15.また土曜になりました。
平日は何事も無く時間が過ぎる。学校に行って授業受けて帰って本読んだり宿題したり。その辺は今までと何も変わらない。
そうして土曜、今日はちゃんと十分前に行ってみた。
「おや、今日は早いんですね」
「早く来いみたいな事言ってたじゃないですか……」
「はい。ちゃんと守れるのはいい子ですよ」
にこ、と微笑まれて頭を撫でられた。子供扱いがひどい。けれどそんなに嫌じゃないと思
う自分もいる。この歳になると頭撫でられる事なんて早々無いからさぁ……。
「サクちゃん、行きましょうか」
「はい」
「行ってらっしゃい」
「はい、行ってきます」
マリーさんとサタンの部屋を後にする。行ってきますって言ったけどどうせまたちょこちょこ来るんでしょ?知ってる。
「今日も掃除してもらおうと思うんだけど、先週までの内容は覚えてるかしら」
「……多分……?」
「じゃあ、おさらいがてら客間の掃除しましょうか」
「はい」
マリーさんと客間に行く。この間とは違う部屋だった。
「今日は床までやれたらいいわね」
「頑張ります」
って言ったけどサタンが来なければ多分いけるんじゃないか?あの人がちょくちょく来るせいで手も止まるし集中力もどっかいっちゃうんだよ……、
「仕事してますか?」
「うわ!?」
背後から声を掛けてきたのはサタンだった。来るの早くない?そして何しに来たの?
「今始めたばかりですよサタン様」
「そうですか。少し見ていても?」
「お仕事はいいんですか?」
「……ええ」
一瞬の間が気になった。多分よくないんじゃないかな?リュカさんに怒られない?怒られていっそ。そして部屋から出てこないで。
「……じゃあ、やりましょうか、サクちゃん」
「はい」
結局サタン監視の元掃除をするらしい。サタンはベッドの端を陣取ってしまった。マリーさんが言うならしょうがないか、とはたきを持って、前回教わった通り上から埃を叩いていく。
しかし掃除してるとこなんて見て面白いかね。埃被ったりしないんかな。ちら、と見てみたけどサタンはにこにこと見ていた。楽しいのか?
文句を言ってもきっと無駄だろうな、と掃除に集中するのだった。




