113.勇者グスカス
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
さて、グスカスは慎重にダンジョンを攻略していた。
かつてのように、無駄に目立とうとはしなかった。
魔物がいない道を選び、ひたすら慎重に進んでいく。
職業のない現在、魔物と戦うのは愚行と言えた。
だが……。
「いやああ! たすけてぇえええええええええええ!」
ダンジョン奥へと進む途中、女の悲鳴が聞こえてきたのだ。
グスカスも、そして背負われてる怪我人もその声に聞き覚えがあった。
「「ティミス……!!」」
グスカスをいじめていた女、ティミスだ。
もとより彼女が勝手にダンジョンに入ってしまい、それを探す目的で、グスカスもまた危険地帯に飛び込んだのだった。
「今……悲鳴が……! もしかして魔物に……」
「……ああ、襲われてる可能性が高いな」
どうする、と怪我人は言わなかった。
彼はもちろん、魔物と戦えない。グスカスも職業がないため戦う手段を用いない。
魔物からティミスを助けることなんて……できない。
無茶だ。無謀だ。
聞かなかったことにしよう。そうしよう……。
「ああくそ!!!!!」
体の内側から湧き上がる、冷静な意見を無視して、グスカスは怪我人をその場に下ろす。
「グスカス! 何をするんだ?」
「決まってんだろ……ティミスたすけんだよ!」
「ば……ばか……! おまえまで死んじまうだろ! 危険すぎる!!!!!」
「んなのは百も承知なんだよぉお!」
行けば死ぬ。
それがわかっていても、今のグスカスにはほうっておけなかった。
自分と同じく弱い人間を、放置していくことなんてできない。
「おまえ、勝算はあるのか?」
「……ない、ことも、ない」
グルカスは、ここへ来る途中、ジュードから教わった知識を必死になって思い返していた。
すると、いくつかこの体でも使える技能を思い出していた。
だが……。
それを使えたとて、勝てる見込みは限りなくゼロに近い。
それでも……助けるのだ。
「いってくる。てめえはここで待ってろ」
「あ! グスカス! おいやめとけって! ぐすかーす!」
グスカスはティミスの元へと走る。
もういやなんだ。
自分と同じ弱者が、理不尽な暴力にさらされるのを……。
見たくないのだ。
【★新連載はじめました!★】
タイトルは――
『「学園トップの美少女【雪姫】と付き合ってるなんてウソだよね!?」と王子さま系元カノが泣きながら僕に謝ってくるけどもう遅いです~浮気され傷心中の陰キャ高校生をめぐる壮絶な溺愛合戦~』
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