104.
《ジュードSide》
王子キースから頼まれて、国内に突発的に発生したダンジョンを、攻略することになった。
俺たちの家があるノォーエツを出て、一旦王都へと向かう。
王都冒険者ギルドには、キースの呼びかけで、たくさんの冒険者たちが集まっていた。
「すっげえな。こんなたくさん、作戦に参加するんだなぁ」
あまりの大人数っぷりに驚かされてしまう。
だがどいつも手練れであることはわかった。
俺には【見抜く目】という特別な目が存在する。
それを使えば、いや使わなくても、集められたのが精鋭揃いであることがわかった。
「ジュードさーん!」
「おー、ボブちゃん」
ショートカットの少女、ボブが、ぶんぶんと手を振りながら近づいてくる。
その隣には、キースの側近の、鬼少女がいた。
「お久しぶりです、ジュード様」
「どうもどうも、確か雫ちゃん……だっけ?」
「はいっ」
鬼少女、雫ちゃんは俺に深々と頭を下げる。
礼儀正しい子だなぁ。
「君らも参加するの?」
「そうですっ」
「キース様はこの未曾有の危機に立ち向かうべく、手練れの冒険者をそろえました」
なるほど、たしかにボブちゃんも結構つよいしなぁ。
そこに加えて、俺たち元勇者パーティもいれば、まあ問題ないか。




