表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異端の獣〜守りたいものがあった〜  作者: 金狐銀狼
王国からの訪問者
10/20

第8話 視線

「ソウガ、ハイゾラ」

「あ、スカイ! ……大丈夫……?」


 皆に追いつき、声を掛けると、ハイゾラに心配そうな顔をされた。……そんなに酷い表情(かお)をしていただろうか?


「平気だ。そっちの状況は?」

「全員いるけど……酷い状態よ。劣悪な環境のせいで衰弱しきってしまっているわ」

「それに、()()()のニオイがする。そのせいで、意識が半分以上ない奴もいるぜ」


 ふたりはふっと表情を曇らせ、下を向いた。

 奥に目をやれば、狼たちが檻を壊し、吸血鬼(ヴァンパイア)たちを出し終えたところだった。


「スカイ様、ハイゾラ様、ソウガ様、全員の救出が完了しました! いつでも脱出可能です!」


 代表して報告してくれた狼の背をねぎらいの意味を込めて撫でた。

 そのまま、次の指示を出した。



 ソウガやハイゾラ、吸血鬼(ヴァンパイア)の少年が何と説明したかはわからないが、皆素直に従ってくれた。

 有り難い。暴れられると、脱出が遅れる可能性があるからな。


 比較的元気な者と、弱っている者。ふたり一組で一匹の狼たちの背に乗ってもらい、万が一のことがないよう、しっかり固定する。そして


「総員、衝撃に注意しろ」


 バゴンッと蹴りで壁を砕いた。その先にあったのは、薄暗い通路。


「え、こんなとこに通路あったの?」

「風が微かに吹いていた。恐らく、非常時用の脱出口だろう」


 先導して通路を駆けながら、ソウガ、ハイゾラと話す。


 程なくして出口に辿り着いた。


「ここ、裏路地か?」

「そうみたいね。行きと同じように、屋根の上を伝って帰りましょう」


 軽やかに屋根上へと登ったふたりに続き、狼たちも振動を出さないよう静かに登った。

 最後に私も登るが……


「?」


 何やら視線を感じた。視線を向けている奴を探して見回すと、案外簡単に見つかった。


 ここから少し離れた、人通りの多い道の端。そこに居たのは、フードで顔を隠した人物。

 顔ははっきりとはわからないが、緑の目が暗い中、煌めいていた。


「スカイ?」

「……ああ、今行く」


 もう一度先程の場所へ目をやるも、その人物はもう居なかった。

 

「どうかした?」

「……いや、ちょっと気になることがあってな」


 首を振って疑念を振り払う。今は目の前のことに集中しなければ。


 先頭に出て、王都の外を目指し、屋根の上を滑るように駆ける。王都を囲っている壁は空中に足場を作り、跳び越えた。


 そのまま、私たちは夜の闇へ紛れた。

 読んでくださりありがとうございました。

 出来ましたら、評価やいいね、感想などをいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ