決断
52000PVアクセス及び節目の10000ユニークアクセスを突破し、更に130ブックマークに到達しました。
そして今回の投稿が節目の50回目の投稿になりますので活動報告でお知らせした通り、登場キャラ及び登場カップルの人気投票を行いたいと思います。
精細は後書きにて説明致しますので興味のある方は御覧頂き、投票をお願い致します。
マスタールーム
魔龍討伐隊のベースキャンプ周辺に到着したしたナイチンゲールを始めとした小動物に擬態した使い魔達は魔龍討伐隊の状況をつぶさに確認するとそれをダンジョンルームに控えるアイリスの下へと送り、アイリスはミリアリアやアイリーン、クラリスと共に送られて来るそれ等の情報が映し出された画像の確認作業を行った。
「それじゃあ、この2人はヴァイスブルクとリステバルス双方の国の騎士団長になるのね?」
「……ああ、ミリーナ殿は第九騎士団長で魔法と弓の扱いに長けた武人だ、ヴァイスブルク陥落の折りに再会を約して別れたんだが……彼女も虜囚の辱しめを受けていたのか」
アイリスがナイチンゲールに擬態した使い魔から送られて来たミリーナとサララの映像を見ながら発した確認の言葉を受けたミリアリアは沈痛な面持ちを浮かべながら応じ、同じ様な表情を浮かべたアイリーンが続いて口を開いた。
「サララ様は我が国の第五騎士団長を務めておりましたわ、第五騎士団は女性兵士のみで構成された騎士団で女性皇族の警護に当たる部隊でクラリスも所属していましたわ、リステバルス戦役の際も最期まで私に従い奮戦し、この様な憂き目にあっておりますわ、サララ様は狐人族固有の高い魔力に加えてスピアの名手でもあります、そして、とても清々しい気風の持ち主ですのでミリーナ様とは気心が合っているのでしょう」
アイリーンはそう言うと厳しい表情で唇を噛み締め、ミリアリアとアイリーンの説明を聞き終えたアイリスはスラリとした美脚を組みながら彼我の現状が表示された地図の画像を具現化させた。
青い点で表示された魔王のダンジョンと使い魔によってそこに向けて誘導されるマリーカ達を表す緑の矢印にそれを追撃しているラステンブルク伯国猟兵部隊を表す赤い矢印、そして魔龍討伐隊と残党狩部隊捜索隊を表す2本の赤い矢印と再建中の陣営を表す赤い点、具現化された地図にはそれらが克明に表示されており、アイリスは彼我の、特にロジナ候国軍とラステンブルク伯国軍の状況を慎重に見比べた後に口を開いた。
「……今なら敵の各部隊は分散しているわね、しかもロジナの部隊については徐々に離れつつすらある、今の状況ならば我の全力を持って彼の分力を撃つ、つまり各個撃破する事が可能ね」
「……アイリス様、それはつまりっ!?」
「……やって、くれるのか?」
アイリスの呟きを聞いたアイリーンとミリアリアは思わず身を乗り出しながら声をあげ、アイリスは穏やかな笑みを浮かべながら口を開いた。
「……彼女達が来てくれればこのダンジョンも一層華やかなダンジョンになるわ、それに彼女達を助ければ貴女が感謝してくれる、あたしに取っては一石二鳥よ」
アイリスはそう言いながらミリアリアに笑いかけ、ミリアリアがそれに対して頬を仄かに赤らめさせるのを愛しげに見詰めた後にアイリーンを見ながら言葉を続けた。
「そう言う訳だから貴女があたしの行動に関して恩義に感じたりする必要は無いわ、だってあたしは魔王なのよ、永き眠りから覚めた魔王のあたしは魔王として貴女の意志に関係無く好き勝手に行動しているだけ、貴女もエルフも変な所で義理堅いから調子が狂っちゃうわ」
アイリスはそう言うとはにかみ、アイリーンとクラリスが深々と一礼する事で応じているとミリアリアが頬を赤らめながら声をかけてきた。
「……貴女はそんな事を言いながら、常に私や皆の為に尽力してくれるな、ありがとう」
「……もう、言ってる傍から、でも、嬉しいわ、ありがとう」
ミリアリアから告げられた感謝の言葉を受けたアイリスは苦笑した後に嬉しそうに微笑みながら応じ、そのやり取りを目にしたアイリーンとクラリスが目を細めていると会話を終えたアイリスが表示された地図を示しながら口を開いた。
「それじゃあ簡単に作戦を説明するわね、目標とするのは魔龍討伐隊よ、同盟者の魔龍に要請して囮になって貰い連中の主力を出撃させるわ、主力が出撃して手薄になったベースキャンプをあたし率いる別動隊が襲撃して彼女達を救出、その間魔龍には付かず離れずの状態で主力部隊を牽制して貰いながら適切な地点に誘導し、ベースキャンプの襲撃と救出を終えてそこに進出したあたし達と一緒に攻撃し殲滅すると言うのが大まかな流れよ、二日後にはヴァイスブルクのお姫様達と彼女達を追撃してるラステンブルクの猟兵部隊がダンジョン周辺に到着するから、作戦決行は明日になるわね、状勢の動きによっては状況が連続する可能性が高いわね」
「だとしたら今日は狩猟と採取を続けてなるべく食糧を備蓄した方が良さそうですね」
アイリスの告げた方針と予定を聞いていたクラリスは鋭い表情で呟き、アイリスは頷いた後に申し訳無さそうな表情でアイリーンを見ながら言葉を続けた。
「それと、申し訳無いのだけれど救出作戦には貴女も同行して貰いたいの、旧リステバルス皇国軍の捕虜を救出する際に貴女がいてくれたら話が早く進みそうだから、勿論安全には出来る限り配慮するわ」
「……ありがとうございますアイリス様、最期まで私に従い戦い抜いてくれた彼女達の救出に役立つのでしたら喜んで参加させて頂きますわ……重々の御配慮と尽力、御礼のしようもございません、本当にありがとうございます、アイリス様」
「……もう、気にしないで良いって言ってるのに、ホント、貴女達って変な所で義理堅いんだから」
アイリスの言葉を受けたアイリーンは微かに涙ぐみながら深々と一礼し、アイリスが困った様に微笑みながら応じているとミリアリアが立ち上がりながら口を開いた。
「……そうと決まればゆっくりとしている時間は無いな、私はこれから直ぐに狩猟に向かおう、昨日の狩猟と採取の際に魚が釣れそうな池を見つけたんだ何人かを連れて釣りをさせつつ付近で狩猟や採取を行ってみる」
「でしたら、私が同行しても宜しいでしょうか、不案内な森での狩猟や採取には不安がありますが釣りならその心配はありませんし、釣りには些か自信があります」
ミリアリアの言葉を聞いていたクラリスから同行の願い出があり、ミリアリアが笑顔で頷いているとアイリーンがおずおずと手をあげながら口を開いた。
「……あの、私も御一緒して宜しいでしょうか?釣りでしたらクラリスと時折やっておりましたので御迷惑にはならないかと思いますわ」
「……それは」
「……良いんじゃないかしら、周辺は使い魔で警戒させておくわ」
アイリーンの申し出を受けたミリアリアが口ごもりながらアイリスの答えを窺うと、アイリスは鷹揚な笑みを浮かべながら口を開き、それを聞いたミリアリアは頷いた後にアイリーンの同行を許可した。
そうして今後の仮方針が決まるとミリアリア達は狩猟と採取を行う為にマスタールームを後にし、アイリスは笑顔でミリアリア達を見送った後にもう一度彼我の状況が記された地図を見詰めた。
「……さて、今回はそれなりの連中が相手になるわね、こっちは圧倒的に数が少ないから武器もそれなりの物を用意しなきゃならないし、新しい使役獣も用意した方が良いわね」
アイリスは地図を見詰めながらそう呟き、その後にパチンッ小さく指を鳴らした。
アイリスが指を鳴らすと同時に淡い水色のレンズの片眼鏡が虚空に出現し、アイリスはそれを手に取ると自分の左目に装着した後にもう一度小さく指を鳴らした。
アイリスが指を鳴らすと同時にソファーの傍らに魔龍から譲渡された鱗が詰められた大きなずた袋が姿を現し、片眼鏡をかけたアイリスはその中に手を入れて10枚程の鱗を取り出した後に右目を閉じて片眼鏡を通した左目で鱗を1枚づつ見詰め始めた。
アイリスが片眼鏡、魔眼鏡サイクロプスを通して見詰める事により魔龍の鱗に魔王の魔力が宿り、アイリスは10枚の鱗全てに己の魔力を籠めた後に鱗を手に立ち上がった。
「……我は魔王、魔王アイリス、我が魔力と我が盟友たる魔龍の欠片を合わせ、新しき剣を生み出さん」
立ち上がったアイリスが厳かに言霊を紡ぐとそれに呼応する様にマスタールームの床に五芒星の魔法陣が描かれ、アイリスはその魔法陣に己の魔力を宿した10枚の鱗を奉じた後に更なる言霊を紡いだ。
「……我が投じし魔王の力を宿した魔龍の欠片よ、熔けて合わさり剣を成せ」
言霊を紡ぐアイリスの脳裏に愛しき女ミリアリアの姿が浮かび、それに呼応する様に左目に装着したサイクロプスが淡い輝きを放つ中、アイリスは愛しき女に捧げる剣を造るため増幅された魔力を言霊と共に解き放った。
「我は願う、気高く、凛々しく、そして美しき彼の者に捧げし剣が生まれし事を、我が願い、我が力によって具現化せよ、龍軍刀フレイヤ!!」
アイリスが解き放った言霊と魔力に呼応して魔法陣が眩い輝きを放ち、それが収まると鞘に収められた1本の軍刀、龍軍刀フレイヤが魔法陣の上空に浮かんでいた。
アイリスが浮かんでいるフレイヤを手に取り、鞘から抜き放つと滑らかな光沢を放つ白銀の刃が姿を現し、アイリスはその出来栄えに満足した様に頷きながらフレイヤを鞘へと戻した後に小さく伸びをした。
「……ふうっ、中々良い出来だったけどやっぱり製錬は疲れるわね、でも、彼女にこれをあげたら喜んでくれそうね」
アイリスはそう呟いた後にフレイヤを愛しげにひと撫でした後にソファーに置き、それから次の製錬を行う為にずた袋の中から魔龍の鱗を取り出し始めた。
使い魔達の報告によって囚われの身となっている2人の騎士団長の存在を知ったアイリスはミリアリアとアイリーンから2人の人なりを聞いた後に彼女達の救出と魔龍討伐隊の殲滅を決断した。
アイリスの決断を受けたミリアリア達は作戦決行に備えて動き出し、彼女達を見送ったアイリスも彼女達の装備を整える為に動き始めた……
登場キャラ&登場カップル人気投票説明
1・投票期間・本投稿より10月12日23時59分までの2週間とし投票があった場合はそれ以降で最初の投稿の後書きにて集計結果を発表致します。
2・投票方法・感想、作者へのメッセージにて投票して頂きます、投票可能回数は御一人様に2回とし、1回につきキャラは最大3名、カップルは最大2組まで投票可能となります。また、更新報告を行っておりますTwitterでも同様の条件で受け付けます。
3・カップル部門ノミネートカップル
現時点にてカップル部門で投票可能な百合ップルを掲載しております。
1・アイリス×ミリアリア
2・スティリア×クーデリア
3・アイリーン×クラリス
4・イライザ×エリーゼ
5・マリーカ×アナスタシア
6・ミランダ×カッツバッハ
7・ラリッサ×サーシャ
8・サララ×ミリーナ
9・ケイト×ソニア
以上9組が投票可能な百合ップルとなっております、投票の際に投票カップルにしてほしい希望シチュエーション等がありましたら併せてお知らせ下さると参考にさせて頂きます。
皆様の投票をお待ちしております。