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竜人さんと雑談

 いつの間にか俺と竜人さんの間に白い丸テーブルと白い椅子がある・・・やたらでかい・・・椅子の座面が俺の顎の位置だ・・・座面に両手を置いて体を持ち上げて椅子に座る・・・テーブルの高さは鼻の位置で非常に使い辛い・・・テーブルも椅子も竜人さんのサイズに合わされているのだろう・・・椅子の背もたれも遠いし足も地面につかない・・・丸テーブルの反対にいる竜人さんを見る・・・でかい・・・いつの間にか目の前に湯飲み茶碗が出ている・・・でかいよ!俺の顔よりちょっと小さいぐらいだ・・・まぁ量が多いからいいんだけどね・・・手を伸して引き寄せる・・・重いなこれ!材質なんなんだ?・・・中身は冷たい緑茶だった。

 竜人さんが話しかけてきた。


「すまんな、そちらの体格に合わせるべきだった。」

「ああいや全然、自分はこの星から見たら勝手にやってきたよそ者なんでこちらが合わせる努力はします。」

「まぁ少し調節しよう。」


 竜人さんがそういうとテーブルが少し低くなり弱冠使いやすくなった。


「こういう物を作る時は無意識に自分が使いやすいサイズで作ってしまうのでな。」

「まぁ神様に竜人さんがどういう種族なのかを聞いた感じじゃあ他の種族とあんまり関わらないでしょうしね。」

「百年に1回くらいの頻度でいきがった集団に喧嘩を売られるぐらいしか関わらないのは確かだな。ここの銀河は他星への侵略は少ないから警告しに行くことも少ない。」

「惑星侵略は銀河神が禁止してるとかって話しですよね?侵略者いるんですか?」

「法を作った所で守る守らないはそいつ次第、そういう所は人も神も変わらない。違うのは破った神は見つかり次第必ず上位神に消されるか俺達が殺処分する、生かしておくことは絶対に無い。神の無法は許されない。」

「犯罪者への罰が重いのは良いことだと思いますよ、破る奴はどんな重さでも破るんだから軽くて良いことは1個も無いと思うんで。」

「まぁあくまでもここの銀河内での話だから他は知らないがな。ああそうだ」


 竜人さんがお茶を飲み干してからこちらに人差し指を向ける、以前のように光が額を貫いてすぐに戻った。


「ふむ、神にたいしてある程度の知識は教えてもらっているようだな。だが銀河神にたいしての説明が少ないから教えておこう。銀河神は大銀河神様・集合銀河神・銀河神と3種類いる。銀河神は銀河1つ、集合銀河神は銀河2~10の銀河神の統括、大銀河神様は集合銀河神を10統括している神様で、俺達竜人の創造主になる。」


 竜人さんがテーブルに手を伸す、いつの間にかテーブルに菓子らしい物が乗ってる皿があった。一つ取り観察、真四角で一辺が俺の小指くらいのサイズだ。噛んでみると煎餅よりちょっと固い感じでフルーツっぽい香りがする。味はほぼしない。

 竜人さんが話しかけてくる。


「まぁそろそろ用件といこうか、今回は途中経過を教えに来た。」

「途中経過とは?」

「お前も最初からおかしいと思っていた事があるだろ?」

「ああ、破壊神様が言ってたやつっすね。愛しているのに魂を他の星の人間と入れ替えたり魔王討伐させるっておかしいですよね」

「そこら辺の話だな、そもそもお前の魂を入れ替えたのはここの神ではなくて地球の神でな」


 竜人さんを見ながらお茶を飲む。


「破壊神が勇者・・・ニールという名前なのだが、そいつの魂から次回転生の希望を聞いてる時に唐突に勇者の魂が消えたんだそうだ。連れ去られたのはすぐにわかったからキレかけながら魂の痕跡を追って探したら宇宙のほぼ逆の端にある地球に辿り着いて宇宙空間を漂っているお前の魂を見つけた。こんな所に魂があるのはおかしいと思って調べてみると無理矢理肉体を追い出された魂だとわかった」

「それが俺だったと」

「そうなる、でその魂が本来入ってるべき肉体を調べたら勇者の魂が入っていた。」

「すぐに入れ替えればよかったのでは?」

「そうもいかないんだ、無理矢理魂を引っこ抜かれたせいで今お前の本来の肉体は首から下が動かなくなっている」

「はっ!?」


 驚いて思わず声が出るが竜人さんは気にせず続ける。


「いや首から下というのは間違いか、眼球は動かせるが顎やまぶたは動かせないし自発呼吸も出来ずに病院だしな。肉体と魂の繋がりというのは非常にデリケートなんだ。だから今また無理矢理引っこ抜いたら肉体自体がもう駄目になりかねん、安全に戻すための時間稼ぎにお前に嘘を教えておいてついでに今この星で起こっている困り事をやらせているという面もある」


 右手を頭に当てて俯いてる俺を見ながら竜人さんは続ける。


「お前の仕事先の店長も驚いただろうな、店員が扉を開けたと思ったら急に倒れて血の泡を吹きはじめたんだから。魂を観測できないお前の星では医者も原因不明として扱っているよ。」

「そんな状態の肉体に勇者が入ってるっていうのも気の毒っすね」

「まぁそうだな、お前は被害者なんだから勇者の事を気にかけずにもっと悲観してもいいんだぞ。」


 竜人さんがズズッとお茶を飲む、新しく注いでた様子は無かったが2杯目が入っているらしい。


「それとお前だけではなくてな」


 ? 疑問符を浮かべながら耳を傾ける。


「お前と同じ事になっていた地球人が他に511人確認できた。魂が漂っていた数がこれであってちゃんと救助された数ではないぞ、発見が早く肉体が無事に病院に運ばれた数は120もないようだ。被害者は日本・アメリカ・シンガポール・中国・ロシアの5カ国に集中しているな」

「それってつまり」

「自発呼吸が出来ないんだ、発見が遅い時点でもう手遅れだ」


 被害者とその遺族を気の毒に思いながら自分は運がよかったんだなと少し思う・・・いやこんな事になってる時点で運は悪いのだが・・・竜人さんが続ける


「複数の銀河から魂が入れ替えられているのがわかってな、今非常に大事になっているよ。ここの銀河系内の惑星から魂が拉致されている数が比較的に多いな、で地球のある銀河系への抗議が殺到している状態だ、地球の神のせいで長い宇宙の歴史でも数える程しか無い大銀河神会議にまで発展しているし、そこでおさまらずに宇宙神会議になりそうな勢いだ。地球の神を消滅させて地球ごと滅ぼせと言っている神もいるな」


 本当に大事になっているようだ・・・


「まぁ地球の神を滅ぼすのはほぼ確定だと思うが地球は別の神が割り当てられて存続あたりだと予想されるな」


 竜人さんがお菓子を食べお茶で流し込んでから続ける。


「で拉致された魂の共通点は魂の力の強い者、地球人側の被害者はその逆で魂の力が弱い者だな。地球のルールでは肉体が死んだ時その肉体に入っていた魂の力は星のエネルギーに還元される。星のエネルギー=神の力になるわけだが、人間というのは寿命が近い程魂の力は弱くなるから寿命でそろそろ死ぬ肉体に拉致した元気な魂を入れてその肉体を死なせる、それを繰り返す事で自分の力を強くしたかったんだろう。まぁ作戦初回で見つかった訳だが」

「でも400人ぐらいはもう還元されちゃってるって事ですよね?もうどうしようもない感じですか?」

「ああ取り返しがつかない、だがもう地球の神の蛮行は見つかって広められている状態だからな、はっきりいってこれは立派な侵略行為だ、後1人でも死者が出て魂が還元されようものなら最低でも集合銀河神レベルでの戦争が起こる、当たり前だが地球側の味方はいない。地球の神は還元で得たエネルギーよりも多くのエネルギーを消費して被害者の生命力に注いでいるよ。」


 軽く気になったので聞いてみる。


「つか俺って寿命短いんですか?」

「お前の魂を見る限りどんなに長くても30~33が寿命だな」

「あぁ・・・マジすか・・・」


 俺がお茶を飲んで一息つくと竜人さんが口を開く。


「まぁ地球の方はそんな状態でお前が頼まれた魔王の方だが」

「やっぱ侵略されてる感じですか?」

「ほぼ確実だと思うがまだあくまでもその線が濃厚という状態だ、魔王の行動が急変したのに魔王の魂に異常は見られないのが謎でな、破壊神に頼まれた調べ物を早めに頼む。確定したらその瞬間にこちらも動けるしな」

「はいまぁ出来るだけ早くやります」

「では俺はこれで帰るよ」


 そう言った瞬間竜人さんが目の前から消えた。


「はいではまた、とか言う暇すらなく消えたな」


 とりあえずお菓子を食べきろうと思いもそもそと食べる。

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