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視点複数

 少し時間を戻して


 兎獣人(ルビー)さん


 マスターの命令で収穫物の野菜と果物を露店で売っている。正直馬車1台分程度の量ではあまり意味が無いと思うが自分にとっては初と言っていいマスターの命令だししっかりこなそう・・・しかし偵察梟さんの情報収集能力は凄いんだな、どの時間帯・場所なら買い物客が多いのかもきちんと調べてくれてたおかげで露店の出店場所の許可も場所を迷わず決める事が出来たみたいだし、この街で不足しがちな食材は何かとかも調べてたみたいで、野菜もそれを中心に選ぶ事で商品選びも時間は大して掛からなかったから搬入まで早かったし、情報収集の甲斐もあってすぐに売れる・・・ところで時々こちらを見てくる人達は何なのか・・・


 鹿獣人(パール)さん


 めんどくさい・・・今まで掃除をアインとアストリアにやらせて自分はたまに魔力を込めるだけで良かったのにいきなり出張・・・事前告知くらいしてくれよ!・・・ああ帰りたい・・・ってか兎男共がうぜぇ!野菜買ってるけどお前ら普段から料理してんのか?まぁ純粋に安いから買っていく人も多いには多いが・・・量的にもこれ在庫捌けるのに1時間かからんぞ・・・というか主様は仕入れにお金がかかってないからと安くしすぎだと思うんだ・・・相場の6割とかだっけ?そりゃ奥様方に見つかったら売れるわな


 厳つい行商人(タダツグ・サカイ)さん


 野菜と果物の売れ行きが想定以上だ、素材の方もあっさり売れたと連絡も来ているし、初回だからと様子見で量を少なめにしたのは間違いだったかもしれない・・・特に素材の方は都市の倉庫に有り余ってるのだからもう3箱ずつはあっても良かったかもしれない・・・しかし護衛の人数も考えるとあれ以上入れると馬1頭では馬車が引けたか怪しいし・・・いやその程度の量増えた所であの馬なら引けるのは確実なんだが、近くに軍が駐留している以上力強くて良い馬だと判断されて徴収されては困る・・・というかそんな事になったら主殿が激怒するんじゃなかろうか・・・そもそも主殿が護衛をあの数にしたのは馬泥棒を懸念しているのもあると伝達殿が言っていたしな・・・だが一応次回の行商の為に主殿に馬を増やしてもらうようには頼んでみるか・・・しかしあのアインとアストリアとかいう人形は意外と使えるな、商品を紙袋に入れるのもスムーズだしパールさんとルビーさんへの受け答えも違和感を感じない、人形に期待なんてしていなかったが思っていたよりもずっと性能が良い人形のようだな。とりあえず伝達殿経由で転移殿に商品だけこちらに送ってもらえないか頼んでみるか・・・いや・・・転移殿に送ってもらうにはユニットでないといけないのだったか?後で確認してみよう。


 ????視点


 エルフからの救援依頼を受けて軍を派遣する事が決まり自分が指揮をとる事になって早4ヶ月、住民には念の為に避難をしてもらい軍人だけを残したかったが故郷を離れたがらない者はとても多かった、まぁそれは仕方ない事だ・・・ここはエルフとの交流も多いからエルフ達の窮地という事で現地住民から軍への志願者が多数出て、まずは訓練兵として参加させているが使える者と使えない者に別れる、それもまぁ仕方ない事だ、誰でも向き不向きはある。料理のうまい者がいたのは地味に収穫である。一度街で補給を済ませてから部隊を3つに別ける、避難希望者を都に送る部隊と街の防衛部隊とエルフの森に入る戦闘部隊。戦闘部隊を率いてエルフの森に入り南下し魔物の部隊と戦闘、正直千匹以上の魔物が徒党を組む事があるなど聞いた事がなかったのでエルフの森の惨状を見た時は愕然とした。森だった場所が焼け野原になり死臭が漂う、鼻が曲がりそうだった。あの広大な森が3分の1は無くなっている等この目で見ても現実味が無いが事実は変わらない、しかもそれが魔物では下等な部類に入るゴブリンなどという汚物共の所行だというのだから尚更だ、だがすぐにこの汚物共はおかしいという事がわかる。汚物共はすぐに見つかり戦闘に入る、まず首を切り落とすと何秒かで落とした首が浮き上がり繋がる、上半身と下半身を切断しても同じ事が起こる、再生した汚物をもう1度叩っ切ると今度は破裂する。破裂の際はすぐに破裂するのではなく、体が変な膨れ方をしてから破裂するので異常を感じてすぐに下がる事で回避出来た。破裂した際に撒く体液は毒性があるらしく、まともに浴びてしまった者は皮膚が爛れ毛も生えず、動くのにも支障が出ているようだ。破裂するのが厄介だが汚物共自体の戦闘能力は高くないため今の所戦死者は出ていない、だが体液を浴びてまともに戦闘出来なくなってしまった者達は都に帰し、父への現状報告と増援要請を行なってもらい都で静養してもらう。

 自分はずっと最前線で戦っていた、森が汚物共に穢され、次々に燃やされ、枯れていく様を見ながら戦線を少しずつ下げていくのは辛く、自分の無力さを感じながら戦っていたが、部隊の者達も疲れを溜めながらも共に戦ってくれていたのは本当に救いになった。そんな中エルフ達の防衛部隊から呪木の新型ができたと報告が入りそれを植えていくのを手伝ったりもした、その呪木は普通の木と違い体液を浴びても枯れる事なく汚物共を殺し続ける事が出来た、あれのおかげで戦線が大分安定したので自分達の部隊も街まで戻り休憩を取る事が出来るようになった。


 今回で2度目の帰還、やはりあの臭すぎる戦場に居続けると気が滅入るし鼻が馬鹿になるので街の空気はとてもおいしい、いやほんと落ち着くし助かる。

 副官と2人の供を連れ、適当に果物でも買って食べようかと皆で話しながら商店街に行く、果物の香りを辿ると人だかりを見つける、どうも繁盛している露店があるようだ。香りからしてその露店に果物があるようなので皆で並び店員をみる。


 人生初の衝撃を受けた・・・


 純白という言葉しか思いつかない素晴らしい毛並み・遠くからでもわかる潤った鼻・長い袖口から見える繊細なガラス細工のように美しい手・体から出る優しくて心地良い魔力の匂い・細長くて美しい耳・そして何よりも宝石を思わせるような真紅の瞳。


 天女だ・・・


 気付かないうちに歩き出していた・・・天女の前まで行き両手で優しく天女の左手を取りいつの間にか片膝をついていた・・・言葉が出る。


「自分は現国王ガリアン・アーベントが長子、ガリアン・マクベスです。どうかあなたの御名前を教えて頂きたい」

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