108.
《ジュードSide》
俺はキースが集めた冒険者たちと一緒に、ダンジョンを攻略することになった。
各地に出現した10の入り口からそれぞれパーティが入って、同時にダンジョンを攻略するという物。
「またジュードさんとパーティ組めて、うれしっす~♡」
元同僚、女騎士のオキシーが俺のうでに抱きついて、笑顔で飛び跳ねる。
俺もみんなとまたパーティが組めて、うれしくはある。
「ば、ばかオキシー! キャスコが見てる前でなんてことしてるんだ! 離れろ!」
真面目な女剣士、キャリバーがオキシーを引き剥がそうとする。
別にじゃれてるだけだから、気にしないし。キャスコが見てるとどうして駄目なだろうか。
するとキャスコはいつも通りの微笑みを浮かべながら言う。
「……大丈夫ですよ♡ 私たちの愛は、その程度では揺るがないので」
「ほわー! これが正妻の余裕ってやつっすかー! くぅ! ちょーうらやまー!」
ま、キャスコも大人だし、これくらいじゃ動揺も嫉妬もしないだろう。
……って、思ったんだが。
「キャスコ君、どうして空いてる方の腕に、ひっついてるのかな?」
「……さぁ、どうしてでしょう?」
にこーっと笑みを浮かべながら俺を見上げてくる、キャスコ。
やっぱり焼き餅焼いてるのか。
大人になったなって思ったけど、まだまだ子供だな、やれやれ。




