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詰問

35000PVアクセス及び7000ユニークアクセス突破出来ました、今後も宜しくお願いします。

残酷な描写がありますので閲覧は自己責任でお願い致します。

拷問部屋


イライザとエリーゼを居室へと案内したアイリスとミリアリアはその後にで捕らえられた捕虜達が放り込まれている拷問部屋まで足を運んだ。

「今から捕虜の尋問をするんだけど、見てて楽しい物じゃ無いから貴女は部屋で休んでてもいいのよ」

「……ありがとう、だが私も同行させて貰うよ、確かに見てて愉快な物では無いが捕虜の尋問は必要な事だ」

扉の前でアイリスから言葉をかけられたミリアリアはゆっくりとかぶりを振りながら答え、その後に真摯な眼差しでアイリスを見詰めながら言葉を続けた。

「それに、貴女だけに汚れ仕事をさせる訳にはいかない、貴女は私の為に尽力してくれているんだ、だから私は貴女と共にいる、今の私が貴女に出来る事はこれくらいしかないからな」

「……フフ、そこまで恩にきなくても構わないのに、でも、嬉しいわ、ありがとう」

ミリアリアの言葉を受けたアイリスははにかんだ笑みと共に応じた後に扉を開いてミリアリアと共に拷問室の中へと入り、室内で捕虜達の見張りをしていたラリッサとサーシャが入室してきたアイリスとミリアリアに向けて敬礼し、アイリスとミリアリアが答礼を返すとラリッサが手を降ろしながら口を開いた。

「お疲れ様です、アイリス様、ミリアリア様、イライザ様は大丈夫でしょうか?」

「大丈夫よ、今頃はエリーゼと一緒に居室でゆっくりとしている筈よね」

「……へ?あっああ、まあ、その、何だ、大丈夫だろう本日はお日柄も良さそうだし」

「「……?」」

アイリスがラリッサの質問に応じた後に意味深な笑みとミリアリアに話を振るとミリアリアは頬を赤らめながらあたふたと応じ、その姿を目にしたラリッサとサーシャが首を傾げているとミリアリアは自分を落ち着かせる為に小さく1つ咳をした後に改まった口調で言葉を発した。

「……コホンッま、まあその話は捨て置くとして、異常は無いか?」

「……はい、今の所異常はありません」

ミリアリアの言葉を受けたラリッサは表情を引き締めながら返答し、サーシャは小さく頷いた後に汚物を見る様な視線を部屋の奥へと向けた。

サーシャが向けた視線の先には椅子に縛りつけられた中隊長と3人のエルフ兵の姿があり、捕らえられている筈の彼等はそれを感じさせないふてぶてしい表情でサーシャの視線を受け止めていた。

「はじめまして、あたしはアイリス、このダンジョンの主をしてるわ」

アイリスはふてぶてしい表情で見詰める捕虜達に向けて自己紹介を行い、それを聞いた捕虜達は一瞬呆気に取られた表情を浮かべたがすぐに一斉に爆笑を始めた。

「……っこいつ等」

「……ああ、気にしないでいいわよ」

いきなり爆笑を始めた捕虜達に対してラリッサは激昂して声を荒げかけたが当のアイリスは涼しげな表情でそれを制し、その間も爆笑を続けていた捕虜達は漸くそれを収めると大きく肩で息をしながら口を開いた。

「……っくく、ダンジョンの主だと、薄い混血の蝙蝠の獣人風情がよくもそんな出任せを言えた物だな、か、感心したぞ」

「……へっあの時魔力を消されちまったのには驚いたが、大方そこの臆病者の騎士団長やそこの負け犬どもの魔力で強化されたんだろう?そしてこいつ等にちやほやされていい気になって御山の大将に祭り上げられたって所だろうぜ、見るからに頭緩そうだしな」

「ああ、魔力で強化されてなけりゃあんなに容易くやられる筈がねえ、てめえに砕かれかけた顎はまだ痛んでやがる、その御礼に頭の緩い好き者そうなその面ひいひい言わせてやるぜ」

「俺もてめえに腕斬り落とされちまったんだ、その御礼に足腰立たなくなるまでひいひい言わせた後でその腕叩き斬ってやるぜ」

中隊長に続いてエルフ兵達が野卑と呪詛がない交ぜになった表情で嘲りの言葉を吐きながらアイリスの魅惑的な肢体をなめ回す様に見詰め、その様子を目にしたラリッサとサーシャが思わず眉を潜めていると扉が開かれて水の入ったコップと軍用ビスケットが盛られた皿が盛られたトレイを手にしたイライザとエリーゼが入室してきた。

今まで嬲り尽くし汚し尽くしてきた2人の姿を目にした捕虜達は喜色を浮かべ、一方ラリッサとサーシャは突然の2人の登場に戸惑いの表情を浮かべながらアイリスに声をかけようとしたが、アイリスが侮辱された瞬間から山積みになった廃棄物を見る様な目で捕虜達を見ていたミリアリアがそれを制する様に目配せを行い、それに気付いたラリッサとサーシャが凡の事を察して沈黙する中、アイリスが涼しげな口調で捕虜達に向けて告げた。

「……あらあら、あたしは休んでる様に言ったんだけどどうやら彼女達は貴方達に配膳したいみたね、まあ、良いわ、お食事でもしながらゆっくりお話しましょ」

アイリスがそう言うとイライザとエリーゼは無言で一礼した後に捕虜達の所に近付くとその前にトレイを置き、それとほぼ同時に中隊長と顎を砕かれたエルフ兵が戒めを振り解いてイライザとエリーゼに飛び掛かり、運んで来た水と軍用ビスケットが拷問部屋の床に散乱する中、羽交い締めにされたイライザとエリーゼの喉元に中隊長とエルフ兵が隠し持っていた短刀の切尖が突き付けられた。

「クックックッ、あんな緩い戒めとおざなりなボディーチェックしかしないとは頭の緩そうな外見に相応しい杜撰さだな」

「よう、こう言う時は逃げられねえ様にしっかりしなきゃいけねえぜ、頭の緩い色情狂な御山の大将さんや甘ちゃんの牝犬騎士団長達には高尚すぎる話だろうがな」

中隊長とエルフ兵が哄笑しながら宣っているとミリアリアとアイリスに腕を斬られたエルフ兵達が魔力の風で戒めを斬り払った後に勝ち誇った笑みを浮かべて立ち上がった。

「俺等エルフを捕らえる時は魔力封じをした上で捕らえなきゃだめだぜ、こんなちんけな戒めなんざ紙みてえなもんだからよ」

「余りに無用心過ぎて罠かと思ってたが考えすぎだったみてえだな、斬られた腕の対価たっぷりと払って貰うぜ」

腕を斬られたエルフ達はそう言いながらイライザとエリーゼを羽交い締めにしている中隊長とエルフ兵の傍らへと移動し、アイリスはその様子に小首を傾げながら口を開いた。

「……あらあら、せっかちさんなのねえ、折角用意してあげたお食事いらないの?」

「クックックッ欲しい物はあんな物等じゃなく貴様のふしだらな身体だ」

「折角助けたこいつ等がどうなってもいいのか?御山の大将じゃねえって言うならこいつ等を助ける為に身を差し出すくらいしてみなよ、色情狂の獣人さんよお」

アイリスののんびりとした言葉を受けた中隊長とエルフ兵はイライザとエリーゼの喉元に短刀の切尖を突き付けながら告げ、腕を斬られたエルフ兵達もその言葉に野卑た笑みを浮かべているとアイリスはのんびりとした表情を浮かべながら右手を掲げた。

アイリスの掲げた右手の前に黒い焔が生じ、アイリスが無造作にそれを掴むと焔は一瞬にして大鎌へと変化した。

「クックックッどうする気だ?こいつ等がどうなってもいいと言うのか?」

アイリスの行動を目にした中隊長は嘲笑と共に問いかけ、それを受けたアイリスは小首を傾げながら口を開いた。

「……別に平気よ、破壊されても直ぐに修復出来るし、縦しんば修復出来ないとしても代わりは幾らでもいるもの」

「「……?」」

アイリスの予想外の返答を受けた中隊長とエルフ兵達は戸惑いの表情を浮かべ、それを目にしたアイリスそれまでののんびりとした雰囲気からは想像出来ない冷たく凄惨な笑みを浮かべながら言葉を続けた。

「……浅はかね、あれだけ好き勝手に弄ばれ汚され尽くした彼女達が貴方達に給仕したいなんて思う訳無いでしょ」

アイリスがそう言うと同時に羽交い締めにされていたイライザとエリーゼの首が180度ねじ曲がり中隊長とエルフ兵達と相対する形となり、異様な光景を目の当たりにした中隊長とエルフ兵達が愕然として見詰める中イライザとエリーゼは瞼を閉ざした後に直ぐにそれを開いた。

イライザとエリーゼが開いた瞼の下にはそれまで存在していた筈の瞳は影も形も存在せず空虚な空間となっており、その光景を目にした中隊長とエルフ兵達は声にならない叫び声をあげながらイライザとエリーゼから飛び退くと腰を抜かして拷問部屋の床にへたり込んでしまった。

床にへたり込んでしまった中隊長とエルフ兵達が驚愕に見開いた目でイライザとエリーゼを見詰めていると拷問部屋の床から無数のスケルトンとボーンウォーリアーが浮かび上がってその身体をがっしりと抱え、それに気付いたエルフ兵は魔法を唱えたが直ぐにその表情が恐怖と驚愕により凍りついてしまった。

「ば、馬鹿な、何故魔法が出ないっ!?」

「……出る訳無いでしょ、魔力封じの魔法をかけたんだから」

ミリアリアに腕を斬られたエルフ兵が呆然と呟いているとアイリスが大鎌を手に事も無げな口調で告げ、それを聞いた他のエルフ兵は喘ぐ様に口を開いた。

「……ば、馬鹿な、い、一体何時の間に」

「……人質を取ったと思い込んでる貴方達が得意気に延々と宣っていた時よ、滑稽だったわ、あたしの掌の上で踊らされてるのにも気付かずに得意満面で宣う貴方達の姿」

アイリスは凄惨な笑みを浮かべてそう言いながらミリアリアに腕を斬られたエルフ兵の所へと近付き、そのエルフ兵が恐怖に顔を引きつらせていると冷たい眼差しでエルフ兵を見下ろしながら口を開いた。

「……貴方、面白い事言ってたわね臆病者の騎士団長って」

「……そ、それがどうした、あ、あいつは無様に逃げ出した臆病者だ、ほ、本当の事を言ってな、何が悪い」

エルフ兵はアイリスの冷たい言葉に戦きつつも精一杯虚勢を張って答え、それを聞いたアイリスが底冷えする程の冷気を纏った微笑みを浮かべながら大鎌の石突きでそのエルフ兵の爪先を小さく突くとエルフ兵は苦悶の表情を浮かべた。

「……っが、な、何だこの寒気は?」

「……心配しないで、爪先からゆっくりと貴方を凍らせてるだけよ」

戸惑いながら呟いたエルフ兵に対してアイリスは世間話をする様に気安い口調で応じ、その言葉を受けたエルフ兵が慌てて自分の爪先を見ると先程、アイリスが大鎌の石突きで突いた付近がゆっくりと黒い氷によって覆われているのが確認され、それを確認したエルフ兵は恐怖に絶叫したが口からは何の声も出ず、エルフ兵が混乱のあまり硬直しているとアイリスが冷たい表情で口を開いた。

「尋問の邪魔になるから声は出せない様にしておいたわ、それじゃああたしは他の人達に話があるから失礼するわ、それじゃあ永遠に、サヨウナラ」

アイリスは冷たい口調でそう告げると恐怖に目を見開いてもがき始めたエルフ兵を無視して視線を中隊長と残る2人のエルフ兵へと向け、彼等が恐怖に顔を青ざめさせるなか凄惨すてきな笑顔で宣言した。「フフフ、それじゃあ知ってる事を教えて貰うわね、ああ、魔力を使って勝手に喋って貰うから特に気負わず安心して頂戴、それと、喋り終わったら生きたままテイムしてるモンスターの餌にしてあげるから安心してね」

アイリスの凄惨すてきな笑みと宣言を受けた中隊長とエルフ兵達は背筋を凍らせ泣き喚きながら助命を請い願ったがアイリスはそれを無視して中隊長とエルフ兵達への尋問を始め、中隊長とエルフ兵達は泣き喚きながらアイリスの魔力によって自分達が知る限りの情報を洗いざらい話し続けた。

「……や、やはりアイリス様はえ、エグいな、奴等に同情する気は無いが」

「……は、話には聞いていましたが実際に見ると凄まじいですわね、あの連中には欠片も同情致しませんけど」

他のライナからアイリスの尋問の事を伝え聞いていたラリッサとサーシャは目の前で繰り広げられるアイリスの尋問風景にドン引き(ドン引きしているだけで尋問を受けている連中に対しては欠片も同情していない)しながら会話を交わし、一方ミリアリアは冷たい眼差しでアイリスを侮辱していた捕虜達の泣き喚く様を見据えていた。



残党狩部隊を殲滅したアイリスはミリアリアと共に捕らえた中隊長とエルフ兵達の所へと向かい、情報を収集する為アイリス自らが彼等への詰問を行い、情報を引き出した……


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