第9話 魔物誕生
ヤキン…ツラカッタ。
「んっ……はぁ」
魔法を発動させたその3日後、カーシュは魔物の卵と一緒にベットへと寝転がっていた。
「一日中寝てるのも段々飽きてくるな〜」
カーシュは魔法を発動させた後、すぐに気を失った。
原因としては、自分の持っている魔力以上の魔法を発動させてしまい、体に負担が掛かったとの事だ。
魔法を発動させたその数十秒後に意識が回復したカーシュだったが、心配したラルが3日は安静にしろと泣いて懇願され、渋々ベッドで卵と一緒に過ごしていた。
「ま、部屋でも出来る事はあるから良いけど」
カーシュは、寝転がりながら絵本のページをめくる。
ラルに持ってきて貰った絵本は、どうもラルの趣味が多いに入っていそうな絵本ばかりであったが、絵本なだけあって文字の勉強がしやすい。
「王子とメイドの身分の差を超えた恋……いや、良いんだけどさ」
王子であるカーシュにこれを持って来ると言うのはどうだろうか…。
トントントン
そんな時、部屋の扉がノックされる。
「どうぞ」
ガチャ
「失礼します」
「ラル。おはよう」
「おはようございます。お身体の方はどうでしょうか?」
いつも通りカートにご飯を乗せながら、ラルは問い掛ける。
「昨日と同じく元気だ」
「そうですか…よかったです」
ラルは優しい微笑みを見せて、料理をカーシュの前に出していく。
「それで? 父上にはバレてないか?」
因みに、この騒動はあの場にいたカーシュ、ラル、そして黒髪硬派イケメンの"ルカリオ"、銀髪ショタの"ヒュッテ"しか知らない事になっている。
騒ぎを起こしても、面倒ごとになるのが目に見えているし、魔法師団にも迷惑が掛かる可能性があるからだ。
その中でも特にビクターにバレるのは避けた方が良いだろう。
今まで本当に私の子だろうか、と思っていた父親だ。カーシュに魔法の才能があると分かれば、あっという間に城中に知れ渡る事になるだろう。
それは目立ってトラブルに巻き込まれるのを嫌うカーシュにとって、避けるべき事であった。
「はい。問題ありません。ですがもう1日だけ休んでも良いんじゃ…
「もう十分休んだ。そろそろ外に出ないとつまらないよ」
(BL力が不足し過ぎてるし)
カーシュはベッドから起き上がる。
それと同時に、カーシュの手に卵が当たった。
「うひゃあっ!?」
何故こんな声を出したのか、それはーー
(手動かしてないのに当たった!?)
振り返り、卵を見るとそこにはヒビの割れた卵の姿。
「え!」
「も、もう産まれるんですか!? 話と違う…!!」
カーシュは驚きに目を輝かせ、ラルは何故か不機嫌に眉間に皺を寄せた。
パキッ パキパキパキッ
「え…これって…」
「こ、こんな筈では…!!」
カーシュ、ラルの前に卵を破って出て来たのはーー…
「ライオン…?」
そこには真っ白な姿をしたライオンの姿があった。
「面白い!」
「続きが気になる!」
「今月一杯夜勤頑張って!」(心の中で応援だけしておいてください)
という方は、ブックマーク・評価・いいねしていただけると嬉しいです!
評価は広告下にある☆☆☆☆☆から宜しくお願い致します!
してくれたら私のやる気がupしますᕦ(ò_óˇ)ᕤ




