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93.勇者グスカス




《グスカスSide》



 ジュードが田舎でスローライフを楽しんでいる、一方その頃……。

 彼を虐げた男、グスカスがどうなってるのか。



    ☆



 グスカス=フォン=ゲータ・ニィガ。

 彼はゲータ・ニィガ王国の王子にして、勇者の職業ジョブを与えられた男。



 幼い頃から自分は才能のある人間だと思っており、周りに対しても尊大な態度をとっていた。

 彼を幼い頃から指導していたのは、当時まだ王都にいたジュード(ジューダス)だ。



 グスカスは、いちいち指導してくるジュードのことがうざったくて仕方なかった。

 また、同じパーティメンバーの魔法使い、キャスコに横恋慕していたこともあって、ジュードが嫌いでしかたなかったのである。



 数年後、グスカスはジュード、そしてパーティメンバーたちとともに魔王を倒しに行くも……。

 しかし、グスカスは怖じ気づいてしまい敵前逃亡。



 魔王はジュードが仲間とともに倒してしまう。

 だがジュードが王都に帰る前に、グスカスは周りに、彼が裏切り者だと吹聴する。



 また父に自分の手柄にするように言う。

 結果、グスカスは魔王を倒した英雄、ジュードは敵前逃亡した裏切り者扱いされてしまったのだ。



 ……だが、グスカスの人生の絶頂はそこまでだった。

 ジュードを慕っていた弟王子、キースの逆鱗に触れたのだ。



 キースは幼い頃に、ジュードに助けてもらった恩があった。

 だから、ジュードを追放した兄グスカスのことを許せなかったのだ。



 キースの計略によって、グスカスはドンドンと落ちぶれていく。

 唯一の心の支えだった鬼の少女、雫すらも、実はキースの手のものだった。



 結果、グスカスは雫に裏切られて、川に落とされてしまう。

 ……その後、いろいろあってグスカスは奴隷に墜ちた。



 奴隷として貴族の屋敷に仕えることになったグスカス。

 果たして彼はどうなってしまうのか……。

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