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信仰ピエロは今日も楽しむ  作者: 晩冬の小石
第一章 冒険の始まり
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#91 湖の町! その3

いつも読んでくださり感謝です!

いいね、評価、ブクマありがとうございます!

人だかりに近づいてみると剣聖物語劇って看板が見えた。

劇をやってるんだ。それにしてはザワザワしてるような…?ここからじゃ見えそうにないね


「劇らしいんだけど観てく?」

「インに任せるわよー」

「んじゃ観たい!」


観覧決定!でも僕らの身長じゃ、ここから見えないし…どうしようかな?……あ、空中散歩で足場作れば…いや目立つ上にMP消費がやばそう。でも折角だし観たいよね……


「あのあの!ちょっとよろしいですか!」


いっそのこと最前列の人に譲ってもらう?それは申し訳ないし…


「ピエロさん!お話を聞いて頂いても宜しいでしょうか!?」

「話しかけられてるわよー」

「考え事?」

「……え?あ、ごめんね?何だった?」


どうやって観るのか考えるのに没頭しちゃったよ。話しかけて来たのは赤いキャップがトレードマークの女の子だった。


「いえいえ!えーと私はこの劇団の雑用係をしてるんですけど……」


話を聞くと、どうやら今日の劇の主役の人が遅れていて劇が始められないようだ。もう少しで到着するからそれまで客を待たすのは申し訳ない。という事で前座をしてくれる人が居ないか探しに行こうとした時に、僕を見つけて声をかけたとの事


「という訳でして…お願い出来ませんか?」

「うん、僕で良ければ」

「ちょっと大丈夫なの!?」

「何かやるの?楽しみだね!」


二つ返事で了承すると、スズが小声で聞いてきたからサムズアップで返しておく。まぁ、何とかなるかなぁ


「本当ですか!?ありがとうございます!あぁ、助かったぁ」

「その代わり…この2人に劇を見せてあげたいんだけど…」

「劇団の関係者が陣取ってる場所があるので、そこで観れるように手配しておきます!」


よし、交渉成立だ。さーて、準備しようかな。準備って言ってもグリムに計画を小声で伝えるだけなんだけどね


◆◆◆


「公演をお待ちの皆様、大変お待たせして申し訳ありません。まもなく始まりますのでもう暫くお待ち下さい。お待ち頂く間、前座のショーをお楽しみ下さいませ」


アナウンスが終わり幕が上がると舞台の上には1人のピエロが立っていた。ピエロはボウ・アンド・スクレープをすると腰さしていたステッキを抜きクルクルと回して見せる


「ぴえろさんだー!」

「すごーい!」


子供達が拍手して喜ぶと周りの大人達からもまばらに


一通りステッキ遊びが終わると今度は左の掌にステッキを立てて右手をそーっと離す。立たせたステッキを倒さないように右へ左へと大袈裟に動いて見せると歓声とともに拍手が起こる


「おお!良いぞー!」

「ぴえろがんばえー!」

「倒すなよー!」


暫く続けて動きを止めると、やっと安定したかと言わんばかりに溜め息をしてから両腕をあげて伸びをする。ステッキはそのままの位置で浮いている


「えっ!??」

「どーなってるの!?」


大人達は恐らく魔法だなと思いながらも、子供達に合わせて驚いてみせる。ある程度離れるとピエロは手にステッキかまない事に気づいて周りを見渡して探す。先程の位置に浮いているステッキを見つけて思わず二度見をして大袈裟に驚く


「あははは!」

「わすれんぼうさんだね!」


ピエロは慌てて戻ってステッキに手を伸ばして掴もうとすると、ヒョイっとステッキは掻い潜って離れてしまう。ピエロは首を傾げてからもう一度掴もうとするが掴めない。何度やっても伸ばした手は空を切る


「にげた!?」

「なんで!?」

「ぜんせんつかめないね!」


掴めないピエロは地団駄を踏んで悔しがってから肩を落としてしまう。それからステッキの方を、伺うようにチラチラと首を動かしてタイミングを見計らう。大きく頷いてから勢いよく両手で掴もうと飛び込むが……掴めない。ステッキは斜め上に逃げてしまっている


「おしい!」

「がんばってー!」


斜め上にあるステッキを掴むために、ピエロは軽く跳躍して手を伸ばす。それを嘲笑うようにステッキは小刻みに揺れながらさらに斜め上に投げる。負けじとピエロも追いかけるように空中をまるで階段があるかのように登って手を伸ばす


「えぇ!?」

「かいだんをのぼってるの!?」

「え、でもみえないよ…?」


ある程度の高さまで逃げると、肩で息をするように上下に動きながらその場に止まる。それを見逃さずにピエロは跳躍して遂にステッキをキャッチする……がピエロはキョロキョロと周りを見てから自分が落ちる事に気づき、ジタバタしながら落下していく


「あぶない!」

「ぴえろさん!?」

「たいへん!おちちゃったよ!?」


落下するのと同時に舞台の幕が閉じて落下音だけが響き渡り観客がどよめく。暫くして幕が開くとステッキを杖代わりにしたピエロが姿を見せた。それと同時に歓声が上がり、それに応えるようにピエロはステッキを見せびらかすように頭上に持ち上げた


「ぴえろさーん!すごーい!」

「つかまえれたね!」

「ぶじでよかった!」


持ち上げていたステッキを腰にさすと、観客に向け手を振った。そして最後にボウ・アンド・スクレープをすると同時に幕も閉じていった

イッツショータイム!


もしよければ、いいね、評価、ブクマして頂けると嬉しいです!作者が超喜びます!

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