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惨劇・残党狩部隊中隊編・侵入

26000PVアクセス及び5500ユニークアクセス突破出来ました。これからも本作を宜しくお願いします。

マスタールーム


ミランダ達救護隊によって救出されたラリッサとサーシャを含めた5人は救護隊の誘導によって昼前にダンジョン周辺へと到着し、それを確認したアイリスは転位魔法によって彼女達をダイニングに転位させ、予想外の事態に戸惑うラリッサ達に対して詰めていたアイリーンの侍女達が山鳩のグリルに果物と言う食事を振る舞った。

碌な食事を摂れないまま逃走を続けていたラリッサ達は戸惑いながらも出された食事にかぶりつき、ミランダと途中から姿を現したミリアリアは食事をするラリッサ達にこれまでの経緯を説明した。

女魔王アイリスの存在と彼女の製作した異形のダンジョン、魔龍との盟約や異形の軍勢による残党狩部隊本隊の襲撃、ミリアリアとミランダから告げられた話の内容は予想の斜め上を行く物であり、それを聞きながら食事を終えたラリッサ達はその内容に驚愕しながらミリアリアに案内されてマスタールームへと向かった。

案内されたラリッサ達がマスタールームに到着するとそこではアイリスがアイリーンから世界の情勢説明を受けている所であり、ラリッサ達の入室に気付いたアイリスはそれを中断すると穏やかな表情で立ち上がってミリアリアとラリッサ達を出迎えた。

「……あたしのダンジョンへようこそ、あたしはアイリス、貴女達が言う所の魔王という存在でこのダンジョンの主よ、宜しく」

「……旧ヴァイスブルク伯国第二騎士団所属のラリッサ・シャルンホルストです」

「同じく第二騎士団所属のサーシャ・フォン・グナイゼナウです」

「第三騎士団所属のティアナ・フォン・ストラスブール」

「同じく第三騎士団所属、セレーナ・ダンケルクです」

「だ、第十騎士団所属アレリア・サエッタです」

アイリスの挨拶を受けたラリッサ達は戸惑いながら自己紹介を行い、それを聞いたアイリスは鷹揚に頷きながら言葉を続けた。

「取りあえず貴女達を救出して匿わせて貰ったけどそれを恩に着せたりするつもりは無いから安心して良いわ、このダンジョンは来る者拒まず去る者追わずが基本よ、だから貴女達は取りあえず身体を休め、回復してから身の振り方を考えれば良いわ」

「……は、はい、ありがとうございます」

アイリスから告げられた魔王らしからぬ鷹揚な言葉を受けたラリッサは戸惑いながらも謝意を示し、アイリスはダンジョンクリエイティブの能力を使って2名用の部屋と3名用の部屋を1つづつ製作してラリッサ達にそこで休む様伝えた。

ラリッサ達はアイリスの魔王らしからぬ鷹揚な対応と細やかな配慮に面喰らい恐縮しながら宛がわれた部屋へと戻り、アイリスはラリッサ達を見送った後にミリアリアに微笑みかけながら自分の隣のソファーをポンポンと叩いた。

アイリスの行動を目にしたミリアリアは仄かに頬を赤らめながら頷くと、アイリスの示した所に腰を降ろし、テーブルに広げられた地図を見ながら口を開いた。

「情勢確認か?熱心だな」

「……永く眠っていたあたしに一番不足している物は情報よ、このダンジョンは護りに関してはある程度計算が出来るけど裏を返せば情報が集まり難いと言う事でもあるわ、だから機会や伝手があるなら出来る限り情報を収集しておきたいの」

アイリスがそう答えると情勢を説明していたアイリーンが微笑みながら頷き、ミリアリアが得心の表情で頷いているとテーブルに置かれていたベルが突然澄んだ音色を響かせ、ミリアリアは突然響いた音色に思わず立ち上がりかけたがアイリスはそれを制しながら静かに口を開いた。

「大丈夫よ、侵入者がダンジョンに近付いて来たら自動的に鳴る様にしてあるの」

「……と言う事は来たのかっ!?」

アイリスの言葉を聞いたミリアリアは表情を鋭くさせながら問いかけ、アイリスは頷いた後にアイリーンに向けて口を開いた。

「と言う訳で一度切り上げるわね、助かったわ、また宜しく頼むわね」

「……この程度で御礼になるとは思えませんが、また、御協力させて頂きますわ」

アイリスの言葉を受けたアイリーンはそう言うと典雅な動作で一礼した後に後方に控えていたクラリスと共に退室し、アイリスはそれを見送った後にミリアリアに声をかけた。

「……第四騎士団に所属していた達を呼んでくれる?助けた時に見知った顔が居た方が安心出来る筈だから」

「……ああ、そうだな、行ってくる」

(……貴女は何時もそうだ、魔王だから好き勝手にやっていると言うのに何かと配慮してくれる、だから私以外の皆も貴女に従う道を選択するのだ、誰も助けてくれない中で貴女だけが私達を気遣い、助けてくれたのだから)

アイリスの言葉を受けたミリアリアがそんな事を思いながら返答した後に立ち上がると、アイリスは笑顔でヒラヒラと手を振りながら口を開いた。

「行ってらっしゃい、御礼楽しみにしてるわね」

「……っぐ」

アイリスの言葉を受けたミリアリアは初めて逢った時から今に至るまでの間に行ったアイリスとの過激な交流を思い出して真っ赤になって言葉に詰まったが、その様子を目にしたアイリスが浮かべたからかう様な微笑み目に負けん気を刺激されて笹穂耳まで真っ赤になりながらやけ気味に言葉を続けた。

「……い、良いだろう、い、今から御礼をしてやる」

「……え?」

ミリアリアの予想外の返事を受けたアイリスは戸惑いの表情を浮かべ、ミリアリアは何時もの飄々とした様子とは異なる無防備な表情を茹でた甲殻類の様に真っ赤な顔で見詰めながらアイリスの太股に跨がった。

「……っ!!」

ミリアリアの何時に無く自暴自棄だいたんな行動にアイリスは真っ赤になって息を呑みながら身体を硬直させてしまい、ミリアリアは魔王の今までに無い反応に突き動かされる様に真っ赤になったアイリスの形の良い顎に指を添えると指先に力を入れてアイリスの真っ赤になった顔を強引に上向かせながら熱に浮かされた様に言葉を続けた。

「……と、取りあえずは、こ、これが御礼だ……ほ、他にも……そ、そうだな……し、食事もこの体勢で私が食べさせてやろう……って」

熱に浮かされた様に自暴自棄だいたんな言葉を続けていたミリアリアだったが、その言葉を言い終えた後に漸く自分がとんでもない約束をしてしまった事に気付き、慌ててそれを訂正しようとしたがアイリスは潤んだ瞳でミリアリアを見上げながら口を開いた。

「……悪戯もしてくれる?」

「……っ!?」

アイリスは新たな要望を聞き真っ赤になって絶句してしまったミリアリアを真っ赤な顔で見上げ、ミリアリアは上気したアイリスの顔と潤んだ瞳に小さくコクンッと喉を鳴らした後に掠れ気味の言葉を返した。

「……し、食事中だけじゃ無く、り、料理の時もい、いた、悪戯してやろう、ま、魔王なんだからわ、私の悪戯くらい、た、耐えられるだろう?」

(……って待て私、何売り言葉に買い言葉で応じてるんだっおい、私)

「……フフ、良いわ、魔王の沽券に賭けて、耐えてみせるわ」

「……えっ……あっ……そのっ……あ、ああっ」

ミリアリアが脊髄反射の様にアイリスの言葉に応じてしまった自分に対して1人ツッコミを行っているとアイリスが蠱惑の笑みと共に語りかけ、ミリアリアは暫くもごもご口を動かした後に真っ赤な顔で頷いた。

アイリスとの約束を終えたミリアリアは真っ赤な顔で立ち上がるとライナ達を呼ぶ為に退室し、その背中を見送ったアイリスはミリアリアが退室した事を確認すると蕩けた笑みを浮かべた。

「……フフ、御料理の時から特上の催淫魔法と感覚増幅魔法をかけとかなきゃ駄目かしら、でも、そんな物かけなくても悪戯されただけでとろとろに蕩けちゃう自信もあるし、フフ、悩ましいわ」

アイリスが蕩けた笑みを浮かべて呟いているとテーブル上のベルが2度澄んだ音を響かせ、その音を聞いた瞬間アイリスの蕩けた笑みが消え去り、その変わりに魔王に相応しい凄絶な笑みが浮かんだ。

「……さて、何にしても先ずは近付いて来てる屑どもを叩き潰さなきゃならないわね」

アイリスはそう呟きながら眼前に使い魔から送られてきた残党狩部隊の映像を表示させ、スラリとした美脚を軽く組むと冷たい眼差しで前進を続ける残党狩部隊を見詰めた。


残党狩部隊


ダンジョンへと誘導されている事も魔王により監視されている事にも気付かぬまま前進を続ける残党狩部隊、意気揚々と続けられていた彼等の前進は姿を現したダンジョンの入口によって停止させられた。

残党狩部隊の将兵は突然出現したダンジョンの入口に一瞬戸惑いの表情を浮かべたが入口前に真新しい野営の痕跡を発見した事によってその表情は直ぐ様ギラついた物へと変化し、更にダンジョン入口付近に落ちていたヴァイスブルク伯国騎士団の徽章の発見によってギラついた表情は喜色へと変化した。

中隊長が随行する魔導士に命じてダンジョンの概況を調査させるとそのダンジョンは形成されて1週間と経っていない事が確認され、中隊長はその報告と魔狼がこの先に逃亡中のエルフの気配を感じていない事から考えて逃亡中のエルフが逃走の一助を求めてダンジョンに潜入したと結論づけてダンジョンへの侵入を決断した。

袋の鼠となったエルフ達を狩る為に表情を輝かせながら準備を残党狩部隊の将兵が準備を始めていると最後尾を進んでいた小隊が到着し、それに気付いた将兵は準備の手を休めるとその最後尾に野卑た視線を向けた。

小隊の最後尾にはエルフ兵達と優男風の魔導士と童顔の魔導士に連行されるイライザとエリーゼの姿があり、引き締まり成熟した肢体を催淫魔法と感覚増幅魔法の術式によって雁字搦めに縛りつけられたイライザはそよ風に撫でられただけで艶かしく震えてしまう程鋭敏にされた肢体をエルフ兵と魔導士による魔力の風で弄ばれながら歩かされていた。

「ふむ、中々良いコントロールですね、ですがこうすればなお良いですよ」

「……ックッ……ンンッ」

「えーと、そうか、こうすれば良いんですね、こんな風にっ!!」

「……ッアッ……クウッ」

「どうしたあ、随分汗をかいてるなあ、ほら、涼しくしてやるぜっ!!」

「……ッカッ……ハッ……ンンッ」

「おいおい、何ノロノロ歩いてんだあおい、ほらこうして背中を風で押してやるぜっ」

「……ッンアッ……クアッ」

「まだ、汗が引かねえか、だったらほら、全身に風を当ててやるぜっ感謝しなよっと」

「……ッン……ンンッ」

鋭敏さを増しそよ風にさえ反応させらてしまう肢体を魔力の風で苛まれたイライザは必死に食い縛った歯の間から蕩けた声をもらしながら歩かされ、エリーゼは零れそうになる涙を必死に食い止めながら嬲られ続ける最愛のひとの窮状を見るしか無かった。

エルフ兵と魔導士達の魔力の風に鋭敏な全身を弄ばれてしまったイライザは食い縛った口から蕩けた声をもらしながらもどうにか主力部隊との合流に成功し、エルフ兵と魔導士達は野卑た笑みを浮かべながらイライザへの責め苦を止めた。

「……ッアッ……ンッ……ンッ……カッアッ」

「……イライザ様」

漸く責め苦から解放されたイライザは精も根も尽き果てた様子で地面に崩れ堕ちると、虚ろになりかけた瞳でゼエゼエと荒く呼吸を続け、エリーゼが泣きそうな声でイライザの名を呟いているとエルフ兵と魔導士達が陥落寸前のイライザを嘲笑混じりに見下ろしながら口を開いた。

「……へっ、副団長としてお高く澄ましてとは思えねえ無様な様だなあ」

「……それにしても複数プレイや鞭が好きなだけじゃ無く、露出散歩まで好きとはなあ」

「……浅ましいなあ、騎士団じゃなく娼館の方がお似合いだぜ、お前さんみたいなド変態にはな」

「それにしても好き者ですねえ、全身で快楽を感じれる様にしてあげたにも関わらずまだ欲しがりますか、従兵さんがいい加減待ちくたびれてしまいますよ」

「このだらしないお姉さん騎士団にいたなんてちょっと信じられませんよね」

(……殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す……こいつ等……こいつ等……こいつ等……絶対殺してやる……絶対殺してやる……絶対殺してやる……絶対許さない……絶対許さない……絶対許さない……私は……絶対こいつ等を許さない……気高く凛々しい……イライザ様を……優しく愛しい……イライザ様を……汚し……侮辱し……嘲笑い……踏みにじった……許さない、許さない、許さない、許さない、許さない、許さない……私は絶対こいつ等を許さない……許してやるもんか)

エリーゼがイライザを嘲笑するエルフ兵と魔導士達に怒りを煮え滾らせながら唇を噛み締めていると、イライザは身体を震わせながらどうにか立ち上がりエリーゼは目尻に涙を溢れさせながらゼエゼエと荒い息を続けるイライザに近付いた。

「……イライザ様、もう、もう止めて下さい、壊されちゃいます、壊されちゃいます、こう以上されたらイライザ様、壊されちゃいます」

「……駄目だ……私が堕ちれば……次は……御前が……だから……私は……堕ち……ない……心配……するな……エリー……ゼ」

エリーゼの懇願に対して気丈に応じるイライザ、しかしその言葉も、その笑みも余りに儚く消え入りそうで、エリーゼが最愛のひとの余りに惨めな姿に血が滲む程唇を噛み締めていると部下を従えた中隊長が近付いて来た。

「これよりダンジョン捜索を始める、第3小隊と魔導兵1個分隊が侵入する」

中隊長はそこで一度言葉を区切り、その後に満面の笑みを浮かべてイライザを見ながら口を開いた。

「ダンジョンにはエルフどもが逃げ込んでいる、盾として貴様の従兵を連れて行かせる」

中隊長が命じると同時に中隊長に従う部下達がエリーゼに近付いて両脇をがっちりと抱え、イライザは顔色を変えながら掠れた声をあげた。

「……ま、待て……や、約束が……」

「約束、何の事かね?連れて行け」

イライザの声を受けた中隊長が平然とした表情で白々しく言い放つと、部下達は引き摺る様にエリーゼをダンジョン捜索隊の所へと連れて行き、愕然とした表情でなす術無くそれを見詰めるイライザの耳元に優男風の魔導士と童顔の魔導士が囁きかけた。

「……愚かですねえ、大陸協定にも批准していない野蛮人の貴女方エルフとの約束など我々選ばれし人族にとっては意味を持ちませんよ」

「……でも、やらしいお姉さんがおねだりしてみたら何とかなるかもね、変態副団長さん」

侮蔑の囁きを受けたイライザは唇を噛み締め、中隊長はその様子に相好を醜く崩しながら口を開いた。

「……ほう変態副団長なあ、面白い、変態副団長として御奉仕が出来るならあの従兵に寛大な処置を約束しよう、いいか、あくまで変態副団長として御奉仕するのだ、快楽に耽る事無く御奉仕するのだぞ」

中隊長はそう言いながら野卑た笑みを浮かべ、イライザは暫く歯軋りした後に声を絞り出した。

「……わ、私は……い、イライザ・フォン・アルハンゲリスク……へ、変態副団長……です……あ……貴方様がたに……ご……御奉仕……致します……か……快楽に……耽る事……無く……御奉仕……致します……ど……どうか……変態副団長……の……御奉仕を……お受け……下さい」

(……エリーゼ……御前を……護る……泥水を……啜ろうとも……敵に……浅ましく媚を売り……無様に懇願しようとも……御前を護りたい……だから……持ち堪えてくれ……私の心……耐え抜いてくれ……私の矜持)

屈辱に震え悔し涙に頬を濡らしながらも懸命に奉仕を請うイライザに対して中隊長は満足げな笑みを浮かべ、一方エリーゼを連れたダンジョン捜索隊は随行する魔導士のスキャニングによってダンジョンの概況を把握した後に物見遊山に近い気楽さでダンジョンへと侵入した。



逃亡するヴァイスブルクの残党を追い続ける残党狩部隊、意気軒昂に進み続ける彼等は魔王のダンジョンに到達し、残党の痕跡を発見した彼等は物見遊山のごとき気楽さでダンジョンへと侵入した、その先に凄惨な地獄が待ち受けているとも知らずに……

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― 新着の感想 ―
これでもアイリスとミリアリアはまだキスもしてないってどういうことだ!!
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