終わりの始まり
その晩、一つの城が焼け落ちた。
すべてを覆いつくし、飲み込むような真っ黒な闇の中でそこだけを照らすかのように燃え盛るのは青き炎。
どこまでも昇っていくかのようにごうごうと燃え盛る青き炎は止まるところを知らず一晩中燃え続けた。誰一人近づけず、己の無力を思い知らせるかのように。
だがしかし、炎は終わりを迎えた。
一人の『人間』の手によって。
空は雲ひとつない快晴だった。そう、青き炎に塗られたかのように。美しいほどに青いのに、どこか闇を感じさせる空は、ただ黙ってそれを見ていた。
そんな青空の下、『そこ』は消えた。そこには希望も絶望も、すべてを飲み込み何も残らない―深い虚無しか存在し得ない。空白がそこを満たし、穴の開いたバケツのように水が流れる。
城は燃え尽き、水は溢れた。
そのとき、歯車は動き始めた……。
短すぎるプロローグ……。
お初小説な亜瑠那と申します。まだまだ至らないところが多すぎる気がしなくもありませんが少しずつ改善していきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
誤字脱字、感想等々お待ちしております。
三月二十二日 内容を改定しました。
四月二日 内容を再改定しました。