141.
《ジュードSide》
俺はキャスコの魔法を使って、グスカスを連れ戻してきた。
オキシーはグスカスをにらみつける。
「ジュードさん、なんでこいつを連れてきたんすか? キャリ姐さんのほうが戦力になるっすよ!」
確かにキャリバーのほうが単体攻撃力で言えば上かも知れない(二刀流だし)。
だが……。
「グスカスにしか、使えない力がある。それが今回大いに役に立つんだよ」
「なんすかそれ……こんなのが役に立つとは思えないっすけどね」
オキシーのあたりが強い。
だが、グスカスがやらかしたことを考え見れば、そういう態度になってしまうのは仕方ないことかもしれない。
とはいえ、連携は大事な
リーダーとして仲良くするように言おう……。
「大丈夫だ、ジューダス」
グスカスの瞳に迷いはなかった。
「おれは、大丈夫だ。やるべきことをやる」
黄金の剣を片手に、敵を真っ直ぐに見据えながら言う。
……ったく、グスカス……おまえ、大きくなりやがって!
「頼むぜ、グスカス」
「ああ、任せとけ」
その間に、ガス状ボスが俺たちにむけって、攻撃を仕掛けてきた。
ガスを固めて作った腕が飛んでくる。
「防御するっす!」
「いや、おれに任せてくれ」
「はぁ!? あんたに何ができるんすか!? 相手は体がなくて、物理攻撃が通じないんすよ!?」
俺たちが苦戦してるのは、オキシーが説明してる通り。
敵の本体はガスなのだ。だから、いくら攻撃しても倒せない。
しかし……今はグスカスが味方に居る。
「破邪の剣を持つ、グスカスがな! いけ!」
「おう! ぜやぁああああああああ!」
ズバアアアン……!
グスカスが剣を振るうと、黄金の波動が広がる。
ガスの腕は、まるで溶けた氷のようにあっさり消えた。
「な、なんすかいまの……?」
「これがグスカスの力だ。勇者は破邪の聖剣を使う。浄化の力。それが、勇者の強みの一つなんだよ」
魔王戦において、敵は毒を使ってきた。 グスカスが居れば毒攻撃を浄化できていたのだ(あのときはグスカスが逃げてしまったので、指導者の見抜く目で毒を避けた)。
「う……ここは……」
「キャリバー、起きたな」
キャスコにキャリバーを救出に向かわせておいたのだ。
「よし……これで、勇者パーティ、完全復活だ」
本来、魔王を倒す予定だったメンツが、そろった。
そして前回と違い、今回はちゃんと、勇者がついている。
「いくぜ、完全な勇者パーティ……最初にして、最後の戦いだ!」
「「「「はい!」」」」




