#21 宿を探してたはずが…
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えー只今僕はPKと戦闘をしております。
PKとはプレイヤーをキルする人達の事だね。ネームプレートが赤くなる事からレッドネームとも呼ばれる事もある。それで何で戦闘禁止エリアの街中で戦闘してるかっていうとエンルドの大きな街には裏街と言われる所があって、基本的に街に入れないPKが唯一入れる区画となってる。勿論一般プレイヤーも入る事は可能だよ。そんな裏街は戦闘可能エリアでPKの巣窟になってるんだけど、裏街にあるショップには掘り出し物が結構あるみたいで危険を冒してでも足を運ぶプレイヤーは少なく無いみたい。
「戦闘中に考え事たぁ余裕じゃねぇかァ」
「おっと、それほど、でも、無い、ですよっ!」
剣の斬撃を避ける、もうかれこれ15分くらい避け続けてる。もう疲れたよ…。全然話聞いてくれないんだもん。それでどうしてこうなったかと言うと
〜遡る事30分前〜
僕たちは門から少し進んで大通りが見える路地に居る
「大通りは人混みが凄いねぇ」
「移動が大変そうだね!」
「そうねぇ…あ、私達が従魔石の中に入れば上から行けるんじゃないかしら?」
「上から?」
スズはそう言うと上を指す。あーなるほど僕なら登れるか。
腰から下げている従魔石を触ってみるとウィンドウが出てきた。これで良いのかな?インとスズを選択っと。
すると2人が光だした。
「じゃあ、よろしくね?期待してるわよー」
「楽しみにしてるね!」
「うん、任せてよ」
2人はそのまま従魔石に吸い込まれて行った。お、ほんのり赤くなったね。使用中の従魔石は色がかわるみたいだ。
「じゃあ素敵な宿をを探しに行きますか」
軽くストレッチをして跳躍するとあっと言う間に屋根上だ。
低い建物で良かった…結構ギリギリだったね。
「あ、そうだ折角だしパルクールの真似事でもしてみようかな」
以前動画で見たパルクールを思い出しながら走り出す。お?意外と面白いかも?
「よっ、ほっ、おっと煙突!」
超軽技と猫足のおかげで音がほとんど鳴らないから建物の住人から騒音で通報される心配もない…よね?
そのまま自由気ままに移動を続ける。
何これ!?めちゃくちゃ楽しい!
「あはははっ …うわっと!?」
夢中になり過ぎて急に建物の感覚が広がったのに気づけなかった。って落ちる!?
「わわっ……!?…すみません!退いて下さい!」
「…あァ?」
こっちに気づいてくれたみたいだけど、えっ!?避けてくれないの!?すごく睨みつけてくる!?あ、当たる!?なんとかなれー!ギリギリの所で体を捩って着地する。な、なんとかなった…。
「上空からの不意打ちたぁ、粋な事してくれるじゃねェの」
「え、不意打ち!?」
なんか不意打ちした事になってる!?誤解を解かなきゃ!
って斬りかかってきた!?
「問答無用だァ!」
「ここって戦闘禁止エリアじゃ…?」
「ここは裏街、戦闘可能エリアだろうが。てめぇから仕掛けておいて知りませんでしたじゃ通用しねェぞ!」
剣の斬撃を避けて、一旦距離を置く。さっきは暗くてあまり姿が見えなかったけど、ん?なんか見覚えがあるような?
長い黒髪を後ろで纏めてて、三白眼の鋭い目つき、あの喋り方、極め付けは名前。もしかしなくても知り合いかも?
「あの!もしかs……」
「うるせェ!」
えぇ……全然聞いてくれないじゃん!もしかして相当イラついてる?
「だから!僕は!レt…おっと!」
「ごちゃごちゃ言ってねェで、かかって来いやァ!」
ダメだ……気が済むまで避けるしか無いかなぁ。
それから数分避け続けて…冒頭に戻る。
という事で避け続けてるんだけど、中々気が済まないと言うか段々と鋭くなってる!?あ、これ…まずいっ
カーンと甲高い音と共に仮面が外れる。あ、そっか最初から仮面外しとけば良かったね!?
「仮面頂きィ!……あァ?」
「あはは…やあ、刀至郎さん?」
「もしかして…レティか!?」
やっと終わった…疲れたよー。
レティ君と刀至郎は別ゲーでの知り合いです。