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五稜郭防衛線

五稜郭防衛戦

黄巾党11万人VS日本幕府軍2万4千5百人


黄巾党軍


指揮官:不明


一般兵11万人





日本幕府軍(箱館奉行)


指揮官:杉浦誠箱館奉行


五稜郭防衛部隊3千5百人




増援部隊:松前藩、幕府軍調査兵団


松前藩


指揮官:松前勘解由


松前藩兵1千人



幕府軍調査兵団


指揮官:大鳥圭介


2万人











五稜郭には箱館奉行に務める武士や、箱館の男たちを動員した臨時の防衛部隊が出来ていたが、その武装は槍や刀、火縄銃や弓など、貧弱であった。しかしながら、五稜郭には幕府陸軍が阿蘭陀オランダ白耳義ベルギーから購入したミニエー銃45丁と四斤山砲4門が少数ではあるが配備されていた。


兵士達には、韮山笠と呼ばれるこよりを編んで黒漆を塗った、平たい円錐形の笠を配布し、杉浦誠は陣笠をかぶり鎧を着て出陣した。奉行所に務める武士の中には先祖代々伝わる鎧兜を着込んで出陣してくるものもいた。



少しずつ、近づく黄巾党軍に対して杉浦は采配を使い、砲兵に砲撃を命じた。









袁術軍は黄巾党の分隊を撃破すべく出撃したが、黄巾党の野営地はもぬけの殻であり近隣の民の話によると交州方面に向かったとの話だった。そして、その話の中で奇妙な土地の話も出てきた。


「なんだ、そういうことなら帰ってもよいのではないかの?」


「ダメですよ、お嬢様。さっきの話を聞いてなかったんですか?奇妙な土地ですよ。行ってみる価値があると思えませんか?」


「しかし、妾は疲れたのじゃ。もう、城に帰りたいのじゃ。その様なことは孫策にでもやらせれば良いのじゃ。」


「それじゃあ、何かあったときの手柄を孫策さんに取られちゃいますよ。」


「確かに、それは嫌なのじゃ。」


「だったら、黄巾党を追いかけましょう。」


「うむ、七乃がそう言うなら行ってみるかの。」


こうして袁術軍は黄巾党を追うこととなった。





黄巾党は混乱に陥っていた。突如、轟音が響いたと思えば爆発が起き味方が死んでいったのだ。


しかし、混乱は直ぐに収まり、進軍を始めた。


その頃には松前藩兵が五稜郭近辺に援軍として現れた。


直ぐに、五稜郭の中に松前藩兵を迎え入れた。




ミニエー銃を持った武士たちの射程に黄巾党の部隊が入ったため、各個射撃を開始した。


次に、火縄銃を持った武士や足軽が射撃を開始。


黄巾党は矢を放つが、五稜郭の土塁や石垣に阻まれなかなか矢が届いていないが数の差で乗り切ろうとしていた。


四斤山砲からの砲撃やミニエー銃、火縄銃などの攻撃に耐えながら、黄巾党は五稜郭の先端にある半月堡にたどり着いた。すると、事前に準備しておいた攻城用梯子を半月堡にかけて登ってきていた。


しかし、それに気付いた杉浦は松前藩兵に命じて半月堡にかかる橋を落とした。


黄巾党の兵士は大慌てで橋を渡ろうとしたが五稜郭側の矢に阻まれ、渡ことが出来ず橋を切り落とされてしまった。


結局、幕府の調査兵団が来るまでの1週間たいして両軍とも動かず、銃や大砲・弓での遠距離での応戦ばかりしていた。


しかし、幕府の援軍を得て五稜郭からの銃撃はより一層激しくなった。調査兵団の銃兵は薩長より奪ったスペンサー銃を大量に配備しており、連射も出来ることから銃撃が激しくなった。


それを黄巾党も黙ってみているはずもなく、遂に攻勢を開始した。








「ううう、寒いのじゃ七乃。」


「そうですね、お嬢様。まさか、こんなに寒いとは・・・」


袁術軍は蝦夷の寒さに苦戦しながらも強行軍で黄巾党を追撃していた。


「張勲様!!前方に黄巾党を発見しました。」


「わかりました。では、背後から奇襲を仕掛けます。」


「はっ!!」











黄巾党の兵士たちは斧を使って城門を破壊しようとしたが、銃撃や矢による攻撃が激しく、士気が低下し始めていた。


そして、遂には敗走する兵士も出始めていた。



「今です、突撃!!」


そこに袁術軍が背後より奇襲攻撃を仕掛けてきた。幕府側もこれを逃さず、門を開き討って出た。


特に松前藩兵を中心とした近接部隊は黄巾党の兵士をあったかいバターを切るかのように次々と斬っていった。


これに怖気づいた黄巾党の兵士達は命からがら逃げようとするが、それを袁術軍がどこまでも追撃していった。


この際、幕府軍側は第三勢力である袁術軍と事を構えたくなかったからだ。


かくして、五稜郭は大した被害もなく、箱館の町も守ることができた

松前勘解由まつまえかげゆ松前崇效まつまえたかのりとも名乗っている。マシュー・ペリーの箱館来航時に松前藩の代表として応接、名を高める。その後、筆頭家老として、外様大名ながら寺社奉行および老中を勤めた主君・松前崇広を支えるが、大政奉還後、勘解由の藩運営に不満を抱く尊王派の正義隊によるクーデターで失脚し自刃した。

陣笠じんがさ:時代劇鬼平犯科帳の鬼平が被っている傘。幕末をモデルにしたドラマなどでは旧幕府軍の指揮官が被っていることが多い

韮山笠にらやまがさ:幕末のドラマなどで一般の兵士や藩兵がよく被っている傘

ミニエー銃:幕府軍がオランダ、ベルギー製のものを輸入使用した。ただ、戊辰戦争や箱館戦争では新政府・幕府両軍はあまり使われなかった。

四斤山砲よんきんさんぽう:オランダやフランスから入手したもののほか、関口製造所でもコピー生産した

采配:戦国時代から使われているもので、千切りの紙片や獣毛などを細長く垂らしたもので、振って合図を送るために用いられた。松平容保が写真を撮った際にも手に采配を持っていた

雲梯車:城壁に接近させてから、梯子を降ろして、兵士を突入させる兵器で、一番上に突入する兵士、下には、城からの攻撃に対応、弓矢や矛を持った兵士がいて、突入する兵士を援護する。

スペンサー銃:NHKの大河ドラマ八重の桜で主人公新島八重が戦闘の際に持っていた銃として有名

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