2話 ~ 雨時々召喚魔法 ~
…場面は変わって王都…
「ほほぉ~ きょ~もいいてんっきじゃのぉ~~」
ほのぼのした顔で言う王様。
「ですなぁ~王様。 ところで、本日のご予定ですが…」
「大臣よ。こんないい天気なんじゃ。今は仕事の話などするでn…」
「なぁ~~~にをまじめな顔でおっしゃっているんですか!」
「ひぃ~~ 大臣はいつもおっかないのぉ~~」
大臣のキレのいいツッコミが入ったところであたりは急に暗くなった。
「何事じゃ…!」
「王様!! 王都北の山上空より黒い雲が!」
突然兵士が入ってきてそう告げる。
それを聞いて、王様と大臣が目を丸くして顔を見合わせた。
「なななな何が起こっとるんじゃ大臣!」
焦り始める王様。
「わわわ私にもわかりませんよ王様!!」
つられて大臣も焦りだす。
「物見台より伝令! 雲の切れ間から城が現れたとのこと!」
「だだだだ大臣どうしようどうしよう」
恐怖に震える王様。
そんな中、大臣が古い書物の言い伝えを思い出しつぶやく。
「雲の切れ間より城現れし時、異世界より勇者現る…」
「それじゃ大臣!!!」
「でも一体どうやったら勇者なんて現れるんですか!!」
王様は少し考えた後、頭の上に電球を光らせた。
「召喚魔法じゃよ! 我が家に代々伝わるあの禁じられた!」
「あれを… やるんですか…?」
開いた口が塞がらない大臣。
「や、やるしかないじゃろう… いくぞ…!!」
王様は気合を入れると、目を瞑り何やら奇妙な呪文をつぶやき始めた。
「ふにかる ふにかれ ふにはら ふにはれ」
「王様… そんな呪文でしたか…?」
「ほふもに ほふもに」
そういい終えると目をかっぴらき大声で
「はい! ほい! ふい! へい! そい!」
言葉とともに光を放つ王様。
「王様…… もしかして……」
大臣が不安そうに尋ねる。
「ふぅ。 5人も召喚してしまったわい。」
「5人!? 王様… それはいくら何でもやりすぎじゃ…」
「なぁに気にすることはない。 人数は多いほうがいい。」
「そ、そんなぁ……」
開いた口が塞がらない大臣。
と、そこへ兵士が大勢報告に来る。
「王様!! 各地で謎の光が観測されています!!」
「いったい何事ですか!!」
「この国は大丈夫なんですか!!」
「まぁ慌てるでない。 城下の者たちを皆、城門へ集めるのじゃ。」
「「「はっ!!!」」」
そういって兵士たちは各々の仕事に戻っていった。
「この国はどうなるんでしょうか……」
「そう慌てることはない。 時機に彼らが訪れるであろう。」
王様はいつになくまじめな顔でそう言った。
次の瞬間ニコッと笑って…
「どんなやつがくるかのっ!」
「王様!!!!」
遅くなりました。
そして少し長くなりました。
王都編始まりましたがいかがでしょうか。
次回も王都編が続きます。