突風
突風
生きていることがとても幸せなはずなのに
生きていることが絶え間なく辛い時がある
生きていることが絶え間なく心を食いちぎる
生きていることは未来への絶え間ない瞬間だというのに
突風が突き抜ける
ちりぢりばらばらになった心を
古くなった箒で掃きよせる
ぐらぐらと動く大地に立たされて
ざわめく声に心が乱され
クリスタルボールは濁って何も見えない
生きていることは祝福されていいはずなのに
生きていくことは絶え間ない努力が強いられる
秋が全てを振り捨て
冬が肌で立ち向かう
私たちは春を待っている
突風が吹き抜ける
自分勝手に容赦なく
へらへらと薄笑いを浮かべながら
生きていたいと人は思う
生きていく権利があると人は信じる
誰のせいでもない
もしくはただ人が返り血を受けただけのことだ
原因不明の恐ろしい力
生きていることを感じる
喜びが胸をくすぐる瞬間
突風が吹き抜けたあと
青空がぐーんと近づく