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情勢

94000PVアクセス並びに19000ユニークアクセス突破出来ました、今後も本作を宜しくお願い致します。

大陸歴438年霧の月十六日・ダンジョン・多目的ルーム


魔龍討伐隊の殲滅と眷族の闇神官ダークプリーストリリアーナの誕生から一夜が明けた霧の月十六日、救出されたミリーナ達とサララ達は多目的ルームにてアイリス達と改めて対面していた。

「アイリス様、窮地を救って頂き深謝致します、私はミリーナ・フォン・ベアルン、ヴァイスブルク伯国第九騎士団の団長を務めておりました」

「オクタヴィア・フォン・ヴァレンシュタインです、第十騎士団に所属していました」

「ジュリアンナ・フォン・パッペンハイム、オクタヴィアと同じく第十騎士団所属であります」

「ミスティア・フルンツベルクです、第九騎士団にてミリーナ様の指揮を受けておりました」

「ティリアーナ・ホーフェンシュタウヘンです、ミスティアと共にミリーナ様の配下を務めていました」

「システィーナ・クロンシュタットです、ミリアリア様が指揮されていました第三騎士団に所属していました」

「……ラナ・セヴァストポリ、同じく第三騎士団に所属していました」

「イレーゼ・フォン・ドレスデン、第二騎士団所属であります」

「マリアリーゼ・フォン・バウツェン、イレーゼと同じ第二騎士団所属です」

「ゼーリア・コメート、第一騎士団に所属しておりました」

ミリーナ達は次々にアイリスに対して自己紹介を行い、それを受けたアイリスが鷹揚な笑みと共に頷いた後に視線をサララ達に向けるとサララ達はが深く一礼した後に自己紹介を始めた。

「アイリス様、私達だけでなくアイリーン様までも救出して頂いておりました事深く御礼申し上げます、私はサララ・ド・ジョッフル、リステバルス皇国第五騎士団で団長を務めておりました。彼女達は部下になります」

「イストリア・ド・アクィラと申します」

「メルクリアス・ド・スピルバロエですわ」

「カリアーナ・ポーラです」

「ローザンナ・フィーメです」

「リーアン・ド・メララであります」

「アークティア・ド・アレサンデルです」

「マーメリア・カブールです」

「アドリアーナ・ドリアです」

「……セレスティア・ド・デュリオです」

「ジュナ・ド・チュザーレですわ」

「レザリーヌ・ド・ガリバルディです」

サララ達は自己紹介を終えた後にもう一度ミリーナ達と共にアイリスに向けて深々と一礼し、それを目にしたアイリスは苦笑を浮かべながら呟きをもらした。

「……ホントに貴女達エルフや狐人族って義理堅いわね」

「……あの状況から救ってくれたのだから深謝するのは当然を通り越して必然だ、私からも言わせてくれ、本当にありがとう、アイリス」

アイリスの呟きを聞いたミリアリアは穏やかな眼差しでアイリスを見詰めながら語りかけ、アイリスは頬を仄かに赤らめさせながらはにかみを浮かべた。

「……もうっ最近のミリアはホントに凄いわね、あたし押されっぱなしよ……でもありがとうミリア、ホントに嬉しいわ」

「……へ?あ、いや、その、こ、これくらい何でも無い」

アイリスがはにかみながらも嬉しそうにミリアリアに言葉を返すとミリアリアは真っ赤になりつつ応じ、アイリスはその様子を愛しげに一瞥した後に視線をミリーナ達とサララ達に戻して口を開いた。

「改めてはじめまして、あたしは魔王アイリス、このダンジョンは来る者拒まず去る者追わずがモットーよ、魔王のあたしに従ってたら最悪世界が敵になっちう可能性もあるからしっかりと休んで体力や気力が回復してから去就を決めて頂戴」

「アイリス様、寛大な御言葉は本当にありがたく思います、ですが既に私達は既に去就を決めています」

「……私達も同様です」

アイリスから挨拶と去就に関する説明を受けたミリーナとサララは即座に言葉を返し、一拍の間を置いた後に同時に口を開いた。

「「起立!!」」

ミリーナとサララの口から号令が出ると同時に救出された女エルフ達と狐人族の女達は一斉に起立して直立不動の態勢を取り、それを目にしたアイリスが静かに威儀を正すとミリーナとサララが更に号令を下した。

「「敬礼!!」」

ミリーナとサララが号令しながらアイリスに敬礼を送ると起立した女エルフ達と狐人族の女達が敬礼を行い、それを目にしたアイリスは少しぎこちない動作で一礼して応じた後に敬礼を終えたミリーナとサララに語りかけた。

「……本当に、良いのね?」

「……愚問です、アイリス様、あの地獄の様な虜囚生活から救って下さったのです、それだけで十分です」

「……我々はそれに加えてアイリーン様までお救い頂いているので、ここまでして頂いているにも関わらずここを去る事を選択する、騎士の道を選んだ私達にその様な選択等断じてありえません、もし世界が敵になったとしても躊躇わず私達に前進を御命じ下さい、アイリス様」

アイリスの問いかけを受けたミリーナとサララは迷い無く返答し、それを受けたアイリスは無言で頷いたのを確認した後に皆を着席させた。

「……貴女達の答え、確かに受け取ったわ、それじゃあ早速現在の情勢を確認するわね」

アイリスがそう言うと同時にロジナ候国軍の陣営再建部隊とヴァイスブルクに帰投中の部隊、そしてダンジョンに向けて移動中のマリーカ達とそれを追跡しているラステブルク伯国軍の猟兵部隊が矢印や光点で記されたダンジョン周辺の地図が表示され、アイリスはマリーカ達を示す青い矢印を示しながら皆に対して口を開いた。

「既に知っている者もいるけどもう一度確認しておくわね、これは現在使い魔達によってこのダンジョンに誘導されているヴァイスブルク伯爵家宗家唯一の生き残りマリーカ・フォン・ヴァイスブルクと護衛をしているアナスタシア・フォン・リーゼンダールとエリーゼ・カッツバッハの3名よ」

「……マリーカ様が御無事!?」

アイリスの説明を聞いたミリーナが思わず声をあげたのに続いて救出された女エルフ達がざわつき、アイリスは頷きながら片手を掲げてそれを制した後にラステブルク伯国軍猟兵部隊を示す矢印を指差しながら言葉を続けた。

「これは彼女達を追撃しているラステブルクの連中よ、本来はダンジョンでこいつらを迎撃する予定だったんだけど少し状況が変化してるわ」

アイリスが説明した通り昨日までマリーカ達を追撃していた筈の猟兵部隊の矢印は徐々にマリーカ達と遠ざかる様に移動し始めており、それを確認したミリアリアは怪訝そうな面持ちになりながらアイリスに問いかけた。

「……何かあったのか?」

「……ええ、ラステブルクの連中がロジナの連中に向けて放った伝令が壊滅した魔龍討伐隊の事を調べてたロジナの連中と接触したの、その後で状況を報されたラステブルクの滅龍騎士と猪隊長が物凄く言い争ってたんだけどこの様子を見ると滅龍騎士が意見を押し通したみたいで朝から陣営を再建中の部隊の方に進路を変えたの、恐らく合流するつもりなんじゃないかしら、何にせよこれでダンジョンに向かってるヴァイスブルクの御嬢様達の安全はほぼ確実になったわね、もう少し近付いて来たらこちらから救出部隊を出撃させて彼女達を救出する事にするわ」

ミリアリアの問いかけに対するアイリスの返答を聞いた一同の間から安堵の溜め息がもれ、アイリスはそれを聞きながらダンジョンへと向かうマリーカ達を示すと更に言葉を続けた。

「救出隊の編成はミリアを隊長にミランダ、ライナ、リーナ、アリーシャよ、使役獣の双角龍と珊瑚龍を配属しておくわ」

「……ああ、任せてくれ、アイリス」

アイリスはそう言いながら双角龍と珊瑚龍のカプセルを手渡し、ミリアリアは礼を言いつつカプセルを受け取ると触れ合ったアイリスの手を少しぎこなくではあるが優しく握り締めた。

「……み、ミリ……ア」

「……ありがとう、アイリス、何時も尽力してくれて、本当に感謝している、何時もすまない、アイリス」

ミリアリアの行動にアイリスが思わず頬を赤らめながらミリアリアの名を告げるとミリアリアは頬を赤く染めながら感謝の言葉を告げ、それを受けたアイリスは頬を更に鮮やかに赤らめさせながら言葉を続けた。

「……ホントに最近のミリアには押されっばなしね……こんな大胆に言ってくれて……嬉しい」

「……へ?……っあ」

アイリスの言葉を受けたミリアリアが間の抜けた声をあげた後に自分がどの様な場所にいるのかを思い出して周囲の様子を窺うと一同は頬を赤らめながらミリアリアとアイリスを見詰めており、ミリアリアは瞬時に笹穂耳まで真っ赤になりながら慌てて口を開いた。

「……あっ嫌……これは、その、ちがっ……いや違くは無いが、そのつい反射的にと言うか……咄嗟にやってしまったと言うか……あっ……その、ち、違うんだぞアイリス……その、決して後悔してる訳では無くて……その……何と言うかだな」

真っ赤になってしどろもどろに言葉を続けるミリアリアと、そんなミリアリアを頬を赤らめさせたまま愛しげに見詰めるアイリス、そんな2人の様子を見ていたアイリーンは仄かに頬を赤らめさせたまま傍らのクラリスに囁きかけた。

「……フフフ、相変わらずですわねミリアリア様は、まるで誰かさんを見ている様ですわね、クラリス」

「……か、からかわないで下さいアイリーン様、そ、それに私は、も、もう少しマシだった筈です」

「……そうかしら?割と似たり寄ったりな感じだったわよ」

アイリーンに話しかけられたクラリスが頬を染めながら抗議の声をあげているといつの間にかクラリスの隣に座っていた闇神官ダークプリーストリリアーナが容赦無い言葉をあびせかけ、クラリスはジト目になりながらリリアーナに向けて口を開いた。

「あ、姉上には関係無い話です、それといつの間に来たんですか」

「影潜りの練習を兼ねてクラリスの影を経由して来たのよ、まあ、それは兎に角端から見れば貴女もミリアリア様も五十歩百歩よ、中々手も握れなかった貴女に比べればミリアリア様の方がまだ積極的かもね」

「ぐぬうっ」

クラリスから抗議を受けたリリアーナはしれっとした顔で逆襲し、それを受けたクラリスが言葉に詰まってしまう姿を楽しげに見詰めていたが、直ぐに表情を穏やかに変えながら言葉を続けた。

「……でもまあ、最後は勇気振り絞って自分から言えたんだから現時点ではやっぱりクラリスの方がマシよね」

「……し、知りません」

リリアーナの言葉を受けたクラリスは真っ赤になりながら抗議の声をあげ、アイリーンはそんなクラリスを愛しげに一瞥した後にグダグダになりかけている状況を建て直す為に立ち上がった。

その後アイリーンのとりなしで議事は再開され、救出隊とミリーナ達とサララ達にアイリーンの侍女達を除いた者達はダンジョン周辺で狩猟と採取を行う事が決められ、一同は朝食を摂った後に決められた区分に従って行動を開始する事となった。

ブリーフィングを終えた一同は朝食を摂る為に食道へと向かい始め、アイリスは皆が退室したのを確認した後に傍らのミリアリアに声をかけた。

「……それじゃあ行きましょっミリア」

「……あ、ああ、そうだなアイリス」

アイリスに声をかけられたミリアリアはそう答えた後に笹穂耳を赤らめさて少しぎこちない動きで右手をアイリスに差し出し、それを目にしたアイリスは仄かに顔を赤らめながらも嬉しそうに頷いた後にミリアリアの右手に己の左手を重ねた。

アイリスとミリアリアは少しぎこちない動きながらも重なり合った互いの手にしっかりと指先を絡ませ合い、どちらからと無く重なり合った手を優しくしっかりと握り合った後に食堂に向けて歩き始めた。



魔王アイリス率いる異形の軍勢により壊滅した魔龍討伐隊、それから一夜が明けると魔龍討伐隊壊滅により情勢が変化を果たしており、アイリスはそれに対応してダンジョンに向けて移動中のマリーカ達の救出を決断した……


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