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惨劇・残党狩部隊中隊編・出撃

節目の30000PVアクセス及び6000ユニークアクセス、そしてこちらも節目の数字となる100ブックマークを突破致しました、今後も宜しくお願いします。

多目的ルーム


先発隊の生き残りから惨状の発生を報され戸惑いながらも対応を開始した残党狩部隊、それに対してアイリスも新たな行動を起こす事を決意して皆を多目的ルームに集合させた。

集合して来た一同はアイリーンと3人の侍女を除いた全員が軍装を身に纏っており、それを確認したアイリスは不敵な笑みを浮かべながら口を開いた。

「……どうやら呼ばれた理由は分かってるみたいね」

「……ああ、呼んだ際に簡単な概況は伝えておいた」

アイリスの言葉を受けたミリアリアは頷きながら答え、それを聞いたアイリスは頷いた後に皆を見渡しながら口を開いた。

「……概況は知っているみたいだから手短に話すわね、現在、ロジナの残党狩部隊はこのダンジョンに侵入中よ、現在連中の先発隊を壊滅させて彼等が生きた盾としてつれていた彼女を救出し、それに対して連中は第2波の部隊を侵入させているわ、連中の指揮官は残りの部隊、凡そ2〜3個小隊相当の兵力と共にダンジョン前の広場に待機していてそこにもう1人の捕虜が彼女を散々嬲り責めてたエルフ兵や魔導士と一緒にいるわ」

アイリスの説明を受けた一同は沈痛な表情を浮かべながら頷き、それを確認したアイリスはダンジョン前の広場に待機する部隊の概況が記された地図を皆の前に表示させて説明を続けた。

「あたし達は今から出撃して残っている連中を包囲し、ダンジョンに入った第2波の連中に守備隊が攻撃を始めた後に広場の連中に攻撃を開始するわ、最初の一撃はテイムしてるモンスターや使役獣が行い、その混乱をついて機動集団が突入して捕虜を救出、捕虜の確保が成功した後に残りの者も本格的に攻撃に参加して残りの連中を完膚なきまでに叩きのめすわ」

アイリスがそう説明するとそれに呼応してダンジョン前に展開する残党狩部隊の囲む様に3つの集団が出現し、アイリスは残党狩部隊の本部にもっとも近い位置に展開した集団を示しながら言葉を続けた。

「この集団は機動集団と支援集団になるわ、この集団には同盟者フェデラートゥスの魔龍が使役していた装甲火蜥蜴アーマーサラマンダー5体を配属するけど当初は攻撃を行わず、別の二方面からの攻撃への対処に忙殺され出した頃合いを見計らい機動集団が出撃して捕虜を救出し、その後機動集団は使役獣と一緒を攻撃し始めるから支援集団は使役獣や装甲火蜥蜴と一緒にそれに参加する事になるわ、人員配置については機動集団はあたしとミリアリア・フォン・ブラウワルト、それにエリーゼ・アストラハンで編成され使役獣は双角龍、支援集団はラリッサ・シャルンホルスト、サーシャ・フォン・グナイゼナウ、ティアナ・フォン・ストラスブール、セレーナ・ダンケルク、アレリア・サエッタの5名で編成され指揮官はラリッサ・シャルンホルストよ、使役獣はメタルゴーレムで配属モンスターはさっきも説明したけど魔龍がテイムしていた装甲火蜥蜴5体よ」

アイリスはそう言いながらラリッサに使役獣のカプセルを手渡し、その後にカプセルをミリアリア向けて差し出しながら口を開いた。

「はい、どうぞ」

「ああ、分かった」

アイリスの言葉を受けたミリアリアはそう言いながらカプセルを受け取り、その際にアイリスの耳元に顔をよせると小声でささやきかけた。

「……ありがとう」

「……気にしなくて良いのよ、でも、嬉しいわ、ありがとう」

ミリアリアの感謝の言葉を受けたアイリスはこそばゆそうな面持ちを浮かべながらも嬉しそうに応じ、ミリアリアがその言葉に自分の頬が緩むのを感じながら離れるとアイリスが次の集団を示しながら言葉を続けた。

「この集団は第1打撃集団よ、この部隊には使役獣のトーテムミノタウロスとテイムしてたポイズンサーペントを進化させたグロスポイズンサーペント4体が配属されているからそのモンスターに連中を襲撃させて、所属人員はミランダ・フリートラント、イリナ・クネルスドルフ、リリナ・フォン・ツォルンドルフ、テオドーラ・フォン・シュセリンブルク、マリーナ・ヴィテプスク、エルザ・ホルニッセ、カリン・フンメルの7名よ、指揮官はミランダ・フリートラントよ」

アイリスはそう言うとミランダにトーテムミノタウロスのカプセルを手渡しミランダが引き締まった表情で頷きながら受け取ると、最後の集団を示しながら言葉を続けた。

「最後の集団は第2打撃集団よ、第2打撃集団には一角龍と火蜥蜴サラマンダーを進化させた装甲火蜥蜴5体を配属させるから第1打撃集団と協力して襲撃を実施して貰うわ、所属人員はライナ・バンファール、リーナ・ヘッケン、アリーシャ・フォン・リヒテイン、ハンナ・ヴァイセンベルガーにクラリス・ド・サジタリオの5名で編成され、指揮官はクラリス・ド・サジタリオよ」

アイリスはそう言うとクラリスに一角龍のカプセルを手渡し、クラリスは頷きながらそれを受け取った後に傍らのアイリーンに視線を向けた。

クラリスの視線を受けたアイリーンは微かに頬を緩めながら頷き、クラリスが同じ様に微かに頬を緩めながら頷き返しているとアイリスが更に言葉を続けた。

「出撃するのは以上よ、他の者はここで待機して貰うわ、申し訳無いけど貴女の護衛騎士にも参加して貰う事になるわ」

「お気になさらないで下さいませアイリス様、本来ならわたくし達も参加して御手伝い致したい所ですが、私や侍女達では参加してもかえって足手纏いになってしまいますわ、クラリスは剣技、魔法共に有数の使い手ですので活躍に御期待下さい」

アイリスに声をかけられたアイリーンは穏やかに微笑みながら返答し、その後にミリアリア達に視線を向けながら口を開いた。

「皆様方の無事の御帰還と任務を完遂なされての凱旋、心より祈願致しておりますわ、いってらっしゃいませ」

アイリーンがそう言いながら典雅な動作で一礼すると後方に控えた3人の侍女達も同じ様に一礼し、ミリアリア達が威儀を正して一礼を返しているとアイリスが魔王に相応しい凄惨な笑みを浮かべながら口を開いた。

「それじゃあ、行きましょうロジナの屑どもを踏み潰し、叩きのめす為に、気高く美しき騎士の矜持と心を汚し尽くした身の程知らずどもに報いを受けさせる為に、そして破壊と殺戮に満ち溢れた凄惨すてき狂想曲カプリッチオを奏でる為に」

アイリスの言葉を受けた一同は決意の表情で頷き、アイリスはそれを確認した後に転位魔法で皆と共にダンジョンの外へと転位した。


残党狩部隊中隊本部周辺


異状事態に遭遇した捜索隊を救援する為に進発した第2捜索隊の帰りを待つ残党狩部隊の中隊本部、その周辺に散開して警戒に当たっていた魔狼達にが異状な行動を開始した。

警戒を行っていた筈の魔狼達は鳴き声1つたてずにその場を離れると走り去り、然程の時間を有さぬ内に中隊本部の周辺はがら空き状態になってしまった。

走り去った魔狼達は少し離れた小さな森の広場2ヶ所に向けて集結を始め、そこではアイリスによって転位させられた第1打撃集団と第2打撃集団の面々が配属されたモンスターと共に陸続と集結してくる魔狼達を出迎えた後に中隊本部を襲撃する為に前進を開始した。


第2捜索隊


ダンジョンに侵入した第2捜索隊、彼等の中にはは唐突な事態についていけない者も少なく無く、彼等は何処か落ち着き無い様子でダンジョンの奥へと進み続けていた。

戸惑い落ち着き無く捜索を続ける第2捜索隊、出来上がったばかりのダンジョンでは見られぬ筈の無い三叉路と、その前に累々と横たわる捜索隊の変わり果てた姿であった。

ある者は身体を両断され、ある者はその身体に幾本もの粗末な剣を突き刺される、身の毛がよだつ惨状を晒す彼等の物言わぬ顔面は例外無く恐怖に凍り付いており、その地獄絵図を目にした第2捜索隊の将兵は驚愕と恐怖に目を大きく見開いたまま立ち尽くした。

呆然と立ち尽くしたまま目の前に広がる惨状に目を奪われる第2捜索隊、その背後に何かが着地した様な小さな音が響き、それに気付いた最後尾の兵士達が足下から競り上がってくる様な恐怖に身を戦かせながら後方に視線を転じると、そこには大鎌を構える2体のブラッディマンティスと夥しい数のスケルトンとボーンウルフが存在しており、その姿を目にした兵士が恐怖と警報の絶叫を迸らせる前にブラッディマンティスが襲いかかってきた。

襲いかかったブラッディマンティスは手近な所にいた軽装歩兵を次々に斬り捨て、彼等が骸と化す直前にはなった断末魔の絶叫によって他の将兵は異変に気付いたが、その時にはスケルトンとボーンウルフの集団までが混乱する第2捜索隊の只中に雪崩れ込んで来た。

雪崩れ込んで来たスケルトンとボーンウルフは暴れまわるブラッディマンティスによって混乱する第2捜索隊の軽装歩兵や魔導士に群がり、彼等は恐怖の絶叫と血飛沫を撒き散らせながら次々に骸と化して倒れて行った。

指揮官はこの惨状から脱する為に躍起になって号令を発していたが、その注意が後方で暴れるブラッディマンティスとアンデッド部隊に逸らされた隙をついて前方から死霊騎士が率いるボーンウォーリアーと魔狼の混成部隊が出撃し、死霊騎士は狼狽える第2捜索を侮蔑の眼差しで見詰めながら部隊に突撃を命じた。

混乱の最中に更なる襲撃を受けた第2捜索隊は大混乱に陥り、その状況を利用して天井を伝って混乱状態の第2捜索隊の頭上に移動した3体のブラッディマンティスが右往左往する部隊の只中に降下して大鎌を手当たり次第に振るい始めた。

組織だち統制されたモンスターの襲撃を受けた第2捜索隊は瞬く間に壊乱状態に陥ってしまい、ブラッディマンティスとアンデッドと魔狼の混成部隊は逃げ惑う軽装歩兵や魔導士を片端から斬り裂き、喰らい尽くしていった。

魔王のダンジョンに再び阿鼻叫喚の地獄絵図が生じた、第2捜索隊の将兵が発した断末魔の絶叫はダンジョン内に幾重にも木霊していた。



残党狩部隊の殲滅と虜囚となっているイライザの救出、魔王アイリスは2つの目標を達成する為にミリアリア達と共に出撃した、出撃したアイリス率いる部隊はテイムした魔狼達を配下に従えつつ襲撃態勢を整え、ダンジョンに侵入した新手の捜索隊に対しては死霊騎士率いるアンデッド部隊が魔狼とブラッディマンティスの支援の下攻撃を開始した。

魔王アイリスが奏でる破壊と殺戮に満ち満ちた凄惨ごくじょう狂想曲カプリッチオその悲惨りゅうれい絶叫せんりつ悪夢さいじょう末路フィナーレに向けて狂おしく舞い踊る……

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