後顧の憂いは断っておく
部屋で40分程次のデッキ構成を考えていると
(主様、ガーゴイルがアマルテア神皇国神都での索敵を終わらせました)
(ん?すぐそっちに行くよ、どんな感じ?)
連絡が来たので千里眼さんの職場へ移動する。
(例のハーレムにはサキュバスだけでなくインキュバスも3匹入り込んでいたらしく、ガーゴイルの調べた所417人の女性がインキュバスの子を腹に宿していて、既にインキュバスの幼体も84匹産まれています。総大主教ジュリアンをサキュバスで釘付けにしている間にインキュバスを増やして背後から潰そうとしていたのではないでしょうか)
(そんなところだろうね、ハーレムなんてインキュバスにとっちゃ都合のいい繁殖場だろうし)
到着し壁に映されたガーゴイルの視点を確認して指示を出す。
「スペルで始末する!すぐにガーゴイルを移動させてサキュバスを視界に入れさせて、その後はインキュバスの成体を視界に入れさせてくれ、そっちも1匹だけ殺っておく」
すぐに『裁きの光柱』を使えるよう聖マナを引き出す為に土地を起動し気付く。
「あ駄目だ・・・『裁きの光柱』1枚しか使えないじゃん・・・指示を変更サキュバスはこちらで始末するがインキュバスはガーゴイルに任せる、幼体も腹の子も全て殺せ」
(今ガーゴイルの視界に映っている金髪の男と腕を組んで歩いている女がサキュバスです)
ガーゴイルはかなりの上空を飛んでいるようで豆粒な背中しか見えないがまぁ察知されたら元も子も無いから仕方ないか・・・と思っていたら拡大されたので狙いやすくなる。対象を見ながら『裁きの光柱』を使う。すぐに女の足下から光の柱が上がり人間の女に化けていたサキュバスの擬態が解けて体が崩壊していく。
「急に拡大されたが今のは?」
「そうした方が狙いやすいかと思いまして拡大しました、余計な事をしたでしょうか?」
「いや凄く助かったよ有り難う」
ガーゴイルの視界を映していた千里眼さんが気を利かせてくれたようだ。
「ではガーゴイル達はインキュバスの方へ向かわせて下さい。さっきも言ったように幼体も腹の子も全て殺すよう指示を伝えて下さい、後顧の憂いは確実に断つ、母体の腹は念入りに破壊するように」
(・・・伝えました、しかしよろしいので?)
「母体の件は何の問題も無いが?」
(いえそちらの件ではなく他の女です、ハーレム内の女は全てインキュバスの洗脳下にあるので正直あそこにいる女達はもう手遅れかと、それにガーゴイルの報告はあくまでも妊娠が発覚している範囲ですのでこれから腹に撒かれた種で受胎する者もいるかもしれません)
少し考える・・・かなり根本的な疑問ができたので質問する。
「そもそも何でそういうのわかるんだ?ガーゴイルにはそういうサーチ能力があるの?」
(今更ですね・・・ガーゴイルだけではありませんよ、我々は元々カードですからね、カードゲームでは自分の場と敵の場で別れていて見ただけで敵味方がわかりますよね、その機能が我々の感覚にはありますから六感のどれかに引っかかれば1瞬でわかります)
「六感?」
(まぁ私の場合は目が見えないので五感になりますが、目が見えない代わりに思念で敵味方がわかりますし、魔法使いなら魔力でもわかります)
「なんでしたら敵味方とそれ以外を色分けしますか?」
伝達さんと会話(?)をしていると千里眼さんが提案をしてきた。
「少し興味あるのでお願いします」
ガーゴイルの視点が弱冠黒みがかって視界の印象が変わり、かなりのヶ所に人型の色が付く。
「へ~屋根とか壁の向こうにいる人間までわかるんだね、てか真っ赤なんだけど!赤い人しかいない!」
「あれがハーレム内の女達です、腹にインキュバスがいる者は腹の色が紫になっております」
「え~・・・でも見ず知らずの赤の他人が敵色っておかしいよな・・・どういう基準?」
(おそらくそこは加護を与えた破壊神様の意向もあるかと推測します)
「だとしたら破壊神様容赦ないわね、とりあえずインキュバスを殲滅すれば洗脳は解けるかもしれないしそれまでは孕んでる女以外には手を出さないでおいて、それと色分け有り難うもう戻していいよ」
(それではそろそろガーゴイル達に突入の指示を出してもよろしいでしょうか?)
「うん、突入よろしく、敵対象はさっき言ったとおりでね・・・って忘れてた!総大主教ジュリアンもちゃんと始末しておいてね」
ガーゴイルが突入したのを確認し他の視界も見る。
「エルフの国に派遣した方はどうなってる?」
(ガーゴイル達自体は無双状態ですが戦場の範囲が広すぎる為局地的にしか戦果を挙げられていませんし敵の数が多すぎます、それとこれはおそらくエルフの国側の物だと思いますが黒い木の根がガーゴイルに攻撃を仕掛けてきているのでそれを避けながらの攻撃行動になっています)
「外にいるガーゴイル2体にもエルフの国に向かって戦線に加わるよう伝えて下さい、それからイギルさんを運んでいるフラムルにイギルさんを送り届けたらエルフの国救援戦に加わるよう伝えて、それとその黒い根っこはエルフの国の呪木って防衛システムらしいからできるだけ破壊しないように、絶対とまでは言いません、邪魔すぎるなら排除も許可します」
(・・・伝えました、しかしやはり数が少ないかと・・・)
「グラキエスにドラゴンのソルジャーユニットを増やさせたはず、それにも向かうよう伝えて下さい」
(・・・伝えました、ガーゴイルがインキュバスの殲滅を終わらせたようです)
「早っ!!突入したのさっきだよね!?まぁいいや母体と総大主教の方も終わらせたら2体の内1体はエルフの国に行って戦線に加わるよう伝えて、もう1体はインキュバス達がハーレム以外でも活動してた可能性を考えてしばらくはアマルテア神皇国の全体を索敵、成体から胎児まで発見次第殲滅するように伝えて下さい」
(・・・伝えました、他のドラゴンたちは向かわせないのですか?)
「バルガルムルは場に存在する事で意味があるユニットだ、もしやられたりしたら取り返しが付かないから待機、グラキエスはドラゴンを増やす為のユニットだから仕事は毎ターンあるしそもそもあの2体はでかすぎて目立ちすぎるから論外だな、ヴラダムルは今後土地のためにやりたい事があるから待機、メイザスの場合はエルフの呪木に攻撃が当たって下手に残ったら洒落にならないから論外、リーレは海の警戒から外すつもりは無い、他のユニットは・・・森林狼の群れだがもしかしたら馬車を引かせなきゃいけないかもしれないから駄目だな、あ~墓掘り業者達は向かわせてもいいけどそれなら次のターンで増やしたドラゴンに運んでもらった方がいいからまだだな、それじゃそろそろ次のターンが始まるから俺は移動するよ、何かあったら伝えて下さい」
(かしこまりました)
千里眼さん達の職場から出て城門前に移動する。




