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HEROってなんだっけ?  作者: 落胤
マリシャス復活の章
20/30

カイザなんて認めない3

前回ののあらすじ


 パーキングエリアでの襲撃…敵の狙うはカイザの命。以上です。


 いつもおなじみ?の不定期投稿の時間です。


 



 

 ブシュという皮膚を、肉を、血管を、内臓を貫く音がその場にいた3人の耳に届き、硬い鉛玉に抉られた体から血が噴き出し、アスファルトの地面に赤い水たまりを作る。


「ありゃりゃ」

「う…そ…」


 男は何やら楽しげな表情のままわざとらしく驚き。シャーロットは口元を押さえて驚愕する。

「え……」

 竜華は、何が起こったか判らず、目を大きく開いて固まる…そして、視線を下ろすと…ジワっと自分の衣服に血が広がっているのに気がつく…。


「うそ……」

 そして、その血が……自分の物で無く…目の前に見える自分の前に仁王立ちしている人物の血だという事に…。白いコートの胸の部分を紅に染め、口からは血が滝のようにあふれだし、すでにそのエメラルド色の眼に光はほとんどなく…白いコートの持ち主…カイザは竜華にもたれかかるように倒れる…。

 小柄の竜華では、細いとはいえ180はあるカイザの体を支え切れず…倒れこむ。

 カランとカイザの赤縁メガネがアスファルトの地面に転がる:…。


「カイザさん!!」

「カイザちん!」

 

 竜華の悲鳴にも似た声に続いてシャーロットも駆け寄り声をあげ、カイザの体を揺するが反応が無く、シャーロットの顔に絶望の色が浮かぶ…。

(もしかして、カイザちんが死んじゃったのは私のせいじゃ……やっぱり私は疫病神なんだ…)

 シャーロットは己の特殊で不幸な性質の犠牲になったと表情が酷く曇る。

 『探偵』や『刑事』などのHEROの場合、アニメやドラマのようにもてはやされたりすることは、実際皆無に等しかったりする…。

 むしろ、避けられ、差別的な目線に晒されることが多々ある。その理由は実に単純で…彼ら彼女らの周りでは必ず事件が起こるからだ…まだ、謎解きくらいならまだしも彼らが主人公である限り殺人や事故死が後を絶たないのである。

 多くが死神や疫病神のレッテルを張られ最悪の場合殺されてきた。そんな環境に居たシャーロットは長く引き籠ったのと相棒のおかげで死亡する事件は起きなかったが……自分が外に出たとたんに…カイザが目の前で倒れたのだ。

 すると、シャーロットは自分の頬がつり上がるのを感じ目を大きく開いて…。

「あ、や…やだ…(また笑ってる…)」

 シャーロットは自分の手首を爪が食い込むほど強く強く握る。

 すると、その様子を見ていた襲撃者の男は、大量に出血し死亡したであろうカイザとその体を支えながら俯いている少女…そして、何を思ったのか自分の爪で自分の腕を刺している少女を見ながらつぶやく。


「…ショックなのはわかるけどさ…せっかくカイザ君が犠牲になって助かった命なんだよ?大切にしなよ。もう狙う理由ないから逃げていいからさ」


 自分が殺していないとはいえ、明らかにそれに加担してさらには、自分たちを捕え人質にした上でカイザを殺したくせに能々と優しく微笑みかける男…明らかに狂っているのだ。

 狂っている男は何やらやる気なしにポケットからケータイを取り出す。

「やぁ、兜くん。殺気ので死んじゃったみたいだからお仕事終りね…目撃者二人いるけど今すぐ僕が【偽悪使い】で精神メチャクチャにした上で逃がすから問題ないよ。え?キチンと確認しろ?もーやーだーなーHEROの特性は知ってるよ?僕らもHEROじゃないか……大切な誰かを護って死んだんだ、この場合、生存フラグは無いでしょ?それに生の死体見ちゃったから正直吐きそうなんだよね…迎えに来てよ」

『黙れ、お前に近づけば俺は死ぬんだろ?自分で帰れ…クソ野郎』

 


★ ☆ ★ ☆ ★ ☆


 彼の言い分を聞いて電話の向こう側…カイザやシャーロットを狙撃するために山奥に潜んでいた黒金兜は、今すぐにでも電話相手の脳点に穴を開けたい衝動に駆られるが…仮にもBOSSからの依頼仲間なので、今は殺せないと自分の手にある得物を握りしめる。


「くそったれ…人質に取るとは聞いていたがさすがにちびっ子いガキ2人とはよ……後味の悪い殺しだ……本当にあのくそったれ!!」

 

 ガンっと足元にあった少し大きめの石を蹴ると石は、重力に従い坂道を転がり暗闇のためにすぐに見えなくなる。彼は苛立ってた…自分の流儀を完全に無視した仕事を遂行してしまった自分とそれを勧めてきた男…同じく賞金稼ぎの【稲象 友視】。

 彼の仕草も言動も態度、何もかもが気に入らない…もしこの仕事以外にも友視とくまされることがあるなら俺は血管が破れて死ぬだろうと兜は考える。

ふと、偶然事故で射殺したらクビになるだろうか?と言う悪魔のささやきに耳を貸しスコープで友視の方をの氏た瞬間に…兜は一瞬で戦闘態勢に入る。

『どうしたの?もしかして不慮の事故でも起こった?』

「バカ野郎!!そいつ死んでねぇ!!」

 電話の向こう側…自分からも見える位置でふざけた笑いをかみ殺している男に兜は大きな声で怒鳴るが相手に言いたい事が伝わるには時間が足りなかった。

 なぜなら、死んだと確信したHERO…赤メガネの男の腕が動き…友視に向けて銃を向けていたからだ。


★ ☆ ★ ☆ ★ ☆


『バカ野郎!!そいつ死んでねぇ!!』

 急に耳元で大きな音がしたためにキーンとする耳をふさぎ…嫌そうな表情をし、うるさい通話を切った後に後ろの二人に振り替える。

 カチ…と友視のおでこに当てられた…金属の砲身…。


「あれ?カッコよく死んだはずじゃ…」

「改めて思うと…不意打ちって…サイコーですよね」

 

 友視が自分に当てられたそれを見るとそれは、100年くらい前のアンティークな拳銃の形をしているくせにやけに蒼く輝き…機械的なエネルギーが満ちていた。

その銃を持っているのは先ほど銃弾に倒れ、名誉の戦死を遂げたはずのカイザであり、彼は竜華とシャーロットに支えられるように佇みながら真っすぐに拳銃を構え…メガネがないため、そのエメラルドに輝く瞳は、真っすぐに友視の事を殺意の籠った視線で睨むとニヒルな笑みのまま引き金を引いた。


 チュンという拳銃らしからぬ機械的な発砲音が友視の耳に入る瞬間には、友視の額に青白く輝く光弾が命中、其の威力は小さいながらも強力でカイザと大差ない友視の体は30Mほど吹っ飛びようやくそこに止めてあったダンプカーに背中からぶつかり直後に後頭部を強打し…ズルズルとアスファルトの地面に倒れる。


「ぐ……」

 後頭部を抑えながら目に怒りを込めて、カイザを見る。

 フラフラとしながらも二人の少女に支えられ…なんとか立てていた。

「カイザちん大丈夫?」

「すいませんがもう少し支えていてください…今すぐにスナイパーとコイツ、ブッ倒しますから」

「一応、傷口も内臓の治癒も僕がしたけど血が少し足りないから無理しないでください」 

 フラつくカイザをシャーロットと竜華が「うんしょうんしょ」と押しとどめる。

 そして、竜華の手からは以前怪我した通行人を治療していた光がカイザの体に注がれる…。注がれるたびにカイザの顔色は良くなり呼吸も整っていく。


 その様子を見ていた友視は苛立った表情のまま立ち上がり…。

「そっちのポニー、ポニーテールの子のせいか…死んだと思っていたカイザ=ガブリエルが生きてたのは。これは大変ヤバいな起死回生フラグが立っちゃったよ…仕方ないまたスピードで圧倒して先にそのポニーテールの子から始末するとしようか…な!」

 友視は穏やかな話し方ながら顔に怒りが現れ、ダメージを体に鞭をうって再びカイザでは反応出来ない速度で走りだす。友視には3つの主人公補正があり最も戦闘向きな補正である【強さ】を最大限に使い肉体を強化したその走りは音速の域に到達している。

 さらに音速の域に居ながら左右ジグザグに相手を翻弄するような動きをするので通常人の目では負えず音速でターンするたびに鼓膜に衝撃音が響く。


「あ…一応、一応ごめんね」

 何処からともなく謝罪の声が聞こえ、竜華とシャーロットの二人はカイザに掴まりながらしがみ付く、そのしがみついている竜華に手を伸ばす。

「「キャ」」

 声が聞こえ悲鳴じみた声をあげ目を瞑る二人、その一人に友視の魔の手が迫る…。


「………させませんよ…そんな事」

 魔の手が竜華の首に向かいその命を一瞬で終わらせようと近づいた時、先ほど友視に大きな一撃を与えた蒼く輝く銃…その銃口が音速で動く友視の脳天に向けられていた…。

 そして…カイザのエメラルドの瞳は音速で動く友視を映している…偶然とは思えに程自信に満ちた表情で見ていた。

(なんでアイツ…僕の事をきっちり目でとらえてるんだろ…)

 

 疑問を感じた時にはすでに引き金が引かれて居て…蒼く輝く光弾が音速で移動する友視の右目にヒット。ヒットされた友視の体は光弾の威力に一時は踏ん張っては見せるも抗えるはずもなく…その脚は地面から離れ光弾の威力にブッ飛ばされる。


「うが…ぐ…くそ…」

 今度は後ろに障害物が無ために真っすぐに空気の壁に何度もぶつかり、あろうことに協力者である兜の付近に突っ込み幾多もの木々を背中でなぎ倒しようやく山から突き出した岩石にぶつかりそのまま地面に倒れピクリとも動かない。



「あの馬鹿…まぁいいアイツは端から必要ない」

 いきなり自分の前に飛んで来た友視の様子を確認し再びスコープでカイザと人質になっていた少女を覗くと…カイザのエメラルドの瞳と目線がきっちり合わさった。

「クソ野郎!」

 目が合った瞬間に漏れたカイザに対する場闘とともに高速弾が発射される。慌てて撃ったので人質の子供二人に狙いは定まっておらず真っすぐに命中するはずの無い奴に向かって飛ぶ。

 内心、弾を無駄にしてしまったっと後悔する…が、しかし兜はさらに後悔することになっただろう。

 弾丸が発射される直前にカイザは手に持った蒼く輝く拳銃…正確には腕時計のような機器から掌…そして手に持ったアンティークな形の銃まで伸びる青いラインからエネルギーを供給を受けているソレは、すでに兜に向けられており、高速弾の発射と同タイミングに引き金が引かれすでに蒼い光弾は発射された。


 真っすぐにカイザの命を狙う弾丸と真っすぐに兜に向かう光弾は、ぶつかり合い…弾丸が粉々に砕けたのちに光弾が兜の持っていたライフルに突っ込む。


「うっ!」

 光の速度で進んだそれは兜が反応をする前にライフル銃に命中し兜の腕からふっ飛び岩壁にぶつかっり分解、兜の体は突然訪れたの衝撃に対処など出来るはずもなく頭で理解する前に斜め後ろに回転しながら飛びバキバキバキと山の木々をなぎ倒しながら大木の幹にぶつかりそのまま肺から空気を吐きだした後に地面に落下する。

 そのまま山の傾斜のせいで身体が転がりゴロゴロと山の斜面をふもとの川にまで落ちた。


★☆★☆★☆


 目を細め遠くを眺めながら銃を構えていたカイザだが襲撃者を両者とも追い払うことが出来たのを確認すると銃を下ろした。

 ふと拳銃にエネルギーを与えていた腕時計型の機器を見ると【TIME OVER】と表示された瞬間に腕時計が煙を吹いて蒼いエネルギーを出すのをやめる。


「ギリ…ギリでしたね、熊先生に直して置いて貰ってよかった~」

「カイザちん?…あの怖い人倒した?」

「あ、はい今撃退しましたよ。後、これはお返ししますね」

 

 シャーロットの小さな両手に少し大きめの無骨な年代物の銃を渡しカイザは少しだけ目を押さえた後に「もう離してくれて構いませんよ歩けるようになりましたから」っと言い二人の少女から離れて少し歩いた場所に転がっていたメガネを拾い、割れていないか確認した後に低位置に戻す(メガネをかける)。


「ちょっとフレーム歪んだかな?…まぁいいでしょう…お二人ともお怪我はありませんか?」

「うん」 

「はい…大丈夫です…カイザさんは?」 

「僕ですか?…竜華さんが直してくれたので問題ありません…さすがに全力戦闘はしんどいですけどね」

 

 ニッコリとほほ笑みながら「ありがとう」と二人の頭を撫でる。

「僕らこそ…足手まといになっちゃって……あの人、すっごくこわくて……グスエグ」

「…簡単に捕まっちゃってごめん……もっと抵抗すればよかった…ひっく ひっく」

 

 シュンっと暗い表情をする二人に言い聞かせるように同じ目線まで腰を落とし「あなた達二人はレディーでさらに女の子です。絶対に抵抗するなとは言いませんでも抵抗した方が酷い目に合う場合もあるんです…今回は大人しく捕まって正解です。お二人に怪我でもあったら大変ですからね…護ると約束しましたので先ほどの怪我は僕の力不足が原因なのでお二人に責任なんてありません」

「でも…」

「だって…」

 カイザの優しい説得に戸惑う二人だがカイザは二人の頭を撫でる。

「僕は、あなた達より大人で男で仮にも紳士なのですから…護るのは当然です。さぁここもこれだけ荒らしてしまいましたから警察とか悪ければ別のHEROが来るはずです、そろそろ行きましょう」

「…はい」

「……わかった………」


 竜華が素直に頷くとシャーロットが何か気恥かしそうにブツブツ呟き、カイザが耳を傾ける。

 そのタイミングで ぐ~~~~っとお腹がなる音がするとシャーロットは「ご飯食べる前に掴まって…」

とボソボソ呟くと隣で「わたしも~」と手をあげながら遠慮気に竜華も手をあげる。


「ハハ、じゃもう少し進んだら街に付きます…そしたら美味しい晩御飯でも食べに行きましょうか…まぁその前に着替えたいところなんですけどね」

 僕もお腹と血液ちょっと空きましたし、っとニッコリ笑いながら二人をバイクに乗せ、反対車線を走るサイレンを鳴らしたパトカーと救急車と消防車が通り過ぎるのを見ながら高速道路から街へと静かに向かう。


――――――――――――――――――――――――――

 場所は大きく変わって日本の都市。

 「この鎧を使えば【悪】も【正義】も全て護りぬける。あの熊には酷い事をしたが、世界を変えるために仕方ないんだ」

 黒髪のざんばらヘッドに淡い黒の澄んだ瞳の、ワイルド系のデカイ男が摩天楼を見下ろしながら誰かに話す訳でもなく一人、懺悔のように語りかける。


「おや?もう嗅ぎつけたのか……さすがHEROだな…だが俺は勝つぞ?負けられんのでな」


「そうか皆、奴はあれを盗んだ……徹底的にいくぞ」

「了解だ、はなっから飛ばすよ」

「うん、手加減して勝てる相手じゃないしな」

「あぁ、全力だ」

 男が振り向いたときには、ビルの屋上には数十人の数十種のセカンドからサードのHEROが終結し目の前のワイルド顔の青年の言葉に続くようにそれぞれが各々のスキルを発動していく。


「この人数だ。悪く思うな」

 そう男が右手を点に掲げながら言った瞬間に男の体が銀色の鎧に包まれる。

  そして…。


★☆★☆★☆



「日本よ~僕は帰って来たよ~~~」

「日本よ~私は初めて来たよ~~~」

「恥ずかしいので大声で騒ぐのはやめてください…みなさん見てますよ」


 とあるビルの屋上で死闘が繰り広げている中、同時刻日本の繁華街…以前戦闘機での戦闘でボロボロになったはずの街だがすでに修復され大いににぎわってる中、数年ぶりの日本への期間を喜ぶ竜華と産まれて初めてこの国に足を踏み入れたシャーロットの探偵事務所コンビは大いに喜び大声をあげなら両手をあげて叫んだため、注目を浴びてしまった。


 ザワザワとこちらを見ては流れていく人の流れ、その視線は冷たくも生暖かいものであった。

(なんというかやっぱりこの探偵コンビは人目を引きますね…)


「シャーロットさん、シャーロットさん」

「ん?」

「此処でこうしてると事件に巻き込まれそうなんで早く行きませんか?」


 あまり視線を集めるのはHEROにとって、正確には争いを望まないHEROにとっては、厄介事に巻き込まれる…そして目の前のちびっ子は探偵…。

 この状況は非常にまずいと判断したカイザが二人の背中をグイグイと押す。

実は、カイザ達の背後で多くのHEROが戦っていると言う事は繁華街の賑やかさにカモフラージュされて誰も気付いては居なかった。


★ ☆ ★ ☆ ★ ☆


 数分後、ビルの屋上には黒焦げの人が多く転がっており、全員が全員かすかに胸が上下し、息をしていることから生きていることが確認される。

 そして、屋上の大きなアンテナのてっぺんに銀色の鎧が存在しその鎧は月の光を反射する事で現れる幻想的な姿は、周りの視線を引き付けるほど美しいものだ。

 その幻想的な鎧の手には何かがにぎられて居た。


「もう、これぐらいにしておかないか?」

「うっ……俺はHEROだ。お前なんかに負けられない……んだっ」

 掴んでいたのは、先ほど襲撃してきたHEROのリーダー格の青年だったが物の見事にズタボロにされ、ゴミ切れのようになっていた。


「すまないが主人公補正を当てにするのは無意味だ」

 どんと鎧の人物から繰り出された拳が青年の鳩尾に入り、青年は意識を失い…屋上の床に落下した。


「……俺はこの力で全ての【悪】と【HERO】の争いを終わらせ」


 戦え、闘うのだ。全ての物を……壊しつくせ。


「くぐ……なんだ、これは、くそ」

 突如、頭の中に謎の声が響き鎧の人物は、アンテナの上から地面に着地して頭を押さえながら壁にもたれかかる。


 殺せ、己の力を示せ


「う! ……聞いていないぞ、こんな副作用が、あるなどと」

 頭に響く声はなぜか己自身の声でありそれがどんどんと自分に染み込んでいくというよりも湧きあがって来るような感覚に鎧の人物は苦しむ。


「はぁ……は……何なんだ今のは」

 急に男の鎧が光になって消えた事により、猛烈な不快感から解放されたため深呼吸を繰り返し頭を押さえながら一人で問答していた。

 そして、しばらく己が使っていた鎧を収納したアイテムを眺め、膝を付いた状態から壁を伝って起き上る。


 ふと横目に自分と戦い負けたHERO達の姿が目に入るが何も言わずに屋上の扉を開け、階段を下りていく…。屋上の風により扉が閉まった時には男はもうそのビルには居なかった。


つづく。





以上です


キャラ紹介

名前:稲象(いなぎせ) 友視(ともみ)

性別:男

年齢:28歳

正or悪:正?

ジャンルor種族:偽悪使い系何でも屋HERO

クラス:セカンドセクション

主人公補正or悪の能力:【偽悪使い(リアライザー)】【事故簡潔】【生伝】


補正内容:

【偽悪使い】会話した相手の心や信念を折る主人公補正。所謂説教系能力。どんなに強い信念の元に行動する正義や悪もこの補正の前に精神を砕かれ、戦意を喪失する。また、この補正の効果を受けると、精神ダメージにより、戦闘行動に支障が出たり、力が制限されたりする。彼の言う偽悪とは、自分にとって敵となる存在を正義とみなし、自分を悪と考える彼のあり方のことである。


【事故簡潔】彼と関わる者全て、例外なく不幸になるという疫病神のような力。彼と関わった時間が伸びれば伸びるほど不幸は大きくなる。また、精神が大きく揺らいでいる時ほどこの補正の効果を受けやすい。【偽悪使い】との相乗効果は洒落にならない。


【生伝】

自分の努力次第でどこまでも強くなれる補正。戦闘系補正である。また、敵に負けて、生存した後の修行で、補正の効果が最も大きくなる。


容姿:身長168cmで中肉。真っ黒い髪を肩に届く程度に伸ばし、右側をピンで留めている。前髪は所謂アシメトリーで、左側目が隠れている。一見すると性別が分からない。目は『生きた死体』のように光があったりなかったりする。服装は、ジーンズにTシャツを好み、冬場は水色のダッフルコートを着る。また、装飾過多を嫌う。

性格:自分を最も嫌う謎の男。破綻した言動の持ち主でまるで悪人のよう。一言で言うなら狂っている。さらにいうなら壊れている。普段は普通の好青年のようである。また、別にこだわりでも信念でも無いが、何でも屋として、報酬さえあればどんな人間にもつくことにしている。ただし、依頼主が人を殺したことのある人間なら、容赦なく心を追い詰める。過去にカイザとの因縁があり恨んでいる。


武器:普段は素手。しかし、刃物、鈍器、銃、弓、投げ武器、格闘武器など様々な武器をかなりの腕前で扱える。


この人こわいね…ちなみに彼が【偽悪使い】をカイザに使用しないのは、ぶっちゃけ意味がないからですね。彼は【回避】してしまうので話しあいすら起こらない事になります。


以上です。それでは不定期になりますが次回も宜しくお願い致します。

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