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誘い

22000PVアクセス及び4800ユニークアクセス突破しました。今後も宜しくお願いします。

女性同士のキスシーンがありますので閲覧は自己責任でお願い致します。

霧の月九日夕刻・ダンジョン・ダイニングキッチン


陥落したヴァイスブルクで条約妥結式とそれを言う悪趣味な宴が催されていた頃、魔王のダンジョンでもささやかな宴が催されていた。

狩猟と採取に行ったライナ達は見事な牡鹿を1頭と山鳩や鴨を10頭にかなりの量の山葡萄や野生のオレンジ等の果実を手土産に帰還、ライナ達の持ち帰ってきた収穫物を目にしたアイリスは上機嫌でそれらの材料をダイニングキッチンまで運ばせた後手伝いを申し出たミランダと共に料理を開始した。エプロンを着たアイリスとミランダは手慣れた手つきでライナ達が解体した牡鹿の肉を切り分けて行き、アイリスの手慣れた手つきを見ていたミリアリアは感嘆の表情を浮かべながら口を開いた。

「凄いな、ミランダ殿は料理上手で名が通っているんだが、それに勝るとも劣らない手つきだな」

「……あら、嬉しい事言ってくれるのね、そんなに言ってくれるならもっと張り切って作らなきゃならないわね」

ステーキ用の牡鹿の肉を切り分けたアイリスはミリアリアの称賛の声に満足気な表情を浮かべながら下拵えを整えた山鳩の腹に採取された香草類を詰め、その様子を目にしたミランダはステーキ用のオレンジソースの準備をしながら口を開いた。

「……中々の手際ですね、正直驚いてます」

「……フフフ、魔王が料理上手だなんて中々珍しいでしょ」

ミランダの言葉に対して悪戯っぽい微笑みと共に応じるアイリスだったが魅惑的な肢体を惜し気も無く去らす扇情的な装いの上からエプロンを纏うという姿は見る者を妖しい想像に誘い、誘われてしまったライナ達は頬を赤らめながら小声で話し合い始めた。

「……なあ、アイリス様のエプロン姿なんだが」

「……やっぱ、そう思っちゃうよね」

「……ミリアリア様も不自然なくらい露骨にアイリス様のエプロン姿見ないようにしてるものね」

ライナ達は頬を赤らめながら小声で会話を交わし、耳敏くそれを耳にしたアイリスは殊更に手際を褒めているミリアリアに向けて蠱惑の笑みと共に口を開いた。

「……ねえ、あたしのエプロン姿、どうかしら?」

「……えっ?……そ、それは、その、に、似合ってると思うぞ」

アイリスから突然問いかけられたミリアリアは頬を赤らめさせながら口を濁し、その様子を目にしたアイリスはミリアリアの正面に立つと悪戯っぽく微笑わらいながら言葉を続けた。

「こうやって正面から見ると裸エプロンみたいでしょ?」

「……っ!?は、はだ……!?」

アイリスの言葉を受けたミリアリアは更に真っ赤になりながら狼狽し、アイリスは悪戯っぼく微笑んでミリアリアの反応を楽しげに見詰めながら言葉を続けた。

「……貴女と2人っきりだったらホントに裸エプロンでも良かったんだけど今は皆いるでしょ、だから普通のエプロン姿なのよ」

「……ふ、普通って」

アイリスの言葉を受けたミリアリアは真っ赤な顔で口ごもりながら一見しただけだと裸エプロンかと錯覚してしまうアイリスの姿を見詰め、アイリスは楽しげに、そして愛しげに真っ赤になったミリアリアの顔を見詰めながら言葉を続けた。

「……今度2人だけの時があったら裸エプロンでご飯作ってあげるわ、その時のあたしは無防備だから悪戯したりそのままあたしを料理して食べちゃっても構わないわよ」

「……っ!?」

アイリスの言葉を受けたミリアリアは茹で蛸の様に真っ赤になりながら絶句してしまい、その様子を目にしたアイリスが絶句してしまったミリアリアに対して蠱惑に微笑みかけた後に料理に戻るとミランダがオレンジソースを仕上げながら囁きかけてきた。

「……アイリス殿、やはり貴女はミリアリア殿の事を」

「……彼女を見た瞬間、目覚めたあたしは彼女に全てを埋め尽くされたの、魔王の筈のあたしは彼女に惑わされ埋め尽くされてしまったの、笑っちゃうでしょ」

ミランダに声をかけられたアイリスは頬を仄かな桃色に染めながら小声で返答し、ミランダは小さくかぶりを振りながら言葉を続けた。

「……笑いません、とても素敵な話ですし貴女とミリアリア殿が出逢えたお陰で今の私達があるのですから」

ミランダの言葉を受けたアイリスは微笑みながら香草類を詰めた山鳩を石竈オーブンに入れ、その後に切り分けた牡鹿の肉に下味をつけながら言葉を続けた。

「嬉しい事言ってくれるわね、それじゃあこれからも精一杯彼女を誘惑していくわ」

「……健闘を祈ります、ミリアリア殿の様なタイプの方は誘惑しても中々一線を越えてくれませんので頑張って下さい」

ミランダは仄かに頬を赤らめながらアイリスを激励し、アイリスはその思わせぶりな内容に微笑みを浮かべながら言葉を返した。

「あらあら、そんな事を言っちゃえるって事はそんな事を経験したり現在進行形って所なのね」

「……恥ずかしながら現在進行形でした。アイリス殿の仰ってた裸エプロンも時たま試してみたのですが、中々、悪戯まではしてくれる様になったのですが、残念ながら料理して食べるまではしてくれませんでした」

「……あらあら、ホントに彼女みたいなタイプなのね、それじゃあ今度ゆっくり話し合いましょ、中々狼や獣になってくれない相手を持つ者どうしで」

「ええ、楽しみにしています」

アイリスとミランダはそう言葉を交わすと小さく微笑わらい合った後に料理に専念した。


ダイニング


アイリスとミランダは手慣れた手つきで夕食を整えた後にライナ達に出来上がった食事を並べた後にアイリーン達に食事の用意が出来た事を告げ、その報せを受けた皆がダイニングに到着するとテーブルにはこのダンジョンでは初めてとなる携行食以外の食事が並んでいた。

オレンジソースのかけられた牡鹿のステーキに山鳩の香草焼きに鴨のローストに果物と携行食のビスケットに水で割った山葡萄の果汁、と言うメニューがテーブルの上に並べられており、その光景を目にしたアイリーンは相好を崩しながら弾んだ声をあげた。

「これは、御馳走ですわね、娼奴隷となってからは碌な食事がありませんでしたから」

アイリーンがそう言うと彼女と共に長きに渡り娼奴隷として奉仕する事を強いられてきたクラリス達が万感の表情と共に頷き、その頷きを目にしたアイリスは苦笑しながら口を開いた。

「そこまで大袈裟に言われると照れちゃうわ、さあ、冷めない内に食べましょう」

アイリスの言葉を受けた一同はテーブルを囲んで食事を始め、久方ぶりに食した温かな食事とアイリスとミランダの料理の腕前に舌鼓を打ちながら夢中で食事を続けた。

並べられた料理の皿は瞬く間に綺麗になってしまい、空になった皿はアイリーンの侍女達に手馴れた手つきで回収され洗われた。

アイリスはそれらが終わった後に侍女達に水で割った山葡萄の果汁が入った水差しを幾つかテーブルの上に置かせ、その後に人心地ついた様子の一同を見渡しながら口を開いた。

「さてと、食事も済んで一息ついた所で、今後の事について話し合いましょう」

アイリスがそう告げるとリラックスした表情を浮かべていた一同は表情を引き締め、アイリスはその反応に満足気に頷いた後にテーブル上にダンジョン周辺の地図とラステンブルク伯国へ撤退中のヴァイスブルク伯国残党を示す緑の光点を表示させながら口を開いた。

「あたし達の方針は先ずラステンブルク伯国に移動中の貴女達のお仲間さん達の救出よ、もう精細は聞いてると思うけどラステンブルク伯国とロジナの屑どもと何らかの裏取引をしている可能性があるの、だから彼女達と接触して取りあえずこのダンジョンで保護するわ」

三者会談の後にミランダやミリアリアからラステンブルク伯国の疑惑の事を伝えられていた女エルフ達は厳しい表情で頷き、それを確認したアイリスは続いてダンジョンへと向かっている赤い矢印を地図上に表示させながら言葉を続けた。

「これはロジナの残党狩部隊よ、使い魔を通じてテイムした魔狼に誘導されてこのダンジョンに向かってるわ、今は野営中よ、捕らえられたらしいエルフもいるわ」

アイリスの告げた言葉を受けた一同から声にならない呻き声があがり、アイリスはそれが収まるのを待った後に厳しい表情になってミリアリア達女エルフを見詰めながら言葉を続けた。

「……それともう1つ、伝えなきゃならない事があるの、貴女達には酷な話になると思うけど」

「……構わない、伝えてくれ、ラステンブルクまで怪しい事が判明したんだ、覚悟は出来ている」

アイリスの問いかけを受けたミリアリアは静かな口調で応じると女エルフ達は大きく頷きアイリスは頷いた後に野営している残党狩部隊の映像を表示させた。

キャンプを張った残党狩部隊は焚き火を囲みながら談笑しつつ野卑な視線を傍らへと向け、視線の向けられた先では木の枝に巻き付けた鎖付の手枷で無理矢理立たされている虜囚となった女エルフとその傍らで泣きじゃくりながら残党狩部隊の兵士に羽交い締めにされている女エルフの姿があった。

「……あれは、第四騎士団副団長のイライザ・フォン・アルハンゲリクス様!?」

「横にいるのはイライザ様の従兵のエリーゼ・アストラハンですっ!?」

その痛ましい姿を目にしたライナ達旧第四騎士団所属の女エルフ達は思わず立ち上がりながら驚きの声をあげ、その様子を目にしたアイリスは厳しい表情のまま言葉を続けた。

「捕まってるのは彼女達なんだけど他にも問題があるのよ」

アイリスがそう言うとまるでそれに誘われる様に無理矢理立たされているイライザの所にライトアーマー姿の男性のエルフが3人姿を現し、その姿を目にした瞬間ミリアリアや他の女エルフ達も驚愕の表情を浮かべながら立ち上がった。

「……彼等は?」

「……さっきから副団長を凌辱してたのはコイツ等なの、従兵は何もされずああやって羽交い締めにされて副団長がコイツ等に凌辱されるのを見せられてるの、最初は無理矢理やらされてるのかと思ったんだけどコイツ等楽しそうに副団長を凌辱してるのよね」

ミリアリアの呟きを耳にしたアイリスは冷たい眼差しでイライザを取り囲んで野卑た視線で一糸纏わぬ引き締まった肢体を見詰めるエルフ兵を見ながら呟き、それを聞いていたハンナが怒りに震えながら口を開いた。

「コイツ等、捕虜なんかじゃありませんっ!!コイツ等裏切った第七騎士団に所属していて合同訓練とかの時に何時もイライザ様をやらしい目で見てるってエリーゼ何時もカンカンに怒ってましたっ!!」

「……ハンナとエリーゼは同期で入団していて友人なんです」

憤慨するハンナの姿を目にしたリーナは痛ましげにその様子を見ながらアイリスに事情を説明し、それを聞いたアイリスは頷きつつ皆に向けて口を開いた。

「そう言う事情があるんならあたしとしては情も容赦も遠慮も無くロジナの屑どもごとコイツ等も叩き潰すわ、構わないわね?」

アイリスがそう告げると女エルフ達は決意を籠めた表情でミリアリアを見詰め、ミリアリアは小さく頷いた後にアイリスを見ながら言葉を続けた」

「故国ヴァイスブルク伯国は既に滅ぼされ、唯一の味方だったラステンブルク伯国も所詮は敵に過ぎなかった。既に私達には貴女しか頼れる味方はいない、そして、貴女は魔王だ、ならば貴女は魔王として好き勝手に行動して欲しい、私達は貴女の行動に従うし、今回は私達からもお願いする。あの売国奴どもにそれに相応しい末路を用意してくれ」

「……わたくしどもも皆様と同意見ですわ、国を喪い、娼奴隷として生きて行くしかなかった私どもが今あるのは貴女の御慈悲と御配慮があったればこそ、御自分の道を歩み下さい、リステバルスに縁のある者やリステバルスの者と相対したとしても憂う事無く叩きのめして下さいませ」

ミリアリアに続いてアイリーンもこの場にいる狐人族を代表して意見を伝え、アイリスは頷いた後に言葉を続けた。

「貴女達の意思、確かに受け取ったわ」

アイリスはそう言いながらゆっくりと立ち上がり、右手を軽く掲げながら言霊を紡いだ。

「……ダンジョン・クリエイティブ」

アイリスが言霊を紡ぎながら掲げた右手の指をパチンッと鳴らすと微かに床が揺れ、それが収まるとミリアリアが若干顔を引きつらせながら口を開いた。

「……わ、分かりきった事だが、一応何をしたか聞いていいいか?」

「今度の連中は数も多いしエルフまでいるでしょ、万が一に備えてダンジョンを5階層から10階層に増築したわ、これで同盟者フェデラートゥスの魔龍やテイムしてる大型モンスターも戦力として計算出来る様になるわ」

ミリアリアの質問を受けたアイリスは事も無げな口調で説明し、一同はただでさえエグかったダンジョンが更にエグくなった事を理解して密かにドン引きしていた。

その後アイリスが一同と協議を続けた結果、ミランダ達陣営から救出された女エルフ達が翌早朝にラステンブルク伯国へ向かって逃走しているヴァイスブルク伯国の残党の救助に向かう事を決定し、一同は翌日の行動に備えて早目に休む事となり解散した。


霧の月十日深更・残党狩部隊野営地


夜が更けて日付を跨いだ霧の月十日深更、誘導されているとは夢にも思わぬまま魔王のダンジョンへの進路を進んでいる残党狩部隊(1個軽装歩兵中隊、1個魔導兵小隊、1個軽騎兵小隊基幹)の野営地は眠りについていたが虜囚となっている第四騎士団副団長イライザ・フォン・アルハンゲリクスと彼女の従兵エリーゼ・アストラハンの2人にだけは安息は与えられていなかった。

イライザは猿轡を噛まされた状態で散々に己の身を汚し蹂躙し尽くした旧ヴァイスブルク伯国第七騎士団所属のエルフ兵達によって汚し尽くされた引き締まった肢体を鞭で打擲され続けており、従兵のエリーゼは両手と両足に枷を嵌められた状態で嘲笑する残党狩部隊の兵士に羽交い締めされたまま鞭打たれ続ける敬愛する上官に対する情けを泣きじゃくりながら懇願し続けていた。

「……っく……ひっく……お願いです……もう、もう止めて下さい……もう……もう十分でしょ……ひっく……これ以上……これ以上したら……イライザ様が……イライザ様があぁ……」

「どうする?もう限界なら止めてやってもいいんだぜ、約束の1人500回づつの鞭打ちに耐えれなかった罰としてその従兵がどうなるか分かってるならな」

泣きじゃくりながら懇願するエリーゼの声を聞いたエルフ兵は延々と続いた凌辱と打擲によって朦朧としているイライザにといかけたがイライザは力無くではあったがはっきりとかぶりを振りエルフ兵は嗜虐の笑みを浮かべて鞭を振り上げながら口を開いた。

「それじゃあ続けるぞ、なあに後半分だしっかり耐えるんだなっ!」

「嘘つけっ!!さっきから、さっきから、ずっと……ずっと……半分のまんまじゃないかっ!!……イライザ様!!……イライザ様!!……イライザさまあぁぁっ!!!!」

エルフ兵の言葉を聞いたエリーゼがもがき慟哭の叫びをあげ続ける中非情な責め苦は更に延々と続いたが、イライザは朦朧とした意識の中最後まで屈し様とせず、それに根負けしてしまう形となったエルフ兵と残党狩部隊の兵士達だったが、彼等は動じる事無く、朦朧とした状態で地面に崩れ落ちてしまったイライザとその傍らに泣きじゃくりながら這いずる寄るエリーゼの姿を蔑みの笑みで見下ろしながら口を開いた。

「しっかしあの副団長様が複数プレイや鞭が大好きなド変態だとは思わなかったなあ」

「ああ、朦朧としながらおねだりし続けてんだから余程の好き者だな、従兵には分け前やろうとしねえんだから余程だぜ」

「まあ、幾ら好き者のド変態副団長でも明日は持たねえだろう、足腰立てなくなるまで可愛がった後は泣いて分け前せがんでた従兵にもたっぷり分け前をくれてやろうぜ」

散々にイライザを嬲り弄び続けていた3人のエルフ兵の手前勝手な会話を聞いた兵士達は蔑みの笑い声をあげ、それから彼等は一頻りイライザとエリーゼを嘲笑った後に満足した様に自分達のテントへと戻って行った。

「……イライザ様、イライザ様、しっかり、しっかりしてイライザ様」

「……ゼエ……ゼエ……ッ……え……エリー……ゼ……ぶ、無事……か?」

エリーゼが泣きながらイライザに声をかけると朦朧とした表情のイライザは掠れきった声でエリーゼに呼びかけ、エリーゼは大粒の涙をボロボロと溢しながら言葉を続けた。

「……イライザ様……もう、もう止めて下さい、これ以上……これ以上……されたら……イライザ様……壊れちゃう……壊されちゃう」

「……本望……だ……エリーゼ……御前を……護る為なら……壊されても……構わない」

エリーゼの声を受けたイライザは朦朧とした表情のまま覚悟の言葉を告げ、エリーゼが涙でグシャグシャになった顔で敬愛する副団長の顔を見詰めるとイライザは朦朧としながらも微かに微笑みを浮かべながら言葉を続けた。

「……嬉し……かった……私を……慕う……その心根が……いじらし……かった……私に……尽くす……その姿が……愛しく……なった……御前の……存在……全てが……護りたく……なった……この身……汚され……この心……砕かれ……様とも」

朦朧と哀しげに微笑みながら想いを告げるイライザの瞳から涙が一筋零れ、それを目にしたエリーゼは溢れる涙で顔をグシャグシャにしながら口を開いた。

「……っく……ひっく……憧れ……でじだ……ぞの……剣技が……ひっぐ……目標……でじだ……ぞの……振る舞い……が……ひぐっ……だいずぎ……でず……づよぐで……やざじい……あなだが……あいじでます……イライザざまあぁぁ」

涙で顔をグシャグシャにしたエリーゼは嗚咽まじりに想いを返し、朦朧としながらも優しい微笑みを浮かべたイライザは静かに涙を溢しながら頷くと泣きじゃくるエリーゼに這いよった。

「……エリーゼ……汚されてる……けど……許して……くれ」

「……げがれでなんが……ないでず」

イライザの言葉を受けたエリーゼは嗚咽まじりに答えると瞳を閉じ、イライザは涙を溢しながらエリーゼの顔に自分の顔を近付け、互いの唇が重なり合う寸前に静かに瞳を閉じた。

「「……ンンッ」」

互いの唇が重なりあった瞬間に生じた甘い痺れによってイライザとエリーゼは重ね合った唇から蕩けた吐息をもらし、イライザとエリーゼは甘い痺れと互いの蕩けた吐息を求めて夢中で唇を重ね合った。

「……ンッ……フッ……ンンッ……え……エリー……ゼ……ンクッ……と……とけ……そ……ンンチュッ」

「……ンッ……ンアァ……い……いらひあ……ひゃま……ンチュッ……ひゅご……ンアァ……ひょへひゃ……ンンッ」

夢中になって唇を重ね合わせていたイライザとエリーゼは直ぐに唇だけでなく舌まで絡ませ合い始め、イライザとエリーゼは瞳を潤ませながら互いの唇に己の存在を刻む込む為に蕩けたキスを交わし続けた。

夢中になって互いの唇を貪り合うイライザとエリーゼは気付いていなかった、想いを重ね合う2人を護る様に朧気な半透明な光の幕が展開されている事に、何時しか唇だけでなく互いの身体を貪り合い始めたイライザとエリーゼは気付いていなかった、2人を護る様に展開された光の幕の傍らに立つ木の枝に1羽の梟が止まり、惰眠を貪る残党狩部隊の野営地を見下ろしている事に、そして、今生の別れを覚悟しながら互いを貪り合い、蕩けた嬌声を響かせ合うイライザとエリーゼは気付いていなかった。自分達を汚し尽くした屑どもの命日が今日になると言う事に……



ヴァイスブルクの残党を追撃する残党狩部隊、その陣中には虜囚となった女エルフと彼女達を弄ぶ売国奴の姿があり、彼女達の救出と売国奴ごとの残党狩部隊殲滅を決断したアイリスはダンジョンを増築した後に残党狩部隊をダンジョンに向けて誘った……

ミランダさんが裸エプロンになって誘惑していた相手の方についてですが、既出の方になります。


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