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41.少しずつ変わっていくようでした。


夜闇に包まれた魔王城。サタンの執務室にいたのはサタンとリュカだった。執務机には書類が積まれ、多忙であったらしい。

サタンは手元の書類に目を通し、リュカに幾つか質問をした後、「それならいいでしょう」と自身のサインを認めた。それをまた、書類の山の上に乗せ、リュカに問う。

「次は?」

「以上で本日及び明日の公務は終了です」

「やっと終わりましたか」

疲れました、とサタンが伸びをした。そんなサタンを労うわけでもなくリュカは書類をまとめていく。

「一日お出掛けでいらっしゃったので。明日も同様、となりますとそれなりに前倒しさせていただかねば様々な事柄が滞ってしまいます」

「そうですね」

「僭越ながら申し上げますが、あまり出歩くのは控えていただきたいと思います」

「……そうですね。……サクを」

「はい」

「私の部屋付きにします」

唐突な言葉にリュカが手を止めた。サタンの方を見るが、サタンはいつもと変わらないような表情だった。どうやら本気らしい。

「……時期尚早とマリーからは聞いていますが」

「マリーを主に据えて、サクをその補佐……見習いのようなものですかね。そうすればサクも動きやすいでしょう」

「ですが、入って数ヶ月、それも人間を御付きにするのは如何なものかと」

「……ベリアルの対策という意味もあります。そもそも今日、彼はどうやって入って来たのですか?」

「……大変申し上げにくいのですが、城に入ったところまでは確認しております。その後、案内をさせていた者が幻術にかけられたようでして」

「…………」

「その隙にあそこまで忍び込んだ模様です。……申し訳ありません。教育及び警備を強化致します」

「……その案内をしていた者は?」

「今は幻術は解けておりますが暫く謹慎を命じております」

「何か体調不良でも?」

「いえ、そういうわけではないのですがいくら客人とはいえ外部の者相手に油断しすぎだということで」

「そこまでしなくてもいいですよ。まぁ、再教育くらいは命じますが」

「はい」

「体調に問題が無く、本人に意欲があれば仕事に復帰させなさい」

「よろしいのですか?厳罰など……」

「……これがその辺の賊なら思うところもありますが、ベリアルですからね。そうそう太刀打ち出来る相手でもないし……以後気をつけるように、と」

「御意」

「……と、いうわけで、ベリアルの狙いがサクなら側に置いておくしかないでしょう」

「…………」

「何か異論が?」

「……いえ、そこまでお決めになられているのでしたら。……二人にその話は」

「明日します」

「……御意。サタン様の御心のままに」

もう何を言っても無駄だと判断したのか、リュカが頷く。それで落ち着くならばよいだろうと。


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