教師なんて認めない
こんばんわ
不定期投稿のお時間です。
前回までのあらすじ 柊が退院して行方不明 カイザは治療中。以上です
では、どうぞ
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………ガタンゴトンガタンゴトン
ぐらぐらと少し揺れる田舎の誰もいない列車の席にちょこんと座る褐色肌で大きめの麦わら帽子を頭に被った中学生くらいの少女、小早川 柊…元人の現悪の少女は、電車に揺られながらとある目的地にむかっていたのである。
次は~住良木湖前~お出口は左側になります、次は、溝呂木に到着します。と言うようなアナウンスをその常人よりはるかに優れた耳で聞きとった柊は、ボーとしていた意識を覚醒させ電車からゆっくりと歩いて出る。
そして、電車がガタンゴトンと出発するのを少し眺めながら歩みを進める。
「おや、お譲ちゃんこんなところに珍しいね…降りる駅を間違えたのかい?」
古びたボロボロの未だに木製の駅に一人だけいるもうすぐ定年前の駅員は、優しく柊に話しかけると柊は、すこし黙ってから…
「ううん、こっちに友達がいるから遊びに来たんです」
「おぉそうかい、…でも、この村に君くらいの年の子は…あれ?いない…」
柊の返答に納得しかけたが村には若い人間は居なかったはずと思いかえした時、すでに駅員の前に少女の姿はなく、辺りを見渡しても何処にも柊の影一つなかったのである。
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「あまり詮索されるのは、都合が悪いとは言っても…今のおじいさんの前で転位使う必要あったかな?」
と一切人の手の入っていない森林を歩きながら少しだけ反省する柊の姿がそこにあった。
(後、もう少しで着くのかな…)
ザッザッと長い時間樹海を歩く。
そして、額に汗が出始めてきた辺りでようやく目的地の湖が見え
「ふぅ、結構あるいたな…ここでいいんだよな……迎えが来るのって…」
それからしばらく湖に移った自分の姿を眺め足元の石ころを蹴って時間を潰していると後ろの方からカサリと物音が聞こえ、すぐに振り返る。
…この樹海には、まったく似合わないピシッとしたスーツに身を包んだ黒髪の明らかに仕事ができますと言うタイプの大人な女性が気に手を当てながら柊の事を見下ろしている。
「君、もしかして首都の方の正義の被害者の集まりから連絡のあった…」
女性が柊を見ながら首をかしげ、問いかけてくるそぶりを見せたため、柊は麦わら帽子を脱いで、自分の化け物の自分の姿をさらす。
「はい、柊と言います。…今回は、武器の補充と逃走資金の補助をお願しに来ました」
「話は聞いていました…今まで辛かったでしょ?来なさい…私の名前は、大柴よ。私たちはあなたの味方だから」
柊が恥ずかしそうに自分の姿を見せる。それに対して大柴という名の女性は、すぐに柊に近寄り優しく退き寄せたのだった。
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………その頃より、3日ほど前…ようやく退院許可の出た、カイザはというと…。
「さて、何処に行けばいいものか…」
「あの子の事は追わないのか?」
退院しようと病院のロビーで座って順番を待っているカイザの独り言にいつの間にか後ろに座っていたレヴィが尋ねる。至極当然の疑問を投げかけたレヴィに対し、カイザの反応は…。
「追いません」
「ハァ?なんで追わないんだ?私が何のために君を全力で治療したのかわかってr」
「えぇわかってます。あなたが僕を直してくれたのは、柊さんを守らせるためでしょ?」
「わかっているなら…なぜ直ぐにあの子を追いかけて…」
カイザの返答にイラ立ちを覚えたレヴィが少し声を荒げながら言おうとするが冷静に考えてみてレヴィの言葉は止まった。レヴィははすっかり忘れていたのだ…カイザが一体何であるかという事を。
「わかってると思いますが…僕は、主人公です」
「……あぁ」
「男の主人公である場合、僕の近くに居過ぎる女性は、大抵ヒロインとしてこの世界の僕を主人公にしようという働きに応じて巻き込まれていきます。…だからこそ、柊さんが僕を避ける限りは、適度に距離を保つ事が大切なんです…彼女を護るためにも…ね」
カイザがそう言い残し、病院を後にした。以外にカイザのファンが多く病院中の9割の女性が悲しんだと言うことは、柊にはとても言えないような秘密であったのは、カイザとレヴィと病院の人間しか知らない。
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ドゥルルルルブィイイイン
退院してからすぐに、カイザ=ガブリエルはというと、以前購入しそれからずっと放置していた中々年代物のオートバイに跨り、ある目的のために高速道路を爆走していた。
(とりあえず、時間は出来た…柊さんのために…やるべき事をしないとな)
ヘルメット越しに外の景色を眺めながらスロットルをさらに強くひく。
急激な加速乗り前方からの風も強まるがそんなことお構いなしに高速道路をかけぬけていく。
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キィィィィ…ガチャ
「ふぅ~…久々に乗ると感覚がつかめない物ですね」
目的地の古びているが中々大きな工場…というよりもどこぞの学校の施設の倉庫らしき場所にバイクを止めヘルメットを外したカイザは、涼しい風をその顔に受けながら倉庫のシャッターを開け中に入る。
中には、40代後半の体が以上にゴツイ作業服の男が真剣な表情で謎の人型スーツをいじくりまわしている男に両手をポケットにれながら近寄る。
「だーーーーーーー!!!!また調整がズレたーーーーーーーー!!!」
「おわっ?」
後ろからカイザが、体格のいい男の肩を叩こうとした瞬間に、男が頭を抱えて起き上ったため、カイザの体が勝手に回避行動を取る。
「ん?ん~んおほぉ~お前カイザじゃないか。懐かしい顔だと思ったよ」
「…お久しぶりです…先生」
カイザのが避けた瞬間にカイザの姿と声を捉えた大男は、顎に手を当てながら長身であるはずのカイザ相手に腰を曲げ、マジマジと顔を眺めた後に急に大きな声をカイザの顔の前で出したため
カイザは、無駄につばなどを回避する羽目になる。
そして、苦笑気味のカイザの事など関係ないと言わんばかりにバシバシと肩を殴打する大男…。
主人公のための主人公による主人公だけの主人公養成学校。晴舞台学園。
ぶっちゃけ、キャラインフレ学園である。
とりあえず先生から生徒、警備員の人たちから何から何までキャラが濃い学校として有名な学校…。
その学校の変身装着科の教師である熊本 獅子雄(42歳)が、そこにはいたのである。
「オォ久しぶり久しぶりそれにしてもあの時のチビがでっかくなったもんだな」
「あなたから見れば大抵チビじゃないですか?」
「むろんだ」
「……」
……もう何も言うまい……
マイペースを形にしたような教師、カイザの元恩師である。
つづく
以上です。
今回の投稿は大変遅くなって申し訳ない…ですが、完結を諦めていは居ません。
次回の投稿も不定期ですが ぜひ、宜しく感想などお願いします。
では、またノシ