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14.月曜日になりました。


月曜日、何とも気だるい身体を引きずって登校した。土日もバイトしてたら体力保たないと思うんだけど大学生ってすごくない?何なら平日もバイトしてる人いるよね。すごい。

登校するだけでもしんどい。机に鞄を掛けて一息ついた。

「美夏ちゃんおはよー」

「あ、……千春。おはよ。……元気そうだね?」

いつもと変わらない、いやいつもよりもっと元気な様子の千春に声を掛けられた。私結構ぐったりしてたけど?あれ?普通だな?

「だってもう幸せで幸せで」

語り始める千春。曰く見たことも聞いたことも無い本が大量だとか色んな魔術を覚えられるとか、天職だったらしい。

「……あ、でも司書の人が微妙だった」

「微妙?」

「うーん。無口でね、ずっと本読んでるの。何したらいいですかとか聞いても無反応だったから勝手に埃払ったり本を題名でアルファベット順に並べたりとかしてるんだけど。合間にその本読んだりとかもしてるけど何も言われなくて」

「へぇ……」

楽そうでいいな、と思ってしまった。本読んでもいいんだ……。羨ましい。

「美夏ちゃんは?メイドってどうなの?」

「……マリーさんっていう人が上司、でいいのかな。仕事教えてくれたりするよ。優しくて綺麗な人」

「そうなんだ。仕事は?」

「土曜はお城の案内してもらって、昨日は掃除してた。……でもサタンがめっちゃ様子見に来るから心底邪魔だった……」

「邪魔って。サタン様に何てこと言うの……」

「だってもう三十分くらいおきに来るんだよあの人……。しかもマリーさん曰くあの様子だとまともに自分の仕事してないとか言ってたし。自分が仕事しないのに人の仕事は気にするって何なの」

「……気に入られてるんじゃない?」

「マリーさんにも言われた……」

結局はそこに落ち着くもんなのか。気に入られてるというよりは、物珍しさで構われてるだけのような気もするんだけど。

「そういえば千春の勤務時間ってどうなってるの?」

「司書さんが何も言わないから朝起きたら行って、気が済むまでやってるよ。あとはずっと本読んでるから……十三時間向こうにいるけど仕事?してるのは三時間もないんじゃないかなぁ……」

めっちゃ本読んでたこの子。気持ちはわかるけど。時間無制限本読み放題とか読んじゃうけど。それでも十時間は無いな……。

「ていうか何で十三時間?」

「悪魔的に十三かなって。六じゃ短いから」

「そういう……」

変な拘りだった。ラッキーナンバーみたいなものかな。確かに悪魔といえば六か十三って感じはするので納得はした。

「でも美夏ちゃんも大丈夫そうで安心したよ」

「ああ、うん、何とかね……」

これからも頑張ってね、と笑う千春。頑張るしかないよねぇ、と笑っておいた。



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