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第十五話 今後の計画

 二週間が経った。


 二人の実力というと、グラジオはもちろんの事、ミリアも十分な実力者だった。

 どのくらいかというと、中級魔法レベルの威力を無詠唱で放ったときはモモが自信を喪失してしまったくらいに。


 さすがはエルフ、噂に違わないチート能力だった。

 ただ、そんなミリアは魔獣を殺すのをすこし躊躇っていたように感じた。

 まあ、気持ちはわかる。たとえ相手が魔獣だとしても、一つの命を奪っていることに変わりはないのだから


 しかし、それは同時に自分の命を危険にさらすことでもある。

 相手は何の躊躇もなく俺たち人間を殺しに来るんだ。そうなると俺たちは一転、狩る側から狩られる側になってしまう。

 だからこそ、自分のためにも心を鬼にしなければならないのだが。


「⋯⋯」

 まあ、これは経験を積んでいくことで次第に理解するものだ。

 今、俺がとやかく言うものじゃない。


 それより、ミリアは恥ずかしがり屋でまだしっかりと話したことがない方が問題だ。

 ずっとグラジオの後ろにくっついていて、話しかけても逃げられてしまう。

 モモとツバキとは気軽に話しているのに、だ。

 せっかくパーティーになったのだから仲良くなりたいものなのだが、こうも避けられてしまうと流石にへこむ。


「ミリアさ⋯⋯」

 言い切る前に、また逃げるようにいなくなってしまった。


「はぁ⋯⋯」

 今日も結局話すことはできなかった。


 俺ってもしかして、相当嫌われてる⋯⋯?

 ふと、そんな考えがよぎるのだった。


 ///


 道中、魔獣を狩りながら俺たちはようやく、バースからアイルに向かう途中にある最初の町ニースにたどり着いた。


「やっと、お風呂に入れる⋯⋯!」

 モモが飢えたような目で一秒でも早く宿に向かおうとする。

 あのミリアも「お風呂」という単語に即座に反応している。

 たしかにここ最近は水で体を流すことくらいしかできていなかったからな。


「じゃあ、俺とグラジオさんの二人で換金してくるのでモモ達は近くの宿で⋯⋯」

「了解!」

 そう言ってモモは言い終わる前にいなくなった。

 ミリアも急いでその後を追う。

 あの恥ずかしがり屋のミリアもお風呂の前ではお構いなしのようだ。


「師匠は良いんですか?」

 二人と違って残ったツバキは「私も冒険者ギルドに用事があるからな」と一枚の手紙をひらひらとさせる。

 あのずぼらな師匠が手紙を書くなんて一体誰になんだろうか。

 師匠に聞いてみると「それは秘密だ」とだけ返ってきた。

 まあ師匠がそう言うならこれ以上の詮索は不躾だろう。


「そういうことなら、一緒に行きましょうか」

 三人で冒険者ギルドに向かい、グラジオと二人でここに来るまでに狩った魔獣の魔核を買い取ってもらう。大量に狩っていたおかげで少し贅沢しても大丈夫なくらいの資金が手に入った。

 時には発散する日も必要ということで、今日はみんなで酒場に行くことにした。


 ///


『カンパーーイ!!』

 俺とミリアは未成年ということでお酒ではなくジュースだが、みんな二週間の野宿のせいで味わえなかった味の濃い料理ばかり頼んでは食べて飲みまくっている。


 ツバキの食いっぷりは健在だが、以外にもモモも勝らずとも劣らずだった。

 一体、体のどこにそんな量が入るのか。


 そんなことでグラジオと笑いながら談笑していると、グラジオが首にかけている緑色の宝石が埋め込まれたペンダントが目に入った。


「グラジオさん、それはなんですか?」

 これですか? とそのペンダントがよく見えるように手のひらに乗せる。


「これは、お嬢様の護衛騎士団団長にだけ渡される証です。これをいただく際、お嬢様に実際に掛けてもらい、お嬢様を命尽きるまでお守りするという誓いを立てるのです。これをいただけるのはたった一人だけ。なので、これは私にとって命と同じくらい大切なものなのです」


 グラジオの話を聞くと、どれだけミリアを大事にしているかがわかる。


「──では、そろそろ」

 グラジオはみんなの方を見ると、手をパンと鳴らして、どんちゃん騒ぎしているツバキとモモを落ち着かせた。

「今後の予定を話そうと思います」とグラジオは少し真剣な顔になる。

 まあ、お酒のせいで少し顔が赤いのが残念なところだが。


「まず今の私達では奴らに敵いません」

 正直な一言にみんなの食事の手が止まる。


「長男のザクは兄弟の中では一番の実力者です。今の国王陛下に匹敵すると言われるほどに。そこにあの『無音(サイレント)』が加わっているとなるとその脅威は計り知れません」

 わかってはいたが改めてそう言われるとどれだけ強大な敵を相手にしているかがわかる。


「それじゃあ、一体どうすれば」

 グラジオはその言葉を待っていたかのようにニヤリと笑う。


「ダンジョン攻略をしましょう」

「ダンジョンがあるんですか!?」

「もちろんです」

『ダンジョン』その言葉を聞いて俺とモモのテンションが上がる。

 逆に上がらないわけがないじゃないか。ラノベとかでよく耳にする、あのダンジョンだぞ!


「ダンジョン攻略は何もお金が稼げるというだけではありません。武器や防具の素材になる鉱石やこれまで挑んだ冒険者たちの遺物などを手に入れることができます。幸いにもここニースには、近場に、防具と武器に最適な魔力効率の高い金属を含む鉱石「タイト」が採取できるダンジョンがあるんです」


 たしかに最近、ダインにもらった剣だけでは、体も剣術も成長していく上で物足りなく感じることが多々あったし、防具もいつまでたっても旅立った時と同じではさすがに心もとなく感じていたところだった。


「ここからはそのダンジョンで技術だけでなく、今使っている武器や防具もレベルアップさせましょう」


 ダンジョンは想像どおり、魔獣だって生息しているし、 そう簡単に攻略できるわけではないらしい。

 だからこそ、実戦経験も積めるし一石二鳥というわけだ。


「はい!」

 反対意見はなく、明日はダンジョンに向けて準備し、二日後、ダンジョン攻略を開始することに決定した。

ここまで御覧いただきありがとうございます。

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