも遮られることなく、自分にだけ届いている。
傍から見れば神秘的で犯しがたい光景。それを目の当たりにし、あたかも当然のこととして捕え。
どんな神秘でもキセキでも自分という存在のために存在している。そう疑わない男…。そういうHEROからみても悪から見ても関わり合いたくないような男がそこには存在した。
「それにしても、この地球という極小サイズの星ですら俺に対してこのように礼節をわきまえ礼節をわきまえ傅いているというのに……」
ようやく眠気から覚めた男…黒曜石のように深くひきこまれるような不思議な髪を褐色肌の細く繊細な指先で梳き
アメジスト色の瞳で地面に転がる無数の戦士達の亡きがらを眺め…興味な下げに視線を外し今、目の前でボロボロで立っている4人の男女を見た。
4人とも服は所々破れ、身体から出血し満身創痍で立ちながら目の前の男を睨む。
「……よくも……よくもこれだけのHERO達を……」
「今度こそ……私達の絆であなたを倒す!」
「あなたに倒された方々の無念を晴らして世界を救う!」
「いくぞ!」
一人の赤髪の青年が立ち上がり独特な装飾と紋章が刻まれていた剣の切っ先を男の方向に向け勇ましく声をあげた時。
青年の後ろで立っていた青年。それと仲間らしき少女達3人の体から金色に煌めく光が前衛にいる青年の体に集まり包みこんでいく。
仲間達の青年かける期待や信頼が危機的状況において光となりその『光』は、優しい温かみを持ち、戦いで傷付いた身体を、疲弊した心を癒す。
「温かい…これが皆の【絆】か……」
「すごい…、私達の傷まで治って行く……」
「み、見て! 皆」
「あたしたちだけじゃない……のね」
青年と少女達が自分達から発せられている光の現象に驚いていると、一人の少女の目にある光景が映る。
同じく共通の敵…目の前の男を倒そうと挑み敗れ無念にも力尽きていった英雄達。
彼らの骸や地面に突き刺さった武器などから同様の光が大量に漏れ出し、その光が風に乗るように漂いながら真っすぐに青年の身体に集まる。
仲間の絆の光は青年の身体と心を癒し、英雄達の光は青年と装飾と紋章の刻まれた剣に力を与える。目の前の悪……果てしなくそれに近い存在を打倒してほしい。無念の思いが青年と少女たちの絆によって光となり青年に集まる。
「いくぜ……覚悟は良いか? ノヴァ・ファイナルさんよ」
青年は体中に迸り、今か今かと滾る強力な力を理性で抑え込み、体中に循環させる。そして、剣を大空高くに掲げその洗練された光を集める。
「いい加減、待ちくたびれた……俺を待たせるとは迷惑を通り越してもはや損害だな…やるなら早くやれ」
ボリボリと頭を掻きながら人差し指を立て曲げる事で挑発する。
「ハァァァァァァ……ハァ!!」
頭の上で止めていた聖剣を振り下ろした。
振り下ろされた軌跡にしたがって、全てをなぎ払う破壊の光が斬撃となって放たれる。
放たれた光は、目の前にいる男を呑み込み殺し尽くさんと、大地を削り空気の壁を切り裂きながら突き進む。
「おぉ……」
男が自分に向かってくる極光を賞賛の眼差しで見て声をあげると同時に爆発的な破壊力の籠った光に呑み込まれ赤毛の青年やその仲間たちから姿が見えなくなる。
―――光の奔流が宿敵…ノヴァを呑み込み爆発が起こった後、モクモクと煙が舞い上がる。
戦闘が終わった後の静けさ……静寂という名のそれが赤毛の青年と疲れ切ったな仲間達の緊迫した精神を優しく解いて一時の安静をあたえてくれる。
筈がなかった。
「おい……」
爆発の中心地…光の奔流の流れたはずの場所で苛立った男の声が聞こえる。土煙の立ち上る場所から4人の耳にはいった声は、安直から急転直下……先ほどよりも緊迫した空気を醸し出す。
「え」
「……」
「ば、バカな……そんなバカな」
煙が晴れていき、4人の瞳にその堂々とした姿が映る。4人は口から言葉を発する事も出来なくなり青年は震える手で剣を構え、後ろにいる3人の少女達も武器を取る……だがそれは勇ましく勇敢という姿ではない。
圧倒ていな捕食者を前にして何とか生き延びようと足掻く獲物と同じ…弱者の最後の抵抗でしかなかった。
そして、そのような弱者の恐怖に沈んでいく姿とは、裏腹に捕食者は機嫌を損ねていた。
「もしや、今のピカッと光る技だけがそなた等の【絆】というわけじゃないな?」
その絶対的高みからの眼差し。それは、弱者たちの心をたやすく削り少女と青年の心を摩耗させる。
全員が捕食者の前で無言になる…蛇に睨まれた蛙ならぬ…【王】に睨まれた【民】。
なぜなら彼らの目の前で、不機嫌そうに眉を吊り上げている人物の心境は、最悪だ。
不満なのだ……自分を散々を待たせようやく何かをしてくるかと期待していた……
しかし、彼らや骸となった者たちの【絆】の力では……捕食者=ノヴァ・ファイナルの衣服に塵一つ付けられず、それどころか彼が立っていた周囲の地面にすら影響を及ぼさない程度でしかないと言う結果に不満を抱いていた。
「ば、ばけものめ……」
戦闘に立っていた赤髪の青年は、自分の力不足を嘆くよう悔しさから唇を血が出るほど噛み締める。
「やれやれ、確かに先ほどの輝きは美しく俺を少しは楽しませる事が出来た……だがしかし、一時の輝きでは俺の温情も一時だけだ…さて他には何かあるのか? 無いのであれば」
【王】は不満な表情を隠す事もせずに一歩だけ前に出た。
たった一歩、距離にして10センチ近くに寄るだけで全員の息がつまり冷や汗と震えが止まらなくなる。その存在感からして唯の人とは一線を介して事なる存在…それが自分達が牙をむいてしまった相手であると本能的に理解してしまう。
「う…うああぁああああああああああああああ!!!」
しかし、人というのは極限までの恐怖を直に感じ続ける。
時に理性を持っていれば…絶対に取らないであろう行動を取る場合がある。
青年の背中の後ろで尻もちをついていたはずの少女が満身創痍の表情で立ち上がり、手に持ったナイフを構え全速力で駆けだす。
ナイフを構えた少女の殺意とナイフの矛先は、目の前にいる【王】にのみ向けられる。
「愚かだ。自ら死を望む者には死をもって臨みを叶えてやろ、ん?」
真っすぐに己に向かってくる少女を蔑むような目で見下ろしながら迫りくる少女に手を伸ばそうとした時…ヒュンと風を切る音とともに王の傍らから紅い閃光が飛び出す。
紅き閃光は、素早い動きで【王】を討とうとする刺客に向かってギラリと太陽の光を反射して輝く真っ赤な両刃の刃を容赦なく刺客に向けてふるう。
「我が王よ、お怪我はございませんか?出遅れてしまい申し訳ありません……このような輩などにあなた様の御手を煩わせるなど王の騎士として一生の不覚にございます」
紅き閃光の正体は全身を紅い鎧で覆い兜をかぶり巨大な紅い剣と盾を構えた中世あたりの女性騎士の姿がそこにあり、女騎士の手に持つ刃はすでにナイフを持っていた少女の身体からは、夥しいほどの血液が噴き出し、少女の周りを紅く染め上げそのまま前のめりに倒れ込み……絶命する。
最後の時の表情は、涙を流し悲しみに暮れた表情で死んで行った。
自らが命を絶った少女には目もくれる事なく兜の全面を外し素顔をさらしながら自らの主【王】に頭を垂れる。
「み、みあ……」
「いやぁああ!!!」
「に、逃げなきゃ殺されるーー!」
身近な仲間の死を目の当たりにした3人…青年は呆然と立ち尽くし他の二人は「死にたくない」という動物の持つ本来の本能に従い逃げ出す。
さすがに【王】と【騎士】も逃げ出す女二人には全く興味がないようで二人でもはや視界にすら入れず二人で話し合っていた。
「かまわん、だが仮にも俺様の騎士を名のるなら帰り血などで鎧を汚すな」
「は、はい……我が王よ。もうしわけありませんでした」
【王】の前で片膝をつき羨望の眼差しで王を見上げる姿はまさしく騎士である。仮面を外した事で顔を拝む事が出来るようになり鎧を着ていても判る身体のラインから美しく華奢な少女であることがわかる。
美しく華奢な少女と気高く勇ましい王…おとぎ話の登場人物のような二人の姿が其処にある。
注目して観察してみれば、紅い鎧の少女の兜の形が奇妙な事に気がつく…頭部から2本、耳のような形の突起が存在している。
「ふ……な……」
王と騎士の会話に今まで黙って殺された仲間の姿を見続けていた青年が何かを呟く。
「まだいたのか貴様! 我が王が逃げることをお許しされていたというのに……馬鹿な男だ。王よ、私がすぐにあの目障りな輩を排除致します」
紅鎧の女騎士が赤髪の青年に対して突き刺さるような冷たい目線を向ける。
さらに手に持っている紅い剣を持つ手に力を込め」、一瞬で青年との距離を詰める。
「我が魔剣の錆になるがいい、愚か者めが!」
必殺の一撃……閃光のような斬撃が華奢な少女騎士から青年の頭部に真っすぐに向かう。
その剣速の凄まじさ、生半可なガードではガードごと一刀両断される。
生半可な回避をした所で、振り下ろされた刃を完全に回避は出来ない。
「……ざ……な。ふざけるなぁあああああああああ」
「な?」
紅い刃が青年の肌を傷つけ、命を奪う一歩手前。
青年の体からドス黒い気が溢れ出す。その勢いの凄まじき事、振り下ろされた刃を己の皮膚に触れることも許さず弾きとばす。
「く、う」
赤紙の青年から発生した風圧に、吹き飛ばされながらも宙返りをして着地する鎧少女。
「ゆるさねぇ。ゆるさねぇ!」
「貴様!」
鎧少女を吹っ飛ばすほどの風圧を、発生させた青年が振り返った瞬間。少女は見た。
青年の目がギラギラと赤く輝き、頭部に巨大な角状の物が生えている姿を。
その瞳に宿る憎悪と怒りに相応しく、相手に対する悪意によって歪んだ表情…先ほどと同一人物とは思えない風貌。
その禍々しい姿に、ひと目で浮かぶ印象は魔王。
「よりによってHEROが悪化しましたね。主人公は、こうなると厄介なことこの上え!?」
「ウォアアアアアアアア」
突如、青年からさらに強力な風圧が発生し鎧少女にぶつかる。
咄嗟に剣で受け止めたが体重の軽い彼女では、どす黒い気の風圧に耐えられるはずもなく吹き飛ぶ。
「がっ!」
鎧少女は、空中で体をひねる事も不可能なまま、彼の王の足元に激突する。
咄嗟の行動で受け身を取る。
しかし衝撃は、殺し切れず背中を強打。肺から強制的に空気が漏れ出し、コヒュコヒューといった呼吸困難に陥る。
「その程度ですまさねぇよ」
呼吸が出来ず苦しむ少女を見て、青年は一歩また一歩と歩みを進める。
彼が進むたび、彼の周りの死体から黒い気が漏れ出す。その気が青年が呼吸すると同時に、青年の体内に流れ込む。
「お前達、両方とも深亜と同じ目にあわせてやる」
先ほどまでは、美しい装飾と宝石で輝いていた剣。
その輝きは、すでに無くなり、彼が剣を頭上に掲げる。すると死んだはずのHERO達の骸が起き上る。
「アァ……ァ…ァァァ」
生気のない死体から、苦しむような呻き声が、無理矢理あの世から連れ戻された嘆きの声が……
自分を殺した者に対する憎しみ、自分を呼びもどした者に対する怒り、その全てが掲げられた剣に吸い寄せられる。
全てを吸い取られた死体がバタバタと倒れていく。しかし、それは死ではなく、魂を吸いつくされ魂を囚われる地獄。
「見ろ……これが貴様たちが殺してきた者たちの怨念だ」
剣に集まった膨大な念、紫と黒の混ざりあったそれは、先ほどとは真逆の光。
触れるものを汚し、黒に染めようとする完全な「邪」の波長。
その瘴気にも似た波が、青年の頭上に集まり、加速的に増幅される。
「く……なんて邪気。我が王よ……少し手こずりましたが直ぐにでも!」
目の前の怪物、その邪気に一瞬だけ驚くも勇敢に剣を掴んだ少女。
前に出ようとした時、彼女の王が彼女の前に出る。
「な? お、王?」
彼女の前に出た王、彼はその手で少女に制止をかける。一瞬、疑問を持った鎧少女だが、王の反論は許さないと言う視線に跪く。
「なんだ? 自分の仲間の危機には、さすがのお前も動揺ってか?」
「いい加減、くどい、もう茶番はいい。俺が終わらせる」
「死ね!」
青年言葉を聞く耳持たずに鎧少女に、話しかける王。
その態度に、貯めていた怒りが爆発。
掲げていた剣を振り下ろすと同時に、捉えていた怨念を解き放つ。
一気に解き放たれた怨念、それは呪いと同じく自らを葬った相手に向かい、群がるように襲いかかる。
「全く持って不愉快だ」
群がる怨霊の軍勢、うめき声を聞いただけで、魂が持っていかれるような亡者が迫る。
「ベル、我が護り刀としての役割を果たせ」
彼の王が掌を頭上に掲げる。
瞬間、迫る魍魎達が一斉に王に道を開けるように、左右に分かれる。
その光景は、伝承に残るモーセ、海を二つに割ったとされる人物の如き姿。
そして、手を上に掲げた王にも変化がある。
突如、黒い布地のマント、頭に彼が王たるものの証【王冠】が現れる。
「御意」
王の指示に従う、従順な家臣。
王の言葉に応え、身体から力を抜く。
「我が王よ、我が力、あなたの刃であるがために」
体から力を抜き、深呼吸をし、目を瞑る鎧少女。
瞬間、少女の体が黒い光の塊となり、王の手元まで飛翔する。
「久々な気がするな…、ベル…いや霊剣ベルキュリア。その輝きをもって全てを 制せ」
黒い光は、王が掴んだ瞬間に破裂、中から一振りの剣が現る。
装飾などは、一切なく。武器としての性能を求めただけの剣。
剣というには、あまりにも巨大で重量のある姿のそれを王は、片手でつかみ、大きく上に振る。
「なんだ?あの剣……。それにさっきの一撃でも足りないか」
巨大な剣を振り上げた王、その姿を見ていた魔王となった青年。
青年は、躍起になった彼は、再び剣に怨念を集める。
「美亜の命を奪ったお前達に、死など生ぬるい!」
剣に集る魍魎達が一斉に騒ぎだす。
「ウァアアアアア!!!」
魍魎の叫びが最大に達した時、その刃は、振り下ろされる。
先程まで、HEROだった彼、力が通じず無力がゆえに闇墜ちした青年。
彼の執念の一撃、怨霊たちの憎悪が放たれる。憎き敵の元へ。
「くどいと言っている!」
自らに向かってくる怨念、普通の人間なら恐怖で腰が抜けるほどの威圧感。
プレッシャーをその全身に浴びながら、ぶれる事ない王は、振り上げていた大剣を亡者共に振り下ろす。
その細い腕に似合わない大剣をこれでもかというほど、正確に早く振り下ろした。
振り下ろした衝撃で足元に転がっていた死体が宙を舞う。
それは、まさに世界を分つ一撃。
刃が王の手によって振り下ろされた時、剣から発生した剣圧。
さらに風、雷、炎、水、土などの自然の力が集約された力、全てが剣圧に重なる。
亡者の恨み、青年の怒り、魔王の力、全てを消し去り、黄金の道が進む。
「うぅ、あぁあああああ!!!!!」
直進し止まる事のない王の敷いた道、華々しい輝きの道、道を阻むのを全て退ける。
道の行方を己の剣で阻んだ青年、血の涙を流し,死力を尽くし挑む。
「くそくそくそがぁーーーーーー!!!」
しかし、抵抗虚しく青年の想いと身体は、圧倒的な力に呑み込まれ…この世から存在が消える。
苦しみとは無縁の無念と憎悪に染まった断末魔が完全に消え去る頃。
辺り一帯が何もない更地となっており、その中心に王が佇んでいた。
「弱いものが強き者に噛みつく、それは偉大な事だ。だが、己の力量を知らず、仲間の死の覚悟もしていないHERO如きが俺に挑んだのが間違いだ」
青年の居た方角は、地平線の果てまで更地となっている。
ガチャリと地面に大剣の刃を置き、クルッと地平線とは逆、太陽の方角に振り帰る。
「……」
目を細め、太陽をしばらく眺め始めた王。
その横で大きい剣の姿から再び人型に化けた鎧少女。
「我が王よ、どうされたのですか?」
王の傍らに寄り添うように近寄り、見上げながら問を投げかける。
先ほどとは違い、全身を鎧ではなく若い世代が好んで着る流行りの洋服に身を包んでいた。
兜をかぶった状態では、見えなかった素顔が晒されており、艶のある銀髪。
手入れが行き届いているのか、艶やかで触れればさぞ手触りが良いであろう髪を二つ編みで背中から垂らす髪型。
特徴的なのが耳の位置と形。猫のような獣耳を頭から生やしているのだ。
「……ベル、ここでも俺の記憶の手掛かりは無かった。今度は、西に行く……」
「畏まりました王!どこまでもお供いたします」
王の言葉にとろけるような表情で頷いた猫少女。耳をピコピコ動かし、何故か後ろで束ねている髪までぴょこぴょこと動いてご機嫌の少女。
先ほどまで剣を振るっていた武人ではなく、恋に一直線な乙女の表情で太陽に向かい進む王の背中を追いかける。
王と騎士、2人は歩み続ける。己の道を切り開き、己で進む方向を定め、障害を排除してでも決して己を己の道を曲げることなく……。
「あ、それと王!昇った太陽に進むと東に行っちゃいますよ?」
「………う、やはり北だ」
進む方向を定める王が若干方向音痴なのが唯一の悩みではあるが…。
「太陽と逆方向に進んだら西に行っちゃいますよ~王~」
強く残酷で容赦のない主人公。否、主人公達が恐れるHEROや悪とは違う存在、ダークヒーローの称号をもつノヴァ・ファイナル。
可憐で強かな騎士、その本性は200年生き神通力と剣技を操る猫又の妖怪変化のベル・バルキュリア。
この二人は、HEROと悪の狂い始めている世界にどんな影響を与えるのか?
それはまだ、先の物語。
再びこの二人が現れた時、物語は大きく進むだろう。
今回は、カイザとは違う主人公。
ノヴァ・ファイナルの物語です。
カイザとは違い、強く気高い男とその男に惹かれ共に歩もうとする少女の番外編でした。
詳しくはまだ描けないのですが、ノヴァは、フォースセクション+。ベルはサードセクション。青年は、サード~フォースセクションと言った強さになります。お仲間は、セカンドかファーストですね。
要望があれば能力などのネタバレを載せてもいいんですが本日は此処まで。
それでは、またいつになるかわかりませんがお会いしましょうノシ