ヒーローなんて認めない【挿絵あり】
気まぐれで思いついたストーリーを文章にして書きました。
感想やアドバイス誤字脱字の発見などは大歓迎です。
ただし、意味のない中傷やマナーを守らない心ない感想は、見つけ次第削除させて頂きます。
ではどうぞ
主人公とは物語の「中心人物」を指す単語であり、ほとんどの場合、主人公が主体となって物語が進んでいくが、物語の内容や演出によって印象や役割は異なることが多い。
読者やプレイヤーの分身など、あるいは読者に「視点」を提供する者を主人公とする場合、ゲームなどでは人格が設定されていないことがある。はたまた、人格があるタイプの癖はそれほど強くなくプレイヤーはそのキャラクターの心情を直接見ることができる場合が多い。
例えばRPGや冒険物は、正義感の強い10代前後の少年という印象が強い一方で、何の変哲もない普通の少年がとある理由で事件に巻き込まれたりなどし、人間的成長を遂げたりする場合もある。
また、恋愛シミュレーションなどでは恋愛に方向が進むという必然的な特性上、主人公は何かと異性との交流に恵まれている場合が圧倒的に多い。
ただし、恵まれているだけの者は少なく、油断すると愛する者を失ったり最悪バッドエンドという危機的状況にたどり着く者もまた多いのだ。
主人公補正については一般に、主人公になるキャラは多くの点で他のキャラクターよりも色々な面で優遇され、ゲームではステータス上も一回り強くなっていたなど特典が多く、これらを指して「主人公補正」という。
大体の場合が原則として物語の最初から最後まで中心に居続けなければならないうえ、負けると話が終了してしまうため常に高いポテンシャルが求められることに起因していると思われる。
ある種ご都合主義なのかもしれないが、中心に立ち重責を担う人間は強くなりやすい傾向はあり逆に「強いから、または潜在能力が高いから主人公になった」というケースももちろん事あり、主人公とはまことに複雑なものであるといえる。
主人公補正
主人公補正とは、そのキャラクターが主人公であることによって受けられる、様々な恩恵のことである。
具体例を一つあげてみよう。
現代社会を物語の舞台にした物語で、例えば主人公に温泉旅行をさせたい場合、小道具として福引きを登場させると確率が極端に低かろうが、その人物は温泉旅行券を引き当てる等である。
この懸賞等で必ず当たりを引く事などが、いわゆる「主人公補正」と言えよう。
他にも、バトル物の作品ではよくみられる事が多い。
主人公は物語の主役である、その物語は主人公の為に、主人公はその物語の為に存在する。よって主人公が頑張れず、死んだり諦めたりしてしまったりした場合、物語が進まなくなってしまう。しかるに、主人公は途中で諦めるわけにはいかず、並大抵のことでは死ぬことがあってはならないのが主な原則である。もちろん例外もあるのだが。
故に主人公に物語を進行してもらうために、主人公に対して不利な現象が起こらず、また主人公に有利なことが起こりやすくなってしまう。これを主人公の特典であると考えたものが「主人公補正」である。
なお、バトル作品の場合、多くは「運」を絡めた展開に対して主人公補正という語が使われる。自力で困難を克服したり、敵を倒したりした場合、それは自然の成り行きであると言える。
主人公補正の例。
イケメン。主人公はイケメンであることが多い。
特殊能力の特異性。異能力バトル物でキャラクター事に何らかの特殊能力が付与されるような場合、主人公は、世界設定的に特異で異質な能力を与えられる場合が多い。そして、それをうまく利用することによって唯一の活路を開けることが多い。
これは物語の展開として主人公がラスボスにトドメを刺す所や、仲間との協力の果てに世界を救うなどが、読者や視聴者には受け入れられやすいからだと思われる。
死亡フラグ回避。文字通り、死亡フラグの回避。(死亡フラグに関してはそちらの記事を参照) 普通他のキャラクターが使えば数ページ後には死亡に直結するようなセリフや行動も、主人公にとっては生存フラグになる。 「ここは俺に任せて先に~」や「この戦いが終わったら俺は~」などの如何にもなセリフも、主 人公にとっては物語を動かすための動機・原動力として扱われることが多く、危険なことが起こっても 何とかできてしまう場合が多い。
負けない。どんな逆境に立たされようが、勝率が限りなく0に近かろうが、主人公が負けることはほぼない。もちろん一度や二度ぐらいは敗北するシーンも描かれるだろうが、大抵は敗北を糧に成長させるための伏線であり、ここ一番の勝負では必ず勝利を収める。主人公の主人公たる所以でもある。
というのが今から1世紀も前までの主人公、つまりはヒーローと主人公補正が存在しなかった時代での見解、そして、これから始まる話は現実に主人公補正を使える主人公つまりはヒーロー達のお話。
第一話
【ヒーローなんて認めない】
なぁ、ヒーローって何だと思う?
今から1世紀ほど前、完全に平和とは言えない世界だったがその世界に危機が訪れた。
その危機とは一つの事ではなく今まで魔法も超能力も全てが空想でしかなかった世界に悪魔やモンスターやエイリアンなどがほぼ同時にこの世界に出現し、人々を襲い始めた。人類も未知なる脅威と現存するありとあらゆる戦力で立ち向かったが戦況は次第に悪くなり、世界は崩壊寸前に陥った。
そんな時、まるで世界の脅威が現れた事に呼応するように世界中に特殊な運命、能力、武器、その他にも色々な特徴をもった人物が現れ彼らは脅威と言う名の「悪」へ勇敢に立ち向かい、正義の味方、ヒーローとして50年にも及ぶ戦いを乗り越え悪を葬ることに成功する。
世界に訪れた平和に民衆は喜び、彼らを褒め称えた。
が、5年もすればどうだろう。本当の脅威の去った世界でヒーローは必要性を失われ始めた。確かに人々の中のも悪は存在するがそのほとんどが人の力によって解決する程度の悪でしかなく、むしろヒーローが関与すると被害が大きくなるケースが多発しヒーローの肩身は狭くなった、ただでさえ、世界の表舞台に立つ人間が力を持ち名声を得ていたヒーローである、そんな生活に耐えられなくなり世界を支配しようとその身を悪に落とす者も多く現れたのだ。
『世界がそんなに甘いわけが無かった』と世界に反逆を起こした元ヒーロ-達が口を揃えて言う言葉である。ヒーロー達の力は世界中の人々の思いや願いが実体化したものであり、世界に望まれない力はどんどんと弱体化し大半がそのヒーローの存在と一緒に消滅した。そして、悪になってしまったせいで他のヒーロー達から攻撃を受けてただ利用されるだけに終わると言う結果が出た。
そして、残ったヒーロー達は話し合い続けた挙句、とんでもない方法を持ってヒーローの尊厳を維持する方法を思いついたのだ。
―――悪が居ないのなら産み出してしまえばいい。
などと自作自演もいい所な意見が全員で可決されてしまい、悪が現れヒーローが悪を倒すのではなく、ヒーローが倒す為に悪が生み出される世界が動き始めたのだった。
ヒーロー達は以前倒した悪の力を本来ならヒーローになるはずだった人間やホームレスや囚人など幅広いジャンルの人間を次々と異形の怪物や悪意に支配された能力者。
ヒーローにとって都合のいい悪役や、悪役が生み出されたのだ。この事態を世界ではまだ誰も知らない、なぜならこの非道で冷酷で無情な現象を発生させているのは悪を倒してくれるヒーローなのだから。世界は少しずつだがヒーロー達によって腐敗し始めた。
☆★☆
大雨の日、私は泥にまみれながら両膝を泥まみれの地面について自分の傷と水に映った自分の姿を見て天に向かって雨か涙かもわからないほど大泣きしながら叫んだ。
「ねぇ……ヒーローってなんなのよぉ!!!!」
と言うのが私の今知ってるこの世の中の事情だ。
ヒーローなんて、信じるに値しない。それが今まで生きていて私が学んだ生きる為の術であり、私の同胞である「悪」の唯一にして絶対の決まりである。
私はヒーロー達によって人間から「脅威」に変貌させられた元「女子中学生」現「化け物」の正真正銘の人間の負の部分の体現者、「悪」の女だ。いや、もはや私は人で無いのだから、化け物の雌、言ったところか。
ふっ。自虐気味に笑うと私の背後からウザい奴が駆け寄ってきた。
「ゼェ……ハァ、柊さぁん……置いてかない出くださーい! ゼェ……ゼェ……!」
などとのたまいながら私の後ろまで駆け寄ってきた。この無駄に背の高い男。
(背の低い私への当てつけか?)
そうコイツが私の横に並ぶたびに思う悪態を心の中でついた。こいつは当初私が嫌味を言うだけで泣きそうになる奴だったのに……今は嫌味程度ではびくともしなくなったムカつく奴で。馬鹿だ。
馬鹿でお馬鹿で大馬鹿なヒョロヒョロの木偶の棒、頭髪は色素一つない真っ白な髪、肌の色も元々黄色人種の肌で、化け物にされてから褐色色になってしまった私に当てつけるかのようにシミ一つないツルツルスベスベの肌。その肌と髪を一切不自然に見せないほぼ完ぺきな知的なイケメンフェイスで、赤縁のオシャレな眼鏡をつけている。服装は白い手袋から始まり黒のスーツの上に白のコートを羽織り、白のスーツのズボンに真っ赤なネクタイを閉めた、似非紳士で私に付きまとうストーカー男。
そんなコイツが私達悪の的で私を化け物に変えたヒーローと同じ、大勢居るヒーローの一人なのだから。憎くて憎くてたまらないヒーローが目の前に居る。隙だらけの大馬鹿なこの男を私はヒーローとすら認めはしない。認める日は来ないだろうし。もし認めた場合は、丁重に私が始末するだけなので問題ない。
なぜなら。
「柊さん! ハニーって呼んでも良いですかぁ!?」
と下らない事を真昼間の歩行者天国の中央で言う恥知らずで白昼堂々と「悪」の化け物である私に絡んでくるこいつが。
軸足をしっかりと地面につけて一気に身体を回転させ、地面から少し煙が上がったところで、全体重を乗せた渾身の回し蹴りを、こめかみ・顎・鳩尾・急所。
このローテーションで5回ずつ蹴る私考案の対ヒーロー用・奥義「ローリングストライク」を全て受け、その場で本日6回目の気絶をして、歩行者天国のど真ん中で倒れているこの男。
「………私は絶対にヒーローなんて認めはしない」
私は足を地面に下ろし、さっさと目的の場所に向かおうと歩みを進めた。
厄介な奴は今度こそ、全力で手加減なしで仕留めた。遂に私は変態から解放されたのだ。
勿論そんな私の些細な願いも虚しく、爽やかな気分で商店街を闊歩していたら、
「柊さーん、僕の事を忘れてますよー」
背後から再び奴は現れた。それもボコボコにされたというのに爽やか笑顔で。
私は自分の顔が引きつっている事を自覚しながら走った。全速力でHEROを撒いて平和を取り戻すために。
途中でなんかおかしい気もするな?と首をかしげたが、今はそんなことを気にしてる暇じゃない。
「待ってくださーい!ハニー!待って…!ゼェ…ゼェ…」
「だからお前は一体なんなんだよ! てか、ハ二―って呼ぶんじゃない!」
ついでにもう一つだけ。
私はこの変態男、カイザ・ガブリエルをヒーローだなんて絶対に認めない!!
つづく
【キャラ紹介】
名前:小早川 柊
性別:女
年齢:15
悪or正:悪
ジャンルor種族:鬼人
クラス:プライドクラス
主人公補正or悪のスキル:【瞬間転移】
スキル内容:一分間に半径1キロ以内を20回まで瞬間移動できる。
容姿:身長は142センチ、頭の左右に鋭い白色の角が生えている褐色の肌で紫色の髪を腰まで伸ばしており、少し自己主張する胸と鋭いキレ目が特徴の少女。服装は帽子にカジュアルな服装を好むが今ではなるべく動きやすい服を選んでいる。悪意に支配されると角が大きくなる。
性格:凶暴かつ獰猛な人格を埋め込まれて居て自分の中の悪意に支配されると悪になるが普段は悪意に負けないように無理に強い自分を演じている。
武器:両腰に隠してある拳銃
十年後ver↓
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
名前:カイザ・ガブリエル
性別:男
年齢:19
悪or正:正?
ジャンルor種族:特殊能力持ち(スキルホルダー)
クラス:サードセクション
主人公補正or悪のスキル:【回避】
補正内容:あらゆる危機を結果的に回避したりする運命回避とありとあらゆる攻撃をその攻撃に最も相応しい回避行動や能力をオートで発揮する。ただし、体が勝手に動くためその反応に逆らうと一切動けなくなり回避は発動しない。
容姿:身長185 頭髪は色素一つない真っ白な髪でシミ一つない白い肌、その肌と髪を一切不自然に見せないほぼ完ぺきな知的イケメンなフェイスで、赤色の淵のお洒落なメガネをつけており服装は白い手袋から始まり黒のスーツの上に白のコートを羽織り、白のスーツのズボンに真っ赤なネクタイを閉めた姿。
性格:正義感と言う感情が欠けていて多少の変人な部分が無ければ親切で気の効く青年。
武装:なし。
以上です
感想などを頂けると非常に頑張れます!!
次回の投稿は未定ですが出来る限り早く仕上げます。
ではまた。