基本情報
様々な多様な種族が住まうこの世界で、希少種の中の希少種の竜がいた。
竜は通常、高貴なる種族で傲慢で知能の低い人間や、戦うことしか考えていない魔族含め魔獣には出会うことのない種族である。
竜の中にもランクが存在しており、竜族を統べる竜神王、その下にあたる竜王、さらにその下にあたる賢竜など様々な竜がいる。
一番下のランクであるただの竜は到底、上のランクの竜に敵うはずもなく隅っこのほうで暮らしている。
極まれに下剋上をする竜も現れるが、滅多に打ち勝つことは無くボロボロに敗れそのまま人間や魔族が暮らす場所に逃げ、高級な食材、希少な素材として弱った竜を冒険者たちが狩るということが起きている。
竜の中にも人間、魔族同様変わり者はおり、この世に3体しか存在することができない竜神王に1体いた。
このことは竜族の中ではかなりの異端者として有名であり、常に竜族の常識からかけ離れた考えをしている竜であった。
彼、彼女、いや竜には正確には男女という概念はないのだが、呼びやすいように彼と断定しておくと、彼は竜という立場にもかかわらず、何かに縛られることが大嫌いなかなりの自由竜だった。
彼の行動についていける竜は居らず、そのせいもあって彼は常に孤独だった。
竜に感情というものは存在しないが、概念は理解することができる。
万能で最強な種族、というのが竜だ。
敵意を持ったそこら辺の竜が人間の街に飛んでいくと、竜から放たれる殺気と魔素により耐性のないものはそれだけで即死する。
そのため、生きている中で会うことは無いと思うがもし怒っている竜に遭遇してしまった場合、幸福と確定した死を味わうことができる。
竜は基本人間、魔族、その他の種族と共に生活することは無い種族だが、竜と同等の種族に人間に肩入れをする精霊や神、また魔族、魔獣に知恵を貸す悪魔や吸血鬼などがいる。
それぞれの種族が不安定な確率で均衡しているこの世界こそが、『リブレイト』である。