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コンバットレスキュー

24500PVアクセスならびに節目の5000ユニークアクセスを突破し、ブックマークも90件を突破出来ました、今後も本作を宜しくお願いします。

ダンジョン・多目的ルーム


敗残兵と化した残党狩部隊の生き残り達がスティリアの部隊と接触をし始めていた頃、魔王のダンジョンでも新たな動きが生じていた。

多目的ルームでは友好国の仮面を被った敵国ラステンブルク伯国へと逃亡中のヴァイスブルク伯国軍の残党を救出する任を帯びたミランダ以下8名がアイリスの製作した軍装を纏って整列しており、アイリスは整列したミランダ達に対して逃亡中の残党の状況が記された地図を表示させながら口を開いた。

「昨夜から少し状況が変化したので伝えておくわ、傷を負って逃亡中だったエルフと最後尾で逃亡中だったダークエルフが合流して現在共に逃亡中よ、これで彼女達は4隊に別れて逃亡中になっているから貴女達には2名づつの4組に別れて彼女達に救出を行ってもらうわ」

アイリスの指示を受けたミランダ達は引き締まった表情で頷き、アイリスはそれを確認した後に最も後方のエルフとダークエルフのペアを意味する光点を示しながら指示を続けた。

「最も後方を移動し尚且つ負傷者の存在するエルフとダークエルフのペアを救護対象甲とし、救護に向かう救護隊甲はミランダ・フリートラント及びハンナ・ヴァイセンベルガー」

アイリスの指示を受けたミランダとハンナは引き締まった表情で頷き、アイリスは続けて救護対象甲の前方を進む光点を示しながら更なる指示を行った。

「救護対象甲より前方を進む各救護対象については救護対象甲との距離が近い順に救護対象乙、救護対象丙、救護対象丁とし、対応する救護隊を救護隊乙、救護隊丙、救護隊丁とするわ、救護隊乙はイリナ・クネルスドルフとリリナ・フォン・ツォルンドルフ、救護隊丙はテオドーラ・フォン・シュセリンブルクとマリーナ・ヴィテプスク、救護隊丁はエルザ・ホルニッセとカリン・フンメルよ」

アイリスの指示を受けた3組は微かな緊張を覗かせながらもしっかりと頷き、アイリスは頷いた後に陣営襲撃の際にライナ達に渡した使役獣のカプセル3つに新たなカプセルを加えた4つのカプセルを示しながら口を開いた。

「ロジナの残党狩部隊は此方に向かっているから大丈夫だけど野生のモンスターに襲撃されちゃう可能性は0じゃないわ、だから陣営襲撃に使った使役獣のカプセルと新しく作った双角龍のカプセルを各隊に渡しておくわ、救護隊甲は双角龍、救護乙はメタルゴーレム、救護隊丙はトーテムミノタウロス、救護隊丁には一角龍よ」

アイリスはそう言いながら各救護隊にカプセルを手渡し、その後に整列したミランダ達を見ながら言葉を続けた。

「それじゃあ今からダンジョンの外に転位させるわ、宜しく頼むわよ」

「分かりました、一同、敬礼!」

アイリスの言葉を受けたミランダが凛とした声で号令を発すると救護隊のエルフ達は流れる様な動作でアイリスに敬礼し、アイリスは少しぎこちない手つきで答礼した後に口を開いた。

「それじゃあ転位させるわね」

「ミランダ殿、宜しく頼む」

「皆様、どうか御無事で任務を完遂して下さい」

アイリスの言葉に続いて見送りに参加していたミリアリアとアイリーンが激励の言葉を送り、ミランダ達は頷きながらアイリスの転位魔法によってダンジョンの外へと転位した。


2時間後・救護対象甲


陥落したヴァイスブルクを脱して再起を期したヴァイスブルク伯国軍の残党、その一員であり第二騎士団に所属していたダークエルフの兵士、ラリッサ・シャルンホルストは同じく第二騎士団に所属していたサーシャ・フォン・グナイゼナウと共に懸命の逃避行を続けていた。

脱出の際にロジナ候国軍の弓兵の放った毒矢に脚を傷付けられたサーシャは回復魔法によって毒の廻りを食い止めながら懸命に逃亡を続けていたが回復魔法対策として複数の毒薬をブレンドした上に簡易的な抗魔魔法まで施されていた毒の廻りは魔力に長けたエルフと言えども完璧には阻止出来ず、サーシャは徐々に悪化する脚の状態に歯を食い縛りながら逃亡を続けたがラリッサが追い付いた時にはそれも限界に近付いていた。

同じ騎士団に所属し親友でもあるサーシャの状態を見て取ったラリッサはサーシャに肩を貸しながら逃避行を続けたがその様な状況では当然距離を稼げる筈も無く、サーシャは頬を涙で濡らしながらラリッサに懇願を続けていた。

「……ら、ラリッサ……わ、わたくしを置いて行って下さい、こ、このままでは貴女までがロジナの獣どもに」

「だからこそだ、だからこそ貴女を置いて等行けない」

サーシャの言葉を受けたラリッサは言下に拒絶の言葉を返し、サーシャがそれに対して言葉を返そうとするのを制する様に言葉を続けた。

「……これまで何人もの戦友達がロジナの獣どもに汚された。そんな獣どもの前に貴女を残しては行けない、幸い、私達を追っていたロジナの獣どもが使役している魔狼の気配は遠ざかったままだ、本来は貴女の脚を治療した方が良いとは思うが今は出来る限り距離を稼いでおきたい、無理強いになってしまうが我慢してくれ」

ラリッサはひたひたと迫ってきていた残党狩部隊の気配が突然遠ざかった事を不審に思いながらもサーシャに声をかけ、サーシャは暫く唇を噛んだ後に不承不承といった様子で頷き、その後に言葉を続けた。

「……貴女には、何時も何時も助けられてばかりですわね」

(……ラリッサ・シャルンホルスト貴女はわたくしが抱いている貴女への劣情を知っても私を助けて下さいますか?ロジナの獣どもに汚し尽くされる前に貴女に汚し尽くされたい等という浅ましい劣情を抱いている私を?)

「……気にするな、戦友なのだから当然だ」

(……サーシャ・フォン・グナイゼナウ、貴女は、夢にも思っていないだろう、ロジナの獣どもに汚されてしまう位ならいっそ私が貴女を汚し尽くしてしまいたいとふしだらな情欲を抱いている等とは)

サーシャとラリッサは相手に向けて抱いている劣情を隠しながら会話を交わした後に懸命に逃亡を続けたがサーシャの脚の状態は更に悪化を続け、ラリッサとサーシャが焦燥に狩られながらもがく様に進んでいると前方から何者かの気配が近付いてくるのが感じられた。

ラリッサとサーシャは近くにあった木陰に身を潜めて近付いてくる気配の様子を窺ったが、密着する程近寄り合った為に引き締まり成熟した互いの身体の感触を弥が上にも意識させられてしまった。

触れ合った互いの身体はしっとりと汗ばみながら熱を帯び、ラリッサとサーシャが必死になってその事から気を逸らしていると前方から聞き慣れた声が響いてきた。

「……安心しろっ私は第八騎士団長のミランダ・フリートラントだ」

「第四騎士団に所属していたハンナ・ヴァイセンベルガーです救援に参りました」

そう言いながらハンナと共に姿を現したのは確かに殿として奮戦していたミランダであり、ラリッサとサーシャは意外な気配の正体に驚いたものの予想外の味方の登場と相手に抱いている疚しい意識から逃れられる事に安堵しつつ木陰から姿を現した。

「第二騎士団所属のラリッサ・シャルンホルストです」

「同じく第二騎士団所属、サーシャ・フォン・グナイゼナウです」

ラリッサとサーシャはミランダとハンナに官姓名を告げたがサーシャは思わしくない脚の状態に顔をしかめかけており、それに気づいたミランダは直ぐに傍らのハンナに声をかけた。

「直ぐに回復魔法を」

「任せて下さい、回復魔法は得意です」

ミランダの命令を受けたハンナはそう言いながらサーシャの所に駆け寄ると手近な所にあった木の根本にサーシャを腰掛けさせて治療を始め、その様子を目にしたラリッサは安堵の表情を浮かべながらミランダに声をかけた。

「ミランダ様、ありがとうございます、ですがミランダ様は殿を務めていた筈では?」

「……ああ、私は殿を務めていたが衆寡敵せず捕らわ、彼女や他の捕虜達と共に屑どもの慰み者にされていたのだが、救出されたのだ」

「……救出、ですか?一体誰が?」

予想外のミランダの説明を受けたラリッサは困惑の声をあげ、ミランダは周囲を警戒しつつ苦笑と共に言葉を続けた。

「……話せば長くなるが私達は現在救出してくれた方に匿って貰っている、詳しい話はそこに到着してから行うつもりだ」

「わ、分かりました」

ミランダの言葉を受けたラリッサはそう答えると治療を受けるサーシャを愛しげに一瞥した後にミランダと共に周囲の警戒を始めた。

一方他の救護隊も他の救護対象と接触する事に成功して救助した彼女達をダンジョンへ向けて誘導し始め、マスタールームでその事を確認したミリアリア達とアイリーン達は救護活動が成功した事に関して胸を撫で下ろしていた。


残党狩部隊


アイリスの派遣した救護隊が逃亡中のヴァイスブルクの残党と接触を果たしていた頃、彼女達を追撃していると思い込んでいる残党狩部隊は追撃の再開に備えて朝餉を摂っており、その傍らではイライザとエリーゼが屈辱を味あわされていた。

魔力封じの首輪と手枷を嵌められたイライザとエリーゼは腰にへばりついた小さな薄布とブーツの他は何も纏う事を許されておらず、残党狩部隊の将兵は朝食を腹に収めながら隆起する双丘まで露にされた2人に好色な視線を向けていた。

イライザは羞恥に真っ赤になってしまったエリーゼの前に立つ事で好色な視線からエリーゼを護ろうとしていたがその為に自身の引き締まりより成熟した肢体はより晒し物になっており、真っ赤な顔のエリーゼは小声でイライザに語りかけた。

「い、イライザ様、わ、私はへ、平気ですから」

「……私が平気じゃないの……貴女の身体が、こんな屑どもの視線に汚されるのが」

イライザの言葉を受けたエリーゼは昨夜のイライザと交わした蕩ける様な情交を思い出すと耳まで真っ赤になりながら絶句してしまい、その雰囲気を察したイライザも昨夜の貪り合う様に激しい情交を思い出していると昨夜散々にイライザを汚し尽くした3人のエルフ兵が優男風の魔導士を従えてイライザとエリーゼの所に歩み寄り、彼等が好色な視線であられもない姿のイライザとエリーゼを見詰める中1人のエルフ兵が口を開いた。

「それじゃあ行くぜド変態の副団長様よ」

1人のエルフ兵がそう言と同時に優男風の魔導士が何事か囁くとイライザの引き締まり成熟した肢体が魔導文字で覆われ、イライザはそれと同時に身体を震わせながら何かを堪える様に唇を噛み締めた。

「……昨日同様に催淫魔法と感覚増幅魔法を施しましたよ、昨日より魔力を強めましたのでしっかりと耐えて下さいよ、副団長様」

「耐え切れたらしっかり御褒美をやるからな、好き者従兵に横取りされたく無かったらしっかり絶えるんだな」

「……っくっううっ!!」

優男風の魔導士が言ったのに続いてエルフ兵の1人がそう言いながらイライザに極々弱い魔力の風を当てると催淫魔法と感覚増幅魔法によって全身を鋭敏な状態にさせられてしまっているイライザは身体を震わせながら蕩けた声をなって必死に押め、その様子を目にした2人のエルフ兵と優男風の魔導士も野卑た笑みと共にそれに加わった。

鋭敏な全身をそよ風の様な魔力の風で嬲られたイライザは全身を艶かしく震わせながらも必死になって歯を食いしばって蕩けた嬌声の決壊を食い止め、エルフ兵達と優男風の魔導士は絶望的な抵抗を続けるイライザの姿をじっくりと視姦した後に漸くその手を止めた。

「……っう……くっううっ」

「……い、イライザ様」

辛うじて耐えきったイライザだったが鋭敏さを増した全身に情け容赦無く浴びせられた刺激によって腰砕けにされて崩れ堕ちてしまい、エリーゼが慌ててイライザの所に駆け寄るとイライザはゼエゼエと荒い呼吸を続けながら愛するひとを虚になりかけた瞳で見詰めた。

「……し、心配する、な……え、エリー……ゼ……ッン……こ、これくら……ンックッ……な、なんでもな……ンッ」

エリーゼに向けて気丈に声をかけるイライザだったが蕩けかけの声と時折震える身体はその努力を裏切り、エルフ兵達と優男風の魔導士は屈服寸前のイライザを舐め廻す様に見詰めた後に野卑た笑顔で談笑しながら遠ざかって行った。

「……い、イライザ様」

「……そんな……顔……ンッ……しないて……エリーゼ……ンッ……わ、私は……嬉し……ンックッ……お……お前を……ンックッ……護れ……て……だ……だか……ら……な……泣かない……で」

エリーゼが泣きそうな顔でイライザに呼びかけるとイライザは気丈な笑みを浮かべて応じながら立ち上がり、エリーゼは零れそうになる涙を懸命に押し止めながらイライザを見詰めた。

(……お願いです……誰でも良い……本当に誰でも良いから……イライザ様を……イライザ様を助けて下さい……その為なら私はどうなっても構いません……誰でも良い……神様でも……悪魔でも……誰でも良いから……イライザ様を……助けて……助けて下さい)

矜持と心が壊されかけへし折られかけている最愛のひとの姿に助けを請うエリーゼ、彼女はまだ知らない、彼女の願いが既に受諾されている事を、屈服寸前に追い込まれながらも愛するひとを護り絶望的な抵抗を続けるイライザ、彼女もまだ知らない、意地とエリーゼへの想いだけで辛うじて続けられている絶望的な抵抗が実を結ぶ事を、そして2人を嬲り続けていた残党狩部隊、愚かな彼等はまだ知らない、自分達が魔王のダンジョンと言う地獄に誘われ、その地獄に食らい尽くされてしまう事を……



陣営ごと壊滅した残党狩部隊本隊の敗残兵が味方と接触した頃、魔王アイリスは逃亡中ヴァイスブルク伯国の残党の救護を命じた。

アイリスの命を受け出撃したミランダ達は無事、逃亡中の残党の救助に成功し、コンバットレスキューの成功を確認したアイリスは次なる目標であるダンジョンに接近中の残党狩部隊の殲滅と彼等に虜囚となっているイライザとエリーゼの救出に意識を向けた……


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