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神の如き雷

雷神五郎。

若かりし頃に魔物討伐で成果を上げていた

ワシの戦闘手法をモチーフとしてつけられた通り名。


雷は金属を通りやすい。

ワシは膨大な魔力を込めた金属の杭を敵に投げ、命中した瞬間に落雷を呼び敵を討ち滅ぼしていた。


特に雲が多い日には自然下で発生する雷も同時に落ちることがあり

天候には左右されるものの、その威力は二倍、三倍となることすらあった。


しかしその扱いは極めて難しい。

落雷を起こすほどの魔力量を込めることで、コンマ数秒後には雷は杭の下に落ちる。

つまりその短い時間で魔力を込めた杭を敵に打ち込む必要がある。


ワシは雷魔法の修練を重ねるうちに、雷というものには

波のように流れる性質があることに気づき、それを「電気」と呼んだ。

その電気というものは人間の身体にも流すことが出来る。


多量に流せば当然魔物同様、自らの肉体が焼け焦げて朽ち果てる。

だが微細な量を流すとどうだろう、体は自らが意思を持って動かすより

早く動かすことが出来るのだ。


例えるならば料理で加熱した鍋に誤って触れてしまった際に

人間は考えるより先に手を引っ込める。

その速度を持っていてワシは杭を投げつける技術を長年の修練によって

身につけたのである。


多くの者は、五大元素のうちどれか一つを強く継承する。

五大元素は一般的に地、水、火、風、雷……。

もちろん例外も存在するし、多重に継承することもあるし、何も継承しない者もおる。


正直雷はハズレ扱いだった。

下手に使えば命を落とす。

実際に初めての魔法を行使したときに雷の属性を持ってたが故に

そのまま命を落とす者は未だに少なくない。


ワシもそんな中、雷の遺伝性質を示すこの金色の髪が嫌いだった。

世間は無能力者を馬鹿にする者もおったが

雷の資質を持つものはそれ以上に馬鹿にされることがあった。


そんな者たちが能力を振るい喧嘩をする……。

怪我で済まない者達も居た。

そんな事が重なり、金髪はならず者たちを象徴するかのような色として軽蔑する者も多かった。




ワシもまた、軽蔑される人間の一人であった。

馬鹿にしてくる人間に「わからせる」ために能力の行使をすることに何らためらいもなかった。

ただそれで人を殺めるほど愚かでもなかった。

というよりは単に器用だったと言うだけの話じゃが。




そんなワシに転機が訪れたのはいつのことだったろうか。

時期は忘れたが、その時あった出来ことは忘れることはない。

魔物の活動が特に活発だった時期であった。

その頃国では魔物討伐の有志を募っていた。






……。

今でも苦い経験として思い出す。


選抜方式は至って単純、集まった者同士を戦わせて

より強いものの中で使えそうなやつが採用される。


当時はまだ杭打ちの技は身につけておらんかった。

最も使えたとしても対人戦でそんな技は使えない。

街のならず者だったワシは打撃とともに殴った方向とは別方向に

電撃を流すことでダメージを与えるとともに相手の情報に混乱を与える戦い方をしていた。

もちろん電撃は死なない程度に。である。


正直雑魚しか居なかった。

話にならんかった、ワシは圧倒的であり

こんな雑魚どもが日頃偉そうにしているのかと思うと反吐がでそうだった。


しかし最後の相手はスペシャルであった。

五大元素を行使するするその男はそもそもワシが奴に触れることさえ

叶うことはなかったのである。




……虹村晴道、ワシが認めた数少ない実力者だった。

もっとももあまりに規格外すぎて対戦相手としては反則みたいな存在だった。

五大元素全てを扱えるだけにとどまらず、やつの扱う魔法はすべてが桁外れだった。


魔法使いの名門中の名門虹村家の現当主。

この魔物にいつ全人類が食い尽くされてもおかしくないと思える時代に

ほとんどの貴族連中はだんまりを決め込み自らを安全圏に置こうという

そんなご時世にわざわざ死にに出てきた変人。


それがやつであった。


奴との戦いはワシの人生を大きく変えることになる。

今までくだらない人間をストレスのはけ口に行使していた無意味な魔法の使い方から

如何に効果的で全力を出せるかにワシの思考はシフトしていた。

それは魔物を倒すためではなく虹村晴道という規格外を倒すためである。


それほどに奴との戦いでワシのプライドはズタボロにされたのだ。

正直「本物」を舐めていた事は否めない。

他の魔法使いも所詮ワシの前ではどんなに偉そうにしていても

喧嘩に持ち込めばボコボコにしてやるぐらいの気持ちだったのだ。


実際問題、虹村晴道はどの魔物より遥かに強かった。

晴道が討伐に手間取った魔物といえばドラゴン程度しかいない。

流石にドラゴン相手となると晴道もほとんど撤退の一手となることが多かった。


ドラゴンにも様々な種類が存在するが

その殆どが高い魔力に対する抵抗力を持っていたからである。

魔法使いである晴道はドラゴンと対峙すると決まってすぐに撤退する。


淡白な男だった。

無駄なことはしない、興味もない、そういう感じだ。

あまりに突出しすぎた能力故に、限界を超えるというようなことに対しては

無関心なのかもしれぬ。少なくともワシの眼にはそう映っていた。




そんな男だがワシが修練の末、身につけた杭落雷の技術に関しては

珍しく驚いていたのは印象に残っている。

ヤツ自身は結局この技術ですら怪我一つ負うこともなかったのだが

肉体に直接打ち込むこの技術は対ドラゴンに対して数少ない有効な魔法攻撃だったのだ。


その時のやつといえば

「なるほど、物理攻撃に魔法を乗せればいいのか。俺も剣の一つでも勉強してみるかねぇ」

等と呑気なことを言っていたが、いざ実際振り回してみれば

奴は魔法の才能こそ絶対的だったが武器を振り回すと慣ればその才能は絶望的であったのだ。


そんな事実に対し彼はたった30分程度で武器の修練を諦めたのも印象的である。

それは絶対的な魔法に対する自信か、はたまた単純に諦めが早いのか。

掴みどころのない性格をしておったため、ワシにも何を考えていたのかわからなんだ。




ただ一つ確かなのは奴は掛け値なしの天才であったということだ。

ワシの技術を見た奴は研究室にこもる機会が増えた。

元々研究好きな男ではあったが、あからさまに増えたように感じた。


その結果生み出されたのが魔法障壁の設計図である。

まだ草案の段階であったがその思想は画期的なものであった。

ワシの杭落雷をみて思いついたなどと抜かしておったが

この発想はワシのチンケな魔法は子供だましかと思えるほどのものだった。


基本原理はそんなに難しいことではない。

魔法の源となる力を取り入れやすい材質を取り込み、そこにエネルギーを貯蓄し

自動でそれを一定量ずつ効率的に放出し続ける事で国全体を防壁で覆うという

ある意味シンプルなコンセプトだ。


言うは易く行うは難しとは正にこのことだ。

発想はまるで小学生が考えたかのような内容だが

やつの類まれなる魔法のセンスは様々な術式や魔法の応用により

定期的に不足しないように魔力供給を行えば

半永久的に動作する実現可能な仕組みを考案したのだ。





……構想から実現までに約五年ほどの年月を要した。

ワシも奴も、仲間たちも、それぞれが人類の宿願のため奔走した。

そんな完成目前のとき、奴はワシに話したいことがあると言った。


「この魔法障壁がうまく動作すれば、もう人類は魔物に怯えて過ごさなくても良くなるね」


奴にしてはやけに遠回しな言いぶりだった。


「いつものように要件から入らないんだな、食あたりでもしたか?」

「はは、たまには僕にだって感傷に浸ることぐらいあるよ」


相変わらず笑ってるのか怒ってるのかすらよくわからない顔でそんなこと言った。


「感傷に浸る? 何いってんだ、これからはめんどくせえ魔物との戦いもなくなるし

 毎日お気楽に暮らせるってもんじゃねぇか」

「そう。魔物との戦いはなくなる。まず手始めに僕らはお役御免ってことだ」


……。

たしかに俺達はお役御免だ。

しかしそれを悲しむのはきっと間違いだ。

今までだって何度も死ぬような思いすらしてきた。

そんな思いをしなくても良くなる世界がもうすぐくる。

それはきっと喜ばしい事だ。


……きっと? 俺は一体何を考えているのか。

自分でも考えていてよくわからなくなっていた。


「この魔法障壁のアイディアが思い浮かんだ時、僕の中にはこの先の未来

 そしてさらにその先の未来までが脳裏に浮かんだよ」

「ほー。お前は頭がいいからな、俺は馬鹿だからそこまで頭は回んねぇからよ

 教えてくれよ、その未来とやらをさ」


晴道は珍しくため息をついた。

ため息をつくのはとても珍しかった。


「まぁ失業した僕らは、これからは生活において魔法を活用する方法を模索していくだろうね」

「魔法を生活に活用ねぇ……今の俺にはさっぱりイメージがわかねぇけどな」

「そしてどんどん魔法は効率化されていき、最後には魔法がいらない時代が来るだろう……」

「魔法がいらない? そんな事可能なのかねぇ……」


はっきり言ってまるでイメージが沸かなかった。

つい昨日まで化け物対峙に明け暮れてたのが魔法がいらない?


しかし晴道の言うことはいつもほとんどその通りになってきた。

こいつがそういうならその通りになるのだろうとぼんやりと思っていた。


「魔法がいらなくなるなら結構なことなんじゃないか?

 誰しもが魔法を使えるわけでもないし、魔法が必要なくなったとしても

 別に誰かが困るわけじゃないだろ……」

「そう、誰も困らない、理想的な世界だよ……一生それが続くならね」

「……魔法障壁は永久的なものじゃないのか?!」

「一応半永久的なものではある。 適切に運用し、想定外の事が起きなければね……」


別に自分が馬鹿だと思っているわけではない。

ただ晴道と比べれば俺は愚者にも等しいだろう。


「一体何がいいたいんだ?」

「可能性の話ではある……もしこれが向こう百年続いたとする。

 障壁に何らかのトラブルが生じたとしよう……どうやって修復する?」


彼は珍しく暗い顔をした


「下手したらろくに魔法が使えない、技術も無い世界がそこにはあるかもしれない。

 そうしたら人々は魔法障壁がない世界でどうやって魔物たちに抗う?」

「そんな俺達が死んだあとのことなんてそいつらが考えればいいだろ……」

「自分が発明したものが人類史を終わらせるかもしれないんだ……

 気にしないではいられないよ……」


変なところで妙に頭が回りすぎるやつである。

そんな事は放っておけばいい。

だが彼の心配そうな顔を見て俺は『適当なこと』を言った。


「そんなに心配なら、故意に定期的にぶっ壊したらどうだ。

 そしたら継続的にみんな努力するんじゃねーの?」


そういうと暗そうな顔をしていた晴道は笑顔になっていった。


「ははは、君らしいめちゃくちゃ強引な意見だね

 ……でもそれはいいアイディアかもしれない」


そういうと彼は設計図にサササっと何かを書き込んだのをみた。


「……何を書いた?」

「俺達の三十年後の就職先を書いておいた」

「ハッ、何を言ってるのやら」


どうせろくなことではない。

こいつは頭が回りすぎるせいか、一般人からするとまるで意味のわからないことを

思いつきでやる悪い癖がある。

まぁ三十年も先のことじゃ果たして二人共覚えてるかどうかすら怪しいがな……。











なんて思いで過ごしてみればなんてことはない。

三十年なんてあっという間であった。

もし誤算があったとするならば当の本人はさっさと死んでしまったことぐらいか。


今にしてみるとなんとなくだが奴の考えたことが分かる。

恐らく故意に魔法障壁に何らかのトラブルが生じるような細工を加えたのだ。

ただどのような細工が加えられたかまではワシにもわからない。


ただ言えるのは奴の言う通り、ワシは実践の魔法ではなく

いつしか生活の為の魔道具を作るようになり、先生と言われるような人間になった。

まさしく奴の言う通りの時代だ。


ただ唯一違うとすれば、ワシは奴の「いたずら」に備えてきた。

備えてきたのだ……ただの一日も魔法の研鑽を怠ったことはない。

このかつて雷神と言われたワシは未だに魔物ごときに遅れを取るつもりはない。




また最近面白い出来事が一つ増えた。


ワシが密かに訓練している場所で

このご時世に至って魔法の訓練をしている馬鹿がもう一人追加されおった。


名前は確か緋山健一とかいうとったか……。

体の動かし方がまるでなってないが、魔法一辺倒の偏ったそのあり方は

まるでかつての「奴」を彷彿するようでもあり

魔法でしか自分を表現できず、燻っているその心の在りようは

かつてのワシにもダブって見えた。


平たく言うと昔を思い出すのだ。

残念なことに、三十年でこの世界は奴の言う通りの姿に成り果てた。

……実に平和な日々だ。ワシもたくさんのガラクタを作った。

そのガラクタは今の御時世にマッチしていたようで現在では非常に重宝されている。


雷の特性が生み出す電気は近代魔法工学と称され、極めて多岐にわたって利用されている。

今や明かりをつけるのも、車輪付きの乗り物を動かすのも、ありとあらゆる物に

雷の特性は利用されており、雷の特性はワシの時代とは大違いで極めて重要な元素となっている。




一方でワシの目の前で火の魔法を練習するこの小僧は

ワシが魔物と戦いに明け暮れてた時代こそ、明かりの代わりの松明や料理のための

火種から始まり、魔物との戦闘でも重宝された火の元素を扱うが、時代は変わった。

もはや松明などは使用されず、魔物との戦闘もない。最近では料理にすら火が使われない事が増えた。

一番のハズレ元素とまでいわれるようになった火だが、そんな火の魔法を

ただひたすら熱心に練習する姿はかつての自分にダブって見えた。


ただこの小僧には才能があった。

何故だかわからないがこいつは完全なる無から炎を呼び出せる。

完全なるイレギュラーである。

雷の場合はその特性上、空の雲から、あるいは地面のそこからエネルギーの源を引き出すことで

一見すると無から電撃を発生さているかのようにみせることは出来るが

ちゃんとトリックがあり、あくまでも有るものを増幅させているに過ぎない。

しかしこの小僧は全く火種がない場所に、無から有を生み出しているのだ。


これは非常に驚くべきことなのだが、如何せん火の魔法である。

出したところで使うところがないのが悔やまれる。


ワシは火の魔法を扱わないが故、的確なアドバイスも難しかった。

以前晴道のところの孫娘がたまたまでは有るがここを通りかかった事があった。

その時小僧に対して「何故無意味なことをしている」などと抜かしておったことに

ワシはがっかりしたものだ。


奴の孫娘ともなれば有意義な言葉の一つや二つでも出てくることを期待したのだが。

晴道は優秀ではあったが誰に対しても甘い性格をしておったからな。

ワシからしてみれば教育の失敗もいいところだ。

そもそも三十年後に何かが起こる思わせぶりをしておいて

自分はさっさとくたばってるあたりからして身勝手な男であることを思い出した。




まあそれはそれとして小僧である。

ワシはこの小僧のことを嫌いになれなかった。

なれるわけがない、まるでかつての自分自身が現代に転生してきたかのような存在なのだから。

小僧はひたすらに火の魔法の行使を丁寧に毎日のように練習しておる。


しかし虹村のところの娘ではないが実に惜しい事も事実ではある。

これだけの自在な炎を操れたとしても使う場所がないのである。




小僧は今日も独自で作り出してきた魔力強化の刻印が刻まれた指輪をはめて

訓練に励んでいた。

相変わらずの中々の広範囲に及ぶ魔法行使である。

とふと見ると指を握って慌てふためいておる。


仕方なくワシは予め用意しておいた水をいれておいたバケツに

小僧の手を突っ込んだのである。


熱心なのは結構だがあまり頭の回りが良いタイプじゃないのぉ。

冷たいなどと喚いているのでワシは一喝した。


「贅沢言うな、指と指輪を癒着させて呪の装備として一生はめておくつもりか?」




まぁそれは置いておくにしても凄まじい魔法力とでもいうのじゃろうか。

見回すあたりの全ての雑草が燃え尽き朽ち果てていた。


「やっぱり駄目だわ、流石に手の近くにずっと火元があるのは普通に熱すぎてしんどい」

「わしは最初から言ったはずだぞ、無理だろうと」


頭の悪さに呆れてワシは一旦近くの切り株に腰を落とす。

ふと考え、もし使うならと考えるならば……。


「どうしても大出力を維持したいならやはり杖じゃろうな」


とワシは答えた。

しかし小僧の顔は不満げである。

言いたいことはわかる。

杖というものは大層不便なものなのである。


杖というのは増幅器だ。

持てば力を強くすることが出来る。

あるいは変換器ともなる。

自らの特性を戦闘用に特化させることも出来る。


杖は膨大な力を与えてくれる。

その対価として杖という枷を持たなければならない。

その不自由さは現代においては特に大きい。


現代で帯刀するものが居ないように

杖をもそれは同様である。


ワシはワシなりに小僧のことを見てきた。

小僧は魔法に関しては……可も不可もなしといったところか。

厳密に言えば火の扱いに関しては目を見張る物があるのも事実だが

この平穏な世の中においてはまだまだ未熟だ。

まぁまだそれはいい。

その他は全て及第点以下だ。

特に体力の点がひどく、日常生活をまっとうすることだけで手一杯という程。


「お前は一体何になりたいのだ」

ワシは小僧を見極めるべく、問いを投げかけた。


「別に何かになりたいわけじゃない、ただこれしか……俺にはただこれしか無いだけです」


……実に頼りない。

そんなワシの想いが透けてしまったのか小僧は言った。


「俺はただ俺という人間が必死に生きてることを証明したいだけです!」


フフ、実に何も無い空っぽな人間らしい物言いだ。

ワシは無意識に小僧に近づき右手だけで首を絞めて持ち上げてやった。

おまけに屈辱感を与えるため、親指と人差指で両頬を潰すように握ってやった。


すると「やめてくれ」などとこの期に及んで同情を求めてくる。

ワシは怒りを覚え更に力を込めると小僧はようやく全力でわしの手を払い除けた。

流石に片手のみでは小僧の全力を止めることは叶わなかったが

あまりに非力な小僧である……。


「ガキが生意気なことをいいおって……いいか、必死に生きるということはそういうことだ」





……この小僧は「使い物」になるだろうか。

晴道と約束した三十年はもういつその「なにか」を引き起こしても

不思議ではない。


「生き長らえるためにはそうやって全力を出す。少なくともわしが行きていた時代はそうだった」


恐らくぬくぬくと三十年を迎えた者の中であえて戦いに身を投じる覚悟があるものは

決してそう多くはない。

かといって儂らの世代がどうこうするのでは意味がないことは

もう流石にわしの頭でも理解できた。

もう老い先短いワシらの世代がどうこうしても仕方ないのである。

若い世代が前に立つ必要がある。


……まぁもう贅沢は言えない。

使い物にならないならばほかを探すしか無いのだ。

どうせ使うなら「より使える」人材であるに越したことはない。




「お前の事情についてはわかっている。ならばお前は証明せねばならない」


ならば鍛えるしかあるまい。

まずは馬鹿でも構わん、戦いに関する知識を身に着けさせねばならない。

このぐらいの問に答えられないようでは連れて行っても犬死にだ。


「わかりました、何かしらの魔道具を運用したいとは考えてます。

 しかし実際問題として杖は杖で耐久面での問題がどうしても……」


……まぁ厳しいが及第点とするしかないか。

問題があることを理解してるだけでも良しとするしか無い。


「わかっておる、ついてこい」




ワシはこいつに一つ「おもちゃ」を与えてみようと思った。


ワシが魔物対峙に明け暮れていた頃、一人の火の魔法使いがおった。

中々優秀な男で、扱える魔力量も膨大なため、使える男だと思ってたのだが

こいつも中々の魔法馬鹿で、四六時中魔法のことを考えているような男だった。


そんな男が晴道と相談して完成した面白い「おもちゃ」がある。

厳密にはワシがおもちゃと言って馬鹿にしとったのだが

一応「兵器」としては折り紙付きの一品ではある。


火というのは性質上、素早く操作するのには向いていない。

というよりは着火物が必要なため、それを操作することが困難なのだ。

そのため火の魔法の使い手はどんなに膨大な魔力量を持っていても

「全力を出してはいけなかった」のだ。

何故ならそんなことをすれば自分たちまで着火物として燃やし尽くしてしまう。

そこで考え出した馬鹿げた杖が一本誕生した。


理屈は単純だ、あらゆるものの動きを杖の根本から先端に流れるようにしたのだ。

結果として巨大な体積を持つ魔物などに対しても自らを焼き尽くすこと無く

極めて広範囲を火の海に変える事を実現したのだが……。


当たり前だが1本目のおもちゃは仕様と同時に溶けてなくなった。

莫大な火の渦を放出し続けることで金属製であったにも関わらず

杖に着火し、激しく発火すると半ば爆発するかのように自壊した。


そんな男が晴道と改良を重ね続けてたどり着いた物がある。

小僧にもたせるおもちゃとしてはそんなものでも十分すぎるだろう。




ワシは黙って歩いていき、そして目的の場所に到着した。

懐かしい場所だ。

元々は兵士たちの休憩所を兼ねた備品倉庫であった。

ワシはさっさと進んでいくと、小僧は泥棒よけのトラップに引っかかっておった。


「あぁすまん、それにはちょっと防犯用の細工がしてあってな

 一応解除はしたが解除したてでまだ少し電気が残っておったか」


昔の者なら言わずとも気がつく程度のものなのだがな。

まぁ愚痴を言っても始まらない。ワシはある位置まで歩いていくと床を杖でつついた。


杖と言っても魔法行使用ではない。

ただの老人用の歩行補助用であり、何ら魔法の行使に役立つ代物ではない。

この老人用の杖はとてもいい。

本気で気に食わんやつを全力でぶっ叩いても砕けて力が分散するだけだから

人を殺す心配がない。


ロックが外れる音とともに扉が現れる。

ワシはそれをよっこらせともちあげるように開け

地下に続く通路へと歩き始めた。


小僧は恐る恐るといった感じでついてくる。

ワシはとある壁の出っ張りに魔力を込めると

部屋の奥まで続いている明かりが全て点灯した。


魔力に反応して魔力源を集積していた装置を発行させる仕組みは

飛躍的にワシらの文化の発展に寄与した。

しかしここに使用されているものはまだ性能が低いため

雷の資質があるものが「電気」を通さなければ反応しない。


ワシは昔のことを懐かしみつつも部屋を進んだ。


ロッカーには古い字でそれぞれ用途などに分けて漢字で何が入っているか書かれている。

流石に膨大な量のロッカーが並んでいる部屋なのでワシも一つずつ確認して探していく。


「我楽多」


ロッカーにはそう書かれていた。

厳密に言うとワシがそう書いた。

晴道は「中々面白いことを書くね」などと真顔で言ってたのが懐かしい。

ゴミと書かなかっただけマシだと当時は思っておったが……。


その扉を開けると、そこには例の試作品である杖が複数本並んでいた。

その中の一本をとるとワシは雑に小僧に投げた。


「わしが若い頃、お主と同じ炎使いの者がおってな。そのものが愛用していた」


結局この「おもちゃ」は現在に至っても完成には到達していない。


小僧は杖を触り、その異質な杖を「理解」しようと努めていた。


「それをやる。 お前と同じようにそいつは炎を自在に操ってた。

 もし使いこなせなかったら返せよ」

「わかりました、使いこなせるように練習してみます」

「ふん……まぁせいぜい頑張れ」


希望は一パーセントでも高いに越したことはない。

ワシはもう要は済んだとその場をあとにした。

今日は小僧に長く付き合いすぎた。




ワシにはここ数年で欠かさず行っていることがある。

魔法障壁の見回りである。

当然膨大な範囲であるため、一度にみて回れる範囲は限られている。

ただここ数ヶ月で恐らく晴道が細工したと思われる場所はあたりが付いた。

それはいつも小僧が魔法の修練を行っている広場から近い場所の装置である。


問題はワシが晴道ほどの天才ではないということだ。

何が起こるのか、何をキッカケにするのかが読み解けなかった。

そもそもなにかが起こるというのはあくまでもワシの想像でしか無いのかもしれない。

晴道とは長い付き合いじゃったが本当に何を考えてるのか理解できない事が多い奴だった。


ただ下手なことをして魔法障壁を全崩壊させでもしたら

我々の日常は一瞬にして地獄と化してしまう恐れもあった。

故にワシは手探りで大きな刺激を与えずに慎重に。地道に。調べ続けるしかなかったのだ。



そんな調査に来た所に後を追うように小僧が広場にやってきた。

どうやら手に入れた杖の試し打ちを行うらしい。





……三十年ぶりにみるその業火は辺り一帯を火の海に変えてみせた。

しかも燃やす対象なしに行ったこの業。

正に神業に等しい行為である。


炎はしばらく辺り一帯を『焼き尽くし』、そして止まった。

燃えるものがないのにもかかわらず。


原理はわからない、だが小僧は満足気にしてその場を離れていった。

一体どういう原理なのか気になったワシは辺り一帯を見て回ることとした。


……わからない。ただ仮説ではあるが、奴は無を焼いている。

だから何もない場所にアレだけの炎を放出できる、そう考えなければ成り立たない話なのである。

考えにふけりつつも周囲の様子を観察していると不思議な物体を燃え尽きた雑草の下に見つけた。

それを見るに何やら金属の物体があり、何らかの刻印が施されていた。

もしやと思い、ワシはその金属の周りの土を掘り起こそうとしたのだが

手で掘り出そうとしても、杖でつついても、杭でえぐろうとしても弾かれてしまった。


直感的に思った。恐らくこれが晴道の残したなにかに関わっている。

ワシはこの金属に全魔力を込めて流し込んでみた。


どぉぉぉぉぉぅん。


地響きとともに距離の離れた場所で何かが崩壊したような音がした。


……音から推察してなにか巨大なものが破壊されたと考えるのが妥当だった。

ただ辺り一帯を大地震が発生させるほどのものでもなかったことを考えると

魔法障壁全てが破壊されたわけではないはずだ。


ワシは直ちにすべての魔法障壁を確認して回ることとなった。






ーー今朝の一番のニュースです。昨日巨大な魔法反応と共に魔法障壁の一部部分が

損壊する事件が発生しました。国はこの自体を受け……





来たるべき時が来た、ワシはそう思った。

当たり前だが、この事はあくまでも自然発生扱いとして処理した。

ワシと晴道の企てた謀だと世間に悟られてはならない。

それでいて、この国難を自らの力で乗り越えてもらわなければならない。


とはいえ当然と言えば当然だが、ワシもこの事態の収集に呼び出されていた。

ただワシが今いる場所は最前線ではなく会議室であった。


議題は魔法障壁の破損対策……ではなく原因究明であった。


当たり前だがワシが壊したなどとは言えるわけもない。

しかしあの晴道の仕業である、そう簡単に分かるものでもないという

根拠のない信頼感はあった。


当然原因がわからない彼らはその責任の転嫁に終止し始めた。

一応破損した魔法障壁の周辺には緊急措置として衛兵たちが防御を固めているが

凶悪な魔物が出現した場合、現状はまったく守りとして機能していないと言ってもいいすぎではない。


今日はワシも戦支度をしてきた。普段着ではなく戦闘用の出で立ちだ。

通り名の通りワシの武装は杭である。

投げて使う事を前提としているため三十本は服に仕込んである。


しかしここに揃ってる連中は揃いも揃って平時の服である。

危機管理の欠如は明白であった。

もうここにいても得るものはない。

そう理解したワシは勝手に部屋を退出した。


部屋を出た時に陰口を叩くものも居た。

まぁ言いたいものには言わせておけば良い。

取るに足らない者たちの言う事はワシにとって意味はない。





くだらない会議に時間を取られた結果ワシは現地に到着するころには

すっかり日も落ちてきてしまっていた。

ワシはワシを車で送ってくれたものに礼を言い、現地の様子を見るとそこには

昔見た懐かしの髪色をした男がそこにはいた。


「……晴道?」


そう言われて振り返った男は若い頃の晴道によく似た男だった。

その男はワシに気がつくとワシの所に歩いてきて頭を下げて挨拶をした。


「父よりお話はよく伺っておりました。 私は虹村幸村、虹村晴道の息子に当たります」


息子……通りでその髪色である。

幸村と名乗ったこの男は若かりし頃の晴道を彷彿としたが雰囲気は些か冷たい感覚がある。


「東先生、誠に申し訳ないのですが、一つお願いがございます」


一見すると淡々とした様子で幸村と名乗った男は言う。


「うちの愚女が学友を誑かし、魔法障壁の外側に出ていってしまったのです。

 警備の隙をついて出ていったようでどこにいったか検討もつきません」


そういうと再び頭を下げワシに言った。


「なんのご助力も出来ないのですが、他に頼れる方もいないのです

 どうか見つけ出して連れ戻していただけないでしょうか?」


……この男は何故自分の娘を自ら助けに行こうとしないのか?

一目見れば分かる。この男は実践でも戦えるだけの能力がある。

ワシははっきりといった。


「何故自ら助けに行こうとしない! 愛娘は可愛くないのか?!」

「……」


ワシは威圧するようにあえて発言したが幸村という男、全く動じた様子もない。

相変わらず表情のよく読めない一族だと感じたが、どうやら少し考えた後のワシへの回答は


「私より貴方が行ったほうが作戦の成功率が高いからです」


とだけ答えた。

たしかにそれは事実だろう、その程度にはワシも自負がある。

しかし普通は娘が魔物の住処で行方不明となれば取り乱すなりするものだろう。

だがこの男はどこまでも涼し気な、冷徹と言っていいほどまでに感情を見せない。


まぁいい、動く気がないものを動かす時間も労力も惜しい。

ワシはこれ以上この男と話すことはないと判断し、魔法障壁の外側へと走り出した。





……さてどのように探すのが良いか。

いちばん簡単なのは足跡がアレばそれをたどることだったがもう日もくれており

足跡らしい痕跡もない。


ワシはとにかくまっすぐ突っ込んでいくことにした。

現場での鉄則は即断即決であり、そして最悪の事態を想定することである。

動かないことは悪手であり、より深く、まっすぐ進むほど危険性が高い。

つまりその方向に向かっているという最悪のシナリオを想定して走った。


そうして数分走ったところでワシは咄嗟に身を隠した。

……状況は切迫していた。

ワシは咄嗟に杭を抜き取り構えていたが、そこで思いとどまった。

状況を確認する。

大蛇が一匹……いやまだ奥にもう一匹、計二匹いるが一匹は気がついていないようだ。

一方対峙しているのはあの小僧である。そして虹村家の娘っ子であろう目立つ髪色の女と

小僧とは別の金髪のガキが一人……負傷している、早急な手当が必要な状況。


しかし小僧はここで戦う意志を見せておる。

ここでワシが大蛇を倒してしまうのは造作もないことだ。

だがそれでは駄目だ、見極める必要がある。

ワシはいつでも追撃できるよう、杭を構えて様子を見守った。


「くらいやがれっ!」


そう小僧が言うと、奴の持つ杖からは爆炎の如き火炎が吹き出し、

巨大な大蛇そのものが火炎に包まれたのだ。


……やはり異常である。

当然だが蛇を含め、生物というのは水を含んでいるため、発火しないわけではないが

発火しにくいのが事実だ。相当の手練れであっても一度にこれほどのサイズの生物を

火だるまにするなどという芸当はできないのである。


無から火を発生させられる小僧と杖との相性は抜群であったようだ。

杖に振り回されるだけではなく、自らの意思で炎の出る方向性に調整を加え

味方にまで火の被害が出るのを防いでいる。


しかしどんなに火の奔流が強かろうと物理的な力が強く働かないのが火の特性。

大蛇は小僧に襲いかかろうとした所に青白い光を発した光の矢のような短槍が

大蛇を貫き、大蛇は大きく立ち上がろうとするがそこで力尽きて地響きを立てて倒れた。


……ワシはこの小童共に未来の姿を見たのだ。


小僧たちは負傷している金髪のガキをどうするか相談している。

経験の浅さが露呈している瞬間である。

敵は最も油断しているときこそやってくるものである。


そうしてしばらくした後、虹村の娘が素早く飛び出していった。

一旦別れて助けを呼びに行こうということになったらしい。


その行動が裏目に出たとも知らずに。

全速力での移動は残りの一匹の注意を引いて

ものの見事に新たに小僧に狙いを定めつつあった。


小僧もこの時点になってようやく狙われている事を自覚した。

奴も「理解」しているはずだ、自分の魔法ではダメージを与えられても

敵を止める力はないということを。


それでもなお小僧は杖を大蛇に向けた。

ワシは杭を握る手に力がはいりすぎているのを自覚し、深呼吸をしてリラックスする。


……まだだ、ここですぐにワシが助けたら、小僧は自信を無くしてしまうだろう。

だがタイミングを見誤ってはいけない。

一秒たりとも遅れれば下手すれば小僧は即死だ。


小僧は日々の訓練を諦めなかったように、最後の火の奔流を放った。

目を見れば分かる、まだ諦めていない者の眼であった。


あまりにも強烈な火の奔流。

先程よりもさらに威力が強い、恐らく魔力切れすらも考慮に入れていない最後の一撃。

まるで遠くにいる自身の肌すら焼けるのではないかと恐怖すら抱くほどの強烈な熱の上昇を感じる。

しかし、大蛇はそれでも仕留めきれず暴れ狂っていた。


大蛇も必死である、このまま倒せるかとも思ったのだが大蛇は大きく振りかぶるように暴れると

そのまま小僧に向かって突進を始めた!






十分だった。

ワシは指に電気を流し込み瞬間的に大蛇に杭を数本、頭に叩き込んでやると

天から雷が打ち込んだ数だけ大蛇に直撃し、まるで爆撃音かのような轟音を立てて

大蛇は燃えカスとなった。









ワシは小僧とガキ、二人を抱えて障壁の穴の内側へと戻っていった。

ワシも年老いた、魔力を行使して魔道具を使用してるとはいえ2人も担いで走るのは骨が折れた。






後日、ワシは小僧たちが入院しているという病院に向かった。

色々な想いがワシの中にはあった。

小僧は今後の未来を担う力と精神性を両方備えてると感じた。

これは収穫であるが一方でもう一人のガキ……黒田勘助という名だったか。

結構な大怪我を負っており、命に別状はないもののワシは責任感を感じずには居られなかった。


晴道よ……お前が生きていたらなんて言っておったのだろうか。


そんな事を考えつつも病院に向かったのである。




病室に入ると黒田勘助というガキのほうが元気そうで

小僧のほうがしょぼくれておった。


実質二体の大蛇を倒したようなものなのにこの落胆……。

人間は簡単に劣等感を克服できない。

それはワシ自身も若い頃に持っていたものであり、簡単に払拭できるものではないと

わかってはいた。


「命拾いしたな、少しはその杖も役に立って何よりだ」


ワシは自問自答しながら小僧に声をかけた。


「俺はなんもしてないですよ……」

「人にはそれぞれ役割がある」


ワシは何を小僧に言ってやれるだろうか……。

ワシもそういう事を考えるのは得意ではない。


「世の中には何者にもなれずに生涯を終えるものもいる。

 ……その杖の持ち主も何者かになりたくてあがいて、何も成し遂げられずに死んでったわ」


年老いたワシが言えるのは無念という名の事実だけだった。

その杖の持ち主は楽しげに晴道と杖の研究をし、最後の杖を作った

その日に魔物の大群に襲われてこの世を去った。


「それをお前が意味を与えた。お前を生かしたという意味をな。

 その点に関してワシはお前に感謝する」


戦うことと魔法を役に立てること、そんな事ばかり考えて無駄に年を取った。

ワシは未来ある若者に大層立派な話をしてやることすら出来ないのかと

久しぶりに己の無能さを痛感した。


こんな言葉はただのワシの自己満足でしかなかった。


「爺さんこの杖……」


そんな自分のことばかり考えていたワシがみた小僧の顔は

相変わらず頼りなさげではあったものの

物欲しげに杖を眺めている表情であった。


「お前にやると言った。 その判断は間違ってなかったと思いたい」


そういうとワシは勝手に病室を飛び出していた。


……。

「そもそもワシは教育者じゃないわい」

と口には出してみたものの、彼らがこれからの未来のために

成長する姿を見届けるもまた義務であることは理解していた。


ワシはワシの仕事をしなければならない。

それが残されたものとしての義務である。

自室に籠もるとワシは今後の魔法障壁問題についてと第する

資料作成に没頭するのであった。

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