別視点・ある村での出来事
家が燃えている、妻が血を流して倒れている、自分も左腕がもう動かない、村の男衆は鍬や鋤を持って必死に戦っている、だが向こうの方が数が多いし武器も質が良い、こちらはただの服だが賊達は鉄製の胸鎧を付けているのもいる、賊がやってきてほんの10分程で村は混乱状態だ、周りに立っている男はもう4人しかいない、こんな44人しか人がいない村を襲って何になるというのか、無法者なんていうキチガイ共の考える事は本当にわからない。
追い詰められ右腕だけで鍬を振り回し、目の前の斧を持った女から後ろにいる3人の娘達を必死に守っていた。
いきなり目の前で破裂音のような音が鳴り、自分の目の前で右腕の斧を振り下ろそうとしていた女の頭と右腕が無くなった。
いきなり自分の目の前に赤い煙が発生したようにしか見えず驚きながらも1歩下がって辺りを警戒する、周りを見ると周りのみんなを襲っていた賊達も死んでいて、周りにいたみんなも何が起きたのか確認しようと周りを見ているようだ、バサバサと音がするので上を見てみると変な形の悪魔像が飛んでいた、その悪魔像は左腕に女の頭を持っていた、悪魔像は周りを見回したと思ったら女の頭を捨てて身体の向きを変えたと思ったら次の瞬間に消えた、すると悪魔像が身体を向けていた方からパァンという音が鳴る、そちらを向くと悪魔像が空を飛んでいる姿が見える、そしてまた悪魔像は身体の向きを変えて消える、破裂音が鳴る、身体の向きを変えて消える、破裂音が鳴る・・・それを何度か繰り返しているのを脱力しながらただ見ていた、周りのみんなも同じだった。
その時・・・何の役にも立たない御貴族様なんかよりも、どんな天使様よりも、その悪魔像が尊く神々しい存在に見えて涙が流れた。
そして悪魔像が消えても破裂音が聞こえなくなり生き残った者は警戒しながら村の中央に集まった。
「助かった」
思った事がそのまま口から出た・・・
歓声が起こる・・・みんな喜んで家族を抱きしめたり一緒に戦った者同士で肩をたたき合ったり亡くなった者に涙を流したりしている。
何が起こったのかはよくわからないが、あの悪魔像に助けられなければ間違いなく全滅していた事だけはわかる、ここにいる全員がわかっている。
その後、この村は名前をガゴ村と変え、村の中央に家程の大きさの悪魔像を建てて毎年感謝祭を開くようになった。




