人が増えたなぁ・・・
『動く城塞都市』に倉庫を都市の反対側に作るよう指示してから少し時間が経ち、屋根の上に登って胡座をかいて周りを見回してみる。
城門から兵士達がゾロゾロと入ってきた時はなかなかに壮観だった。味方だから凱旋感覚で見る事ができたのでそんな感想だが、これが敵兵だったら恐怖どころではないんだろうなとも思う。
しかし『兵士訓練所』を使って兵士を増やしたから一気に大所帯になったなぁ・・・カードバトル的に考えるならあの兵士達は特に何の能力も持っていないユニットだから他のユニットに影響がある訳ではなく、動かす際大抵は全軍突撃感覚で一気に動かすユニット達、はっきり言って普通にカードバトル中ならいつ死んでも大丈夫な捨て駒ユニットだし1ターン待てば代えも用意できる存在だ。だが今は普通のカードバトルじゃないし敵の方が圧倒的に数も種類も多いしカードバトルと違って移動させなきゃいけないしその範囲も広いしカードバトルみたいに全体を一目で見れる訳ではないから突撃させたら本当に犬死にになって何の戦果を挙げられないで終わるだろうしでやはりせめて現場に派遣できる中級指揮官は欲しい気がする。まぁ俺がこんな事を考えた所で動かすのは智将さん達だしどういう風に動かすつもりなのか結局さっぱりわからないんだけどね。ただまぁ正直俺が貰った加護で具現化してる存在だから俺よりも賢く動けるのか疑問なんだよなぁ・・・こういうのって作り手の知能越えないってのは定番だし・・・まぁ俺より頭悪かったらもうとっくに残念な事になってるとも思うが・・・いやそこらへんはどうでもいいか・・・
改めて兵士達を見てみる。
斧やナイフを使い解体作業に従事する者・素材を担いで運ぶ者・城門の内と外で番をする者・城壁に登り周囲を警戒する者・モップや箒で清掃活動する者などが居る。彼等は全員右手に槍を持ち左腕にバックラーを付けているという出で立ちだったが、驚いた事に槍とバックラーが光ったと思ったらそれが弾けて光の粒になった後、光の粒が集まって形になり斧・ナイフ・弓矢・鍬・モップ・箒・バケツ等に変わり作業を始めた。
いや便利だな!ってか兵士だから武器類はまぁいいとしても何故掃除用具にまで変化するのかw・・・まぁそれはいい・・・本当に大所帯になった・・・それが良くわかる・・・屋根に登ってる俺の周りに20人くらい兵士がいて圧迫感感じるからねw
「いやとりあえずちょっとみんな離れようかw」
「お邪魔でしたでしょうか?」
すぐ左にいる兵士が答える。
「俺の護衛任務ってのはわかるよwわかるんだけども何もこんな大人数が揃いも揃って屋根に登る必要は無いと思うんだわw」
俺がそう言うと兵士達はじゃんけんをし始め、負けた者から屋根を降りて行き家の周りを警護し、屋根の上には10人となった。まだ多いと思うがまぁいいや・・・
気を取り直して兵士達を見ると彼等は大盾に素材を乗せて運んでいた。あの装備はバケツやモップには変化するのに箱にはならないのだろうか?と少し気になるがそれはまぁいい・・・倉庫は都市の反対側にあるので城壁の外から運ぶ物や内門を通って水路で運ぶ者と2種類のルートが使われている。家の前を通って素材を運んでいる兵士達はなんとなく蟻の行列感がある。左の方から大きな何かが動く音が聞こえ風が吹いてきたので見てみるとメイザスが飛んでいくのが見えた、どうやらメイザスにも運ばせているようだ。しかしこうやって見てみるとまた困り事が増えたとわかる。倉庫は作ったが素材を入れる箱が無い。そのうち売りに行く予定なのに素材むき出しのまま売りに行く訳にはいかない訳で・・・丁度良いサイズの箱をカタログから見繕うか『森林』の木を切って作るか・・・どちらかというと『森林』の木から作る方針で行きたい・・・『果樹園』から切る訳にもいかないしな・・・3マナずつ出せる土地というのは非常に強力だから今のデッキの内に出したかったのだが、それを諦めてこのデッキを早々に終わらせて次のデッキに移行、木工関係のカードを入れる?・・・いや3マナ土地は出しておきたいなぁ・・・でも木工できる系のユニットと『森林』は多めに入れなきゃいけなくなったかな・・・なんかほんとにドンドン予定が狂う・・・どうしようかなほんと・・・