表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/17

第8話 魔法知識

微妙な時間の投稿ですみません。


_:(´ཀ`」 ∠):

「カーシュ殿下!!」

「うへぇっ!?」



 アルドに魔法の指導を放棄された翌日の朝。

 寝ていると勢いよくカーシュの部屋の扉が開かれ、カーシュは飛び上がる様に起き上がった。

 そこに居たのは泥だらけのラルの姿。

 そして、その手元には拳程の大きさほどのものがあった。



「お待たせして申し訳ありません。こちらがカーシュ殿下が御所望のものです」

「これって…」

「はい! 魔物の卵です!!」



 お願いしたものは魔物の幼体だった筈だ。それなのに卵って。



「幼体は親から引き離され、凶暴な場合があります。ですがこれなら殿下を親だと思って接する筈です」



(所謂すりつけってやつかな?)



「それで? 何の卵なんだ?」

「…あ……分かりません」



 ラルが申し訳なさそうに答える。


 思い出したのだろう。



「…私が頼んだのは乗れる魔物の幼体だった筈だが…」

「す、すみません!!」



 威厳を出して少し凄むと、ラルはシュンとする。

 一生懸命に探してくれたのだろう。ここで受け取らなければ器がら知れるというものだ。

 どうせなら良い主人だって思われたい。


 そう思ったカーシュは口角を上げる。



「いや、ありがとう」

「も、もったいないお言葉です!!」



 お礼を言い卵を受け取ると、それをクッションの上に置き、観察する。


 卵の模様には何も浮かんでいない。真っ白で穢れの知らないような、そんな卵だ。



(産まれてくる者は、どんな子だろう? 夜に一緒に寝てれば早く産まれてくるかな?)



 カーシュは今日寝る時に抱いて寝る事を決めると、普段着に着替えて部屋から出る。


 因みに服は、ラルが着替えさせてくれた。



(断ろうとしたら涙目で訴えかけてくるんだもんなぁ…)



「殿下、今日はどちらに?」

「ん? 今日は魔法訓練場の方に顔を出したいと思っている」



 カーシュがそう告げると、ラルは嬉しそうに口角を上げてカーシュに近づく。



「何だ?」

「ラルは嬉しいです! 殿下がこうやって外に出る様になって…」

「大袈裟な奴だ」



 カーシュは大人の対応でそれを流して、ラルに気付かれない早足で魔法訓練場へと急ぐ。



(それよりも今は魔法訓練場! もとい、男の人が一杯居る楽園へ!!)



 アルドから聞いた話によれば、魔法師団は朝早くの午前中に訓練を行うらしい。


 午前は魔物との戦闘を想定した戦闘訓練。午後は魔物の知識や、自主練習に当てているらしい。


 つまりーー



(男の人が1番集まるのは午前中の戦闘訓練の時のみ!)



 カーシュは弾む心を抑えながら、魔法訓練されてへと向かった。



 * * *


 魔法訓練場へと着くと、カーシュは早速数人の人だかりを見つける。



「か、カーシュ殿下!?」

「こんな所に何の御用ですか?」



 そこには2人の男達。



(おぉ〜!! 1人は黒髪硬派イケメン! もう1人は銀髪ショタイケメン!)



 男達にあった途端にカーシュは2人を脳内で絡め合わせる。


 が、面はそれどころではなかった。



「あ、いや、その……」



 久々の複数の男。

 前日にはビクターとアルドと会ったが、ビクターは父、アルドはおじさんという認識で何とか話せていた。


 今目の前に居るのは2人のイケメン男子。


 コミュ症を発揮しない訳がなかった。



「カーシュ殿下は魔法師団の視察に参りましたのです。いつも通りの訓練を殿下にお見せ下さい」

「よ、よろしく頼む!」



 そこでラルが助け舟を出し難を逃れると、勢いよくそれに乗っかる。



「何だ、そう言う事でしたか」

「お任せ下さい」



 何処かホッとした様子で、2人は胸を撫で下ろす。

 何か無礼があったのではと、心配していたのだろうか。



「それでは、危ないので少し離れて御観覧くださいね」



 自分の身長より少し高い銀髪ショタにそう言われて、カーシュは3、4歩後ろに下がる。



 それからは凄かった。

 炎、水、土等、色々な属性の魔法が飛び交い、2人は訓練場を駆けた。

 時には藁人形に攻撃を当て、時には素早い動きで土嚢の壁に隠れる。


 本当の戦闘を見ているかの様な雰囲気になり、カーシュは手に汗握る。



(2人しか居ないのにこんなにも凄い……ん?)



「お前らだけなのか? 魔法師団は?」

「いえ、あと師団長と副団長が居ますが、普段は書類仕事などで忙しい様です」

「っ!!!」

「か、カーシュ様!? 大丈夫ですか!?」

「だ、大丈夫だ…」



 黒髪硬派イケメンが応えると同時に、カーシュは地面に膝を着く。

 男の人が沢山おり、沢山のBL化を行おうと思っていた。


 しかしーー



(黒髪×銀髪、銀髪×黒髪のカップリングしか出来ないなんて…!!)



 そう。カーシュは嘆いていた。

 魔法使いが少なく、最弱国と言われても国は国。もっと居るもんだと思っていた。



(見積もりが甘かった…これだと私のBL力が補充出来ない…!!)



 イケメンでなくても、男が居ればBL化は出来る。想像でBL化する事も出来る。

 だが、それをやってしまえばどうしても人間味が薄くなってしまい、BL力というカーシュの中にある欲望があまりにも満たされないのだ。



「お、おい…やっぱつまんなかったんじゃないか?」

「うーん…そうは見えなかったけどね……」



 嘆いているのを見た魔法師団の2人が、カーシュの機嫌を損ねたのではと狼狽する。



「そうだ! 殿下。殿下も我々と一緒に修行をしてみませんか?」

「…修行?」



 そんなカーシュに、銀髪ショタが修行の提案を申し出る。

 子供だから修行という言葉に興味を持つと思ったのだろうか。

 だが、その言葉は遠からずも当たっていた。



(魔法の修行…悪く無いかもしれない。私も魔法を使えれば、男の人達を身近に観れるかもしれないし!)



「な、何の修行をするんだ?」



 カーシュがテンションを上げながら問い掛けると、2人は「よし!」とガッツポーズを見せて話し出す。



「するのは魔力運用の修行です。見ててください」



 銀髪ショタは前に手をかざした数秒後、氷の刃を放出する。



「……ただ、魔法を放っただけの様に思えるが?」



 それは先程と変わらない、魔法を放った銀髪ショタ。何の変哲もない魔法であった。

 銀髪ショタは微笑むと、ゆっくりと口を開く。



「その通りです。ですが……魔法を行使する上で、何個か工程を踏まなければならないのです」



 そう言うと、銀髪ショタは説明し出す。


 魔力運用とは魔法を行使する上での工程そのものを指し、魔素をどれだけ効率よく変化させ、発動する事が出来るのかがミソになるらしい。



「つまり……魔力運用が上手く行かなければ魔法は不発に終わると言う事…」

「さ、流石王子ですね…」

「マジか…」

「当然です!」



 5歳の子供が今の説明を理解するのは難しい、そう思うのが大変だろうが…



(まぁ、一応前世を合わせれば21歳になる訳だからね)



 21歳の精神、そして頭、それでなら理解出来る内容であった。



「それで? その魔力運用の修行とは何なんだ?」

「は、はぁ。そうですね…大きな水球を頭の中でイメージして下さい…自分の中の魔素を練って…あ、まだ魔力通しを…」



 黒髪硬派イケメンが、カーシュに魔力合わせを行おうと手を伸ばした瞬間。




「こ、こんな感じ?」




「「「…は?」」」



 カーシュの目の前には、大人1人を余裕で覆い尽くせる水球が現れたのだった。

「面白い!」

「続きが気になる!」

「夜勤なんて無くなればいい」(願望)

という方は、ブックマーク・評価・いいねしていただけると嬉しいです!


評価は広告下にある☆☆☆☆☆から宜しくお願い致します!


してくれたら私のやる気がupしますᕦ(ò_óˇ)ᕤ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ