第1話 王国からの訪問者
初めまして、金狐銀狼です。
狐狼は小説執筆初心者なので、いろいろグダグダかもですが、よろしくお願いします。
薄く開いた瞼の間から見えたのは
風に揺れる葉と
青い空と
鈍く光る銀の___
「……………ッ!!!」
伸ばした手が虚しく宙を掴む。
「…………夢、か……」
さっきまで見ていたはずの夢の内容は、もう思い出せないほど朧げになっていた。
それでも消えない嫌な余韻を頭を振って振り払いながら、ベッドから下りる。寝間着にしている白のダボッとした長袖のシャツと同じくダボッとした黒のスウェットから、普段の装いに着替える。
胸にさらしを巻き、ショートパンツを履き、丈の短いジャケットを羽織った。
ネックレスなどアクセサリを身に着けていると、ふと、鏡に写った自分の姿が目に留まった。
腰まで伸びた蒼銀の少し癖のある緩くウェーブした髪。頭には髪より薄い色をした獣の耳。耳と同色の尻尾はふさふさとしている。瞳の色は薄い青色。
……相変わらず、前世とは凄い差だ、と苦笑する。
前世は典型的な黒髪黒目の日本人であり、そこまで美人だった、というわけではなかった。今生は、種族と両親に恵まれた。
もともと、『亜人』には容姿がいい者が多い。私の両親も例に漏れず、美形だった。それを引き継いだため、多少は私も容姿が良いのだろう。
今世の私は、狼獣人の父と兎獣人の母の間に生まれた。それ以外にも色々な血が混ざっているらしく、私の耳と尻尾はどちらか言うとと父に似ているものの、狼のそれよりも大きくふわふわしている。例えるならば魔狼狐の耳と尻尾のようだ。
はぁ、と息を吐きながなら、窓の外へ目を向けた。
時刻は丁度日の出前。東の空が綺麗なグラデーションで彩られている。町では、ちらほらと住民たちが活動を始めていた。
獣耳、尻尾、角、鱗。多種多様な特徴をもつ者たちが活き活きと、自分の好きな仕事をして生きていた。
∮
私の住居でもある、館から出ると、16歳ほどのふたりの獣人が待っていた。
ひとりは少女。肩出しのシャツにキュロットスカート、革のショートブーツ。耳には大きめのシルバーのリングピアスが光っている。
もうひとりは少年。薄手のシャツとズボン、革のブーツ。こちらも耳にピアスが光っている。
「おはよう、スカイ」
「はよー」
「おはよう、ハイゾラ、ソウガ」
ふたりは狼の獣人であり、双子だ。女がハイゾラ、男がソウガ。私が名付けた。
「どうした? 普段ここで待ったりしていないだろう」
「そうなんだけど……」
モゴモゴと口籠るハイゾラ。代わりにソウガが理由を話した。
「ちょっと森の様子が変だって、動物たちが騒いでたんだよ」
「……動物たちが?」
「ああ。……気の所為ならいいんだけどな。心配だから一応見てくる。なんかあったら連絡する」
「……分かった。いってらっしゃい」
「……ああ」
若干顔を顰めたソウガは、心配そうなハイゾラとふたりで町の外へ走っていった。
完全に日は上り、大人だけでなく、子供たちも起き、パタパタと家の前を走り回っている。そのうちのひとりが私に気付くと、ぱっと笑顔を見せ、こちらへ走り寄ってきた。
「あ! スカイさま!! おはようございます!」
その少年の声で、追いかけっこに夢中になっていた他の子供たちも走り寄ってきた。私の前に並び、ニコニコと満面の笑みを浮かべる子どもたちを見ていると、何となく安心する。
「スカイさま、おはようございます」
「おはよう。元気?」
挨拶を返し、しゃがんで目線をあわせた。
と、その瞬間
「スカイ。ちょっといいか?」
念話が届いた。と同時に、異変を察知した。
……すっごい嫌な予感しかしない。
『……何だ。どうした?』
『……町の近く、森の中に子供が倒れてる』
……………はっ?
読んでくださってありがとうございます。
誤字脱字等がありましたら、ご指摘いただけると直しますので、宜しくお願い致します。




