123.勇者グスカス
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
『魔王……これから倒す……だと!?』
あり得ない話だ。
魔王はとっくの昔に倒されたではないか。
困惑しながら、グスカスはジューダスに尋ねる。
『なあ……まじでこれからなのか? 魔王戦』
『? おうよ』
『…………』
ジューダスが冗談を言ってるようには思えない。
キャスコ、そしてそのほか勇者の仲間も、グスカスが困惑する姿に、逆に困惑してる様子だ。
『わ、悪い……ちょっと席はずすわ……』
グスカスは野営地から少し離れた場所へと移動する。
空を見上げると、そこには満天の星空が広がっていた。
『……ダンジョンの中じゃあ、ねえよな』
つい先ほどまで、グスカスはダンジョンのボス部屋にいたはず。
だが一瞬で外でてきて、さらに魔王戦まで時が遡ってる……。
『時間遡行……? そんな……まさか……』
何らかの術式が発動し、時間が巻き戻った可能性も、ゼロではない。
だがそんな大規模な魔法が使われたとは思えなかった。
時間を巻き戻す魔法を、現代で再現できたものはいない。
現代最高峰の魔法使いである、キャスコですらできないレベルの話なのだ。
ダンジョンの地下にそんな魔法が使えるやつがいたとはおもえない……。
『グスカス。大丈夫か?』
『ジューダス……』
ジューダスが心配して様子を見てきたようだ。
……この反応は偽物ではない。
現実のジューダスもそういうやつだ。
全体を見渡し、何か不具合があればすぐにケアしようとしてくる。
『なんだ、魔王戦を前に緊張してるのか?』
『…………ああ』
素直に、グスカスは答えていた。
普段のグスカスなら虚勢を張っていたところだろう。
だが今のグスカスは、いろんな出来事を経てここにいる。
『おれじゃ……魔王を倒せない』
そんな素直な言葉、するりとでるくらいには、グスカスは身の程をわきまえていた。
ここが過去の世界だと仮定して、たどるであろう運命はおそらく変わらない。
『当たり前だろ』
ジューダスは笑顔で、グスカスの頭を撫でる。
『おまえ一人じゃあ、倒せない。みんなで倒すんだからさ』
『…………』
ここがどこで、今何が起きてるのかわからない。
ただ、それでも目の前にいるこいつは、ジューダス本人だ。
今の発言で、グスカスは完全に、目の前の人物をジューダスであると信用した。
そして……今ここが本当に過去の世界であると、確信した。
『ジューダス……おれ、やり直せるかな』
悲劇を、回避できるかもしれない。
過去の失敗を、無かったことにできるかも知れない。そんな希望の糸が目の前に垂れていた。
『? 何言ってるのかわからねえよ』
『ああ……そうだよな。うん……』
今何が起きてるのかわからない。
だが過去に戻ったのなら好都合だ。
やり直すのだ。
もう一度最初から、魔王と勇者の戦いを。
【★新作の短編、投稿しました!】
タイトルは――
『俺だけステータスオープンできる件~ごみスキル【開く】のせいで実家を追放されたが、ステータス確認できる俺はチートスキルもS級アイテムも選び放題。馬鹿にした皆、金も名誉も手にした俺を見てねえ今どんな気分?』
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