俺の好きな幼馴染みにケモミミと尻尾が生えました~この超絶美少女ケモミミっ娘を俺の家で飼います~
俺こと『天川遥斗』高校二年生には、昔から好きな女子がいる。
現在、俺の左隣──窓際最後列の席に座って授業を受けている幼馴染みの『如月玲奈』だ。
中背痩躯で、容姿端麗。
硬く精緻に整った顔は雪のように白く、シルクのようにきめ細かい。
ハーフアップにされた亜麻色の髪は艶やかで、若干釣り気味で大きな栗色の瞳からは、どこか勝ち気な気質を感じされる。
いや……実際に勝ち気なんだけど……。
チラリと玲奈の方に視線をやれば、数Ⅱの練習問題の(3)で躓いていた。
「玲奈、そこは加法定理を使って────」
と、俺はそこまで言って言葉を止めた。
玲奈が不満げに俺を睨んできたからだ。
「別に困ってなかったんだけど?」
「いや……手が止まってましたけど?」
「なに、ずっと見てたワケ? キッモ……」
「すぅ…………」
俺は心に深い傷を負ったが、まだギリギリセーフで致命傷ではない。
これ以上の追撃を逃れるために、俺は静かに自分の目の前の問題に戻る。
が、止めが飛んできた────
「って、まだ自分の問題終わってないじゃん。人のことよりまず自分のことしなさいよ」
「…………」
……ド正論だよコンチクショォオオオウッ!?
でも仕方ないじゃん、隣の席が自分の好きな女子なんだぞ!? そりゃ気になるってッ!?
俺は、自分の姿があまりにも情けなさすぎて、苦笑いを浮かべることしかできなかった────
□■□■□■
学校で心に致命傷を負った俺ではあったが、まあいつものことなので、割とすぐに立ち直る。
もはや心ゾンビだ。
夕暮れ時、俺は一人で住んでいる自宅へと帰ってくる。
そして、学校の宿題を済ませ、夕食の支度をし、お風呂には入り……
ピンポーン────
日が沈みきった頃、インターホンが鳴らされた。
俺はこんな時間に一体誰だと心の中で不満を口にしつつ、「はーい」と言って玄関の扉を開ける。
すると────
「玲奈……?」
そこに立っていたのは、何とブカブカの白いTシャツ一枚という何とも大胆な部屋着姿の玲奈だった。
果たしてきちんとショートパンツでも履いているのだろうか……Tシャツの裾で隠されて見えないが、スラリと伸びた艶かしいおみ足は太股までバッチリと外気に晒されている。
ただ、それ以上に衝撃的なモノが視界に映り込み、俺は言葉を失った。
「って、玲奈……ソレは…………?」
何と、玲奈の小さな頭の上部から、狐のような鋭角に尖った耳が二つ生えており、Tシャツの裾のしたからはふさふさとした尻尾が垂れていた。
可愛いな、おい…………んじゃなくてっ────
「えっと、何でそんなコスプレを……?」
「コスプレじゃない……」
「はい?」
「……生えた」
一体何を言っているんだろう? まさかこのクソ現実な世界で、二次元コンテンツでしか再現不可能なミラクル事件が発生したとでも言いたいのだろうか?
第一、玲奈はその手のカルチャーは疎い──それどころか、「ヲタクキッモ……」といつも言っているだろうに。
「バカなこと言ってないでちゃんと理由をだな────」
俺はそう言いながら、玲奈の頭の上のケモミミに手を伸ばし、掴んで軽く引っ張る。
「やんっ……!」
「…………え?」
取れなかった。
ヘアピンで固定されていて動かないとかではなく、本当に頭とくっついている感覚。
それに、このケモミミには温もりがあって────
「マジ?」
「……そう言ってるじゃん」
俺はこの現実を受け入れるためにたっぷりと沈黙を流したあと、取り敢えず────
「ま、入ってくれ…………」
「ありがと…………」
家にケモミミ美少女がやって来ました────
□■□■□■
玲奈は俺と同じく一人っ子で、両親は共働きでいつも忙しく、家に帰ってくることはほとんどない。
久しぶりに帰ってきたかと思いきや、すぐにまたいなくなる──幼馴染みである俺は、玲奈のそんな家庭事情も知っている。
こんな超絶萌えるシチュ──んじゃなくて、非現実的な状況に陥って、頼れる存在は幼馴染みの俺くらいだったのだろう。
どれだけ心細かったか、そして今、どれだけ不安を抱いていることだろう……。
ただ、申し訳ないんだが……今現在、リビングのソファーで俺の隣に腰掛けている玲奈のあまりにも可愛らしい姿から目が離せない。
「あ、あんまりジッと見られると恥ずかしいんだけど……?」
「あ……あぁ悪い!」
って、何だコレ?
いつもなら「何見てんの? キッモ……」などと、まるでゴミを見ているかのような視線を向けてくるのに、今は何だかいじらしい。
それに、やはりショートパンツ的な何かは履いていないようで、ソファーの上で小さく体操座りしているために捲れ上がったTシャツの裾から窺えるかなり付け根に近い太股にも布地の類いは見当たらない。
くっ……前から見たい……ッ!?
と、俺も健全な思春期男子なので、そう思ってしまうのは許して欲しい。
俺が心の中で玲奈に謝っていると、静かに玲奈が呟く。
「あのさ、このままじゃ学校行けないし……家に一人でいるのも何かあれじゃん……?」
「お、おう」
「この症状が治るまでさ、ココに泊めて欲しいんだけど……ダメかな?」
「い、いやぁ……ダメじゃないけど……」
確かに、こんな状態の玲奈を誰もいない家に一人で置いておくのは心配だ。
だが、かといって年頃の男女がひとつ屋根の下で過ごすというのはどうなのだろう。
「その代わり家事とかちゃんとするよ……?」
「で、でもな? よく考えてくれよ? 俺らぐらいの年齢の男女がさ──」
「──あと、触らしてあげる……」
「よし、俺が責任持ってお前の面倒見てやるよ!」
欲求に負けた…………。
流石に手のひら返しが過ぎたのか、玲奈が意味ありげなじっとりした視線を向けてくる。
俺はそんな視線から逃れるために、半ば無理矢理話題を変える。
「そ、それだったら明日にでもお前ん家から服とか何とか持ってこないとな!? 流石にその格好でしばらく過ごすのは……」
俺の視線が玲奈の折り畳まれた脚に向かっているのに気が付いたのか、玲奈ははっとしたような顔をして、脚をソファーから下ろし、Tシャツの裾を引っ張って太股を隠す。
「前から見たら許さないからッ!」
「って……やっぱり下履いてないのか……」
「っ……!?」
俺は若干呆れながらそう言うと、玲奈はみるみる顔を真っ赤に染め上げていき、手元にあったクッションを思い切り投げ付けてくる。
「下着くらい履いてるわよ、バカぁッ!」
「ズボンの話だよッ!?」
俺は飛来するクッションをかわして床に尻餅をつく。
「それに、そうやってTシャツ引っ張ってると別の部分がアレだぞ、アレ……」
「別の部分……?」
俺は視線を玲奈から外す。
Tシャツが引っ張られたことにより、玲奈のほどよく凹凸のある上体のラインが鮮明に現れていた。
特に、大きすぎず小さすぎず──玲奈の身体に合うモノを計算して作り出されたかのような形の良い二つの膨らみが……。
それに気が付いた玲奈は耳まで紅潮させて、もう一つクッションを取ると、それを胸に抱き寄せて、恥ずかしそうに顔を埋める。
寂しそうにしたり、怒ったり、恥ずかしがったり……それらの感情を見事に捉えて、耳と尻尾が動く。
無粋ではあるが、このままでいてくれても俺は一向に構わないな。
だが、このままでは玲奈がまともに生活できない。何とかして解決策を探さないといけないな……。
俺がそんなことを思っていると、玲奈がまだ熱の冷めない顔をクッションの隙間からチラリと向けてきた。
「まず、今日泊めてもらう分……しても良いよ?」
「ん?」
「だ、だから……触っても良いよって……」
「あ、ああ……えっとぉ……マジで?」
俺が改めて確認を取ると、玲奈は再び顔を抱き寄せたクッションに埋めて、小さくコクリと頷いた。
俺はバクバク高鳴る自分の心臓の鼓動を聞きながら、再び玲奈の隣に座る。
「じ、じゃあ……お言葉に甘えて…………」
俺はゆっくりと玲奈の頭の上のケモミミに手を伸ばす。
そして、軽く指先が触れると────
「──ッ!?」
ビクッと玲奈の身体が強張ると同時に、耳と尻尾がピンと立った。
「え、本当に大丈夫か……?」
俺は少し不安になって玲奈に尋ねる。すると玲奈は言葉には出さないが首を縦に振る。
俺は再び玲奈の耳に触れ、手で包むようにしてその感触を楽しむ。
「ま、マジで癒される……」
「んっ……!?」
「やっぱりコレって神経通ってるんだな?」
「そう……ねっ……! んっ……ち、ちゃんと感じるっ……!」
ここに来る前に自宅でお風呂に入ってきたのか、玲奈の身体からはほんのりと甘い匂いが香り立ち、俺の鼻腔をくすぐる。
「尻尾はどうなんだろ?」
「え、ちょっと待──っ~~!?」
俺は、ふさふさと柔らかい毛の生えた玲奈の尻尾を擦る。
なぜか玲奈は声にならない音を口から溢しているが、今はそんなことより、この上質な毛布を触っているかのような感覚がたまらない。
「すげぇ気持ちいいなコレ……」
「……は、はい! おしまいおしま──ひゃあッ!?」
俺は尻尾の付け根の辺りを指で触れる。
若干Tシャツの裾の中に手を突っ込んでいる構図になっているが、そんな羞恥心はこの手触りに打ち消さされる。
そして、空いている左手で同時に耳も触る。
「まっ……待って……! ちょ、んんっ……!?」
「あと十秒!」
「あっ……ッ!? やんっ──!?」
俺はそう押し通して、ラストスパートを掛ける。
尻尾の付け根から先端に向かって、毛の流れに沿って手を滑らせつつ、左手で耳を弄り、時々耳の穴の中に指を持っていったり…………
そして────
「はぁ、はぁ、はぁ……」
俺の目の前で、玲奈は身体を火照らせて息を荒くしていた。
「遥斗……ほんと触りすぎ……!」
「あっはは……スミマセン……」
俺はさっきまでの自分を思い返しながら、調子に乗っていたなと反省する。
ここはビンタの一つや二つくらい受けるべきだろうか…………。
しかし、玲奈はそんな俺を見て一つため息を吐いただけで、特に怒ったりはしなかった。
「まあ、こっちは泊めてもらってる立場だし……遥斗の好きにしてくれれば良いけどさ……」
「えっ……?」
「で、でもやりすぎはダメ! 触られてる方も結構疲れるんだから!」
「りょ、了解……」
そう言って玲奈は「もう寝る」と呟いて、ソファーに横になり始めた。
「あ、玲奈俺の部屋使ってくれて良いぞ? 俺がソファーで寝るからさ」
「ううん、いい。遥斗はベッドて寝て」
「そ、そうか……?」
「ん……じゃぁお休み」
「お、おう……」
俺は未だに高鳴っている胸を何とか静めようと思いながら、自分の部屋に行き、ベッドに横たわる。
すると、意外にも睡魔というものはやって来てくれて、すんなりと眠りにつくことが出来た────
が────
ふと、意識が浮き上がってきて目蓋を開く。
すると、目の前に玲奈の寝顔があった。
「……は?」
「ん、んん……」
俺は頭が真っ白になる感覚を覚えながら、情けない声を漏らす。
このベッドはシングルサイズなので、二人で寝るとなるとかなり密着する。
俺の脚に玲奈の滑らかな脚が絡んでいて、細い腕は俺の腰に巻き付けられていた。そして、玲奈のほどよく弾力のある柔らかな双丘が俺の胸に押し付けられている。
「あの、玲奈さん?」
「すぅ……すぅ……」
俺が小声で囁いても、玲奈はすっかり寝息を立ててしまっている。
どうしたものかと思っていると、玲奈と向い合わせで横向きに寝ていた俺の左手にふさふさとしたモノが当たる感覚。
────尻尾だ。
俺は多少の罪悪感を覚えつつも、玲奈の尻尾に左手を這わせていく。
眠気は一気に吹っ飛んでしまった。
やっぱり、最高に気持ちいいわコレ……。
そんな心地好さに浸りながら、俺はひたすらに尻尾をモフっていく。
「うぅ………ん……」
「──ッ!?」
玲奈が呻いたので起こしてしまったのかと思ったが、そうではなかったらしい。
ホッとした気持ちで尻尾を触っていたのだが、ふと俺はいけないことを思ってしまった。
しかし、一度思ってしまうと忘れることは出来ず、俺は空いている右手を移動させる。
「すぅ……すぅ……」
俺は今一度玲奈が寝ていることを確認してから、右手を玲奈と俺の身体の間に持っていった。
きちんと感じる弾力と柔らかさ。そして温かい。
俺はゆっくりと手を軽く握る。
すると、跳ね返ってくるような反発力を感じる。
本人は下着を付けていると言ったが、この柔らかさは、明らかにTシャツの下には何の隔たりもなく、生の膨らみがある。
その証拠に、二つの膨らみのそれぞれの中心には、若干硬質な突起の存在を感じられる。
そして、俺は調子に乗って、尻尾を触っていた左手を玲奈の太股の間に滑り込ませ、徐々に上に上にと持っていき、脚の付け根に触れる。
流石にそっちの下着は付けているようで、きちんと布の手触りがある。
俺は右手を玲奈の胸に押し当てながら、左手で玲奈の鼠径部を撫でる。
心臓は今にも口から飛び出そうだし、これ以上ブレーキを緩めると、本当に大変なことになる。
俺はそろそろ止めておくかと両手をどけようとする。
そして、あれだけ高鳴っていた心臓が止まりそうになる。なぜなら…………
「あ…………」
「…………」
玲奈の目蓋は開いていて、ジト目を俺に向けていたからだ。
俺は冷汗が流れるのを感じながら、言葉を失ったまま玲奈の顔を見続けた。
「満足した?」
「…………はい」
コレだけのことをしておいて満足していないなどとほざけば、俺は今ここで殺されるだろう。かといって、今さら「何のことですか?」ととぼけるわけにもいかない。
玲奈は大きく息を吸って────叫んだ……のではなく、呆れたようにため息を吐いた。
「まあ、勝手に遥斗の布団に潜り込んだ私も悪いから……」
「え……?」
「でも、やっちゃいけないことだけは本当にダメだからね?」
玲奈はそう言って、俺の脚に絡めていた自身の脚をすっと布団の中で持ち上げて、俺の股に押し当てる。
「……コレは使っちゃダメ」
「はい…………」
俺は大人しく両手を玲奈の身体から離して、目蓋を閉じた。
すると、一気に意識が遠ざかるような感覚がして────
「…………夢か」
俺はどうやら夕食を食べたあとお風呂に入って、そのまま寝落ちしてしまっていたらしい。
「だよなぁ!? あんなに素晴らしい世界があるわけないしなぁッ!?」
まあ、浴槽で寝ていて溺れなかっただけ良しとするべきか。
いや、どうせ夢ならもう少し先までしておきたかった……。
「はぁ……」
俺は好きな人であんな夢を見るほど末期なのかと自分でも呆れながらお風呂から上がり、パジャマに着替える。
そして、自室に戻ろうとしていたとき────
ピンポーン……と、インターホンが鳴らされた。
俺はこんな時間に一体誰だと心の中で不満を口にしつつ「はーい」と言って玄関の扉を開ける。
すると────
「マジかよ…………」
俺はそう言わずにはいられなかったのだった────
【作者からのお願い】
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( `・ω・´)ノ ヨロシクー