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例の空間
自分(鎌田源二郎)は自分の生活にそれなりに満足していた。
ごく一般的な家庭に産まれて兄弟仲も良いし、身長は178まで伸びてこれといって病気も無いし、一緒にカードで遊べる友人もいるし、友人との対戦ではほぼ勝てなかったけど元々勝ち負けにこだわるタイプでは無く自分の使いたいカードを使うタイプだし、カードを買う為のバイトもしていたし、バイト先がカードショップだから小さな大会なんかもあって色々なデッキも見る事ができた。
だから今の状況はとても不満である・・・
なんか真っ白な空間にいて目の前に女神コスプレの美女がいる・・・特にウェーブがかった真っ赤なロングヘアーがコスプレ感凄い・・・かかとまであるし・・・
いつもの様に学校から帰り、いつもの様にバイトへ行き、いつもの様にバイトが終わったから着替え、右肩に掛けたリュックの位置を直しながら帰ろうとして店の扉を開けたらこれである・・・何なん!?
「落ち着いたでしょうか?」
さっきまで目の前にいたのはコスプレ美女だったはずだがなんか老婆に変わっていた。